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素人のエロ投稿やエロ体験談が大好きです。ジャンルごとにまとめてみました。他ブログからのお引越しですが、手動のため、ある程度まとめての更新です。。。
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「あ……、あの、お母さんは?」
「急な夜勤だって。まあ、朝までには帰ってくるよ」
 あとで考えてみたら、私はカラオケでもインターネットカフェでも、二四時間の店舗に逃げればよかったのだ。
 いや、今からだって幹事の携帯に電話し、二次会に合流したってよかった。
 ただその時は、そこまで緊迫した自体は想定していなかった。ひたすら、この男――母の再婚相手と二人きりでいるのが嫌なだけだった。それだけだったのだ。
 だから、ガマンしようと思った。とにかく母が帰ってくるまでのガマンだと、なぁに、部屋に閉じこもればいいさと、軽く考えていたのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 関野を初めて母から紹介されたのは、私が高校に入学してすぐの時だった。
「母さんね、結婚しようと思うの」
 恥ずかしそうにそう言った母を、私は素直に祝福していた。
 実父は、私が小学校の時に事故で亡くなっていて、看護婦だった母はそれから一人でずっと、私を育ててくれたのだ。
 辛いこともいっぱいあったろうに、母は私のために自分の人生を捧げてくれた。
 私をなんとか高校に入学させたことで、母もホッとしていたのだと思う。晴れて結婚を考えられるようになったのだろう。
 母はその時、三七歳だった。母に伴侶が出来ることは、素直に嬉しかった。もう高校生だったから、自分に父親が出来るという感じは既になかった。あくまで母親が伴侶を得る、という感覚だった。

 母から紹介された関野という男があまりに若いことに、私ははじめ、驚愕した。関野は当時二六歳。丁度、母と私の中間といった年齢だった。
 母はキレイだったし、若く見える方だった。けれども、十以上年下の男が結婚を考える程かな?と、私は疑った。
 うちは貧乏だったから、財産狙いと言うこともないはずだ、とか、もしかしたら母は父の死亡保険金を隠し持っているんじゃないかなんて、ありもしない憶測をしてもいた。
 もしくは、関野にものすごい問題があるのでは、なんて。
 だが、関野はごく普通の男だった。普通すぎて拍子抜けしてしまうくらい普通だった。特に、年上好きな男というわけでもなかった。
 関野は、母を手に入れながら母の娘である私にもいやらしい視線を送ってくるような、そういう男だった。
 はじめは、母の伴侶と言うことでまさかそんなはずはないだろうとタカをくくっていた。
 けれど、何度も"間違えて"私がシャワーを使っているときに風呂場のドアを開けたり、"ついうっかり"ノックをせずに朝の着替えをしている私室のドアを開けたり、"後ろ姿が似ていたから間違えて"テレビを見ている私に後ろから抱きついたりしていれば、いくら鈍い私でも、わざとだと気付く。
 しかも関野は、私が子どもだからとどこかでバカにしていたのだと思う。気付かれてもお構いなしだった。
 母のいない隙を狙ってやってくるその手口は巧みで、多分、会社でもセクハラしているんだろうなぁと思えた。
 母に訴えることは、出来なかった。
 だって、母はこの結婚を本当に喜んでいたから。支えになる男性を得て、幸せそうだったから。
 母は多分、私の話を信じてくれるだろうと思えた。そして、自分を責めるだろうことは容易に想像が付いた。母はそういう人だ。
 だからこそ、母の幸せを奪うような、そんな事を私は出来なかったのだ。私が母に言わなかったことも多分、関野の横暴を助長させていたのかもしれない。
 私は、出来るだけ家で関野と二人きりにならないように注意し、部屋にも自分で市販の鍵をつけた。そして高校を出てすぐに、自立することに決めた。家には、いたくなかった。
 母は、関野さんがいてくれるから学費のことは心配しなくて良い、地元の大学へ通いなさいと言ってくれたけど、私は、
「母さん達を二人きりにしてあげたいしね、私はお邪魔でしょー」
 なんて冗談交じりに乗り切った。
 関野は、特に何も言わなかったが、母が出ていた隙に
「お前、付き合ってる男がいるんだろ? 家を出て、その男と同棲でもするつもりか? それともこれから男漁りか?」
 なんていやらしいことを言いながらニヤニヤ笑い、私の身体にわざとらしく触れて、
「もう、処女じゃないんだろう?」
 なんてことを言った。
 
 高校を出て一人暮らしをしながら働き出した私は、なんだかんだ理由をつけて、家には帰らなかった。
 母は何度も帰っていらっしゃいと電話をくれたけど、適当なことを言ってのらりくらりと逃げ続けた。
 二十二になり、初めて帰省しようかと考えたのは、高校の同窓会があったからだ。同窓会の一次会だけに出席し、その足で実家に一泊、翌日は母と食事でもして帰ろうと、そんな風に思っていたのだ。
 久しぶりに母に会えるのを、楽しみにしていたのに、それなのに急に夜勤?
 しかも母が戻る朝まで関野と二人きりだなんて――。
 私はなんだかどっと疲れが出てしまった。鍵をかけて部屋に閉じこもっていれば、寝てしまえばいいのだと、そう考えていたのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「風呂を使いなさい。さっき沸いたばかりだよ」
 少し意外だったのは、関野が思ったより小さく見えたことだった。こんなに小さな男だったっけ? 高校生の頃の子どもな私にとって、20代の関野は逆らうことの出来ない大人に見えていただけかもしれない。
 風呂をすすめられた私は、一瞬戸惑ったが、汗をかいてて気持ちが悪かったし、同窓会で少し飲み過ぎたアルコールも抜きたかったから使うことにした。
 まさか、もう成人した私の風呂を関野が覗くとは思えなかったし、沸いたばかりだと言っていたから、関野のあとにはいるわけでもないからいいかな、なんて甘く考えていた。
 私は脱衣所に荷物を持ち込み、着替え、風呂場に入った。
 一人暮らしのアパートはユニットバスだった。だから私は久しぶりの湯船につかり、流れるお湯を楽しんだ。温かさが丁度よく、とても気持ちが良い。
 風呂場を改装したと聞いていたが、私がいた頃より、湯船が広くなっていた。足がまっすぐに伸ばせる。
 心地よさについウトウトしていた私は、湯で火照った顔にかかるひんやりとした空気で、ハッと目を覚ました。
「ちょっと!」
 湯船の中の身体を、慌てて手で覆った。目の前に、関野が立っていたのだ。
「な、なんでいるんですか! 出ていってください」
「なんでって……」
 関野が、わざとらしく心外そうな声をあげた。
「美幸ちゃんがなかなか出てこないから、心配になって見に来たんだよ! そしたら、寝てるじゃないか。ダメだよ、危険だよ、風呂の中で寝ちゃあ」
 冷めた顔が、再び赤くなっていくのが自分でも分かった。
「そうですか、すみません。でも、もう大丈夫ですから、大丈夫ですから!」
 私は、必死で関野を追い払った。関野は心配そうな顔をしながらも、私をじっと見ていた。
「いやだ……」
 眠気なんて、飛んでいった。
 私は一体、どれくらい寝てしまっていたのだろう。関野はどれくらい、湯船で寝ている私の身体を見ていたのだろう。
そう考えると、背筋がゾッとし、温かなお湯の中だというのに寒気が走った。
 私は早々に風呂を出、鞄に入れてあったペットボトルのお茶に口を付けた。同窓会のあと、駅前で買ったものだ。身体がかなり乾いている。ぬるくなっていたお茶だったが、私はぐびぐびと喉を鳴らして一気に飲み干した。
 気まずさを感じながら居間へ行くと、関野がビールを用意して私を待っていた。
「ありがとう、でもいりません。疲れているからもう休みます」
「お母さんを待たないの? あと五、六時間もすれば帰ってくるよ」
 それまで関野と顔を突き合わせているなんてゴメンだ。私は首を振り、疲れているからを繰り返して、二階の、自室へ上がろうとした。
「あ、美幸ちゃんの部屋、片づけちゃってるよ!」
「え?」
 母は、私が出ていったあとも部屋は残しておくからと言っていたのに。
「だって、全く帰ってこなかったじゃないか。一部屋空けておくのは無駄だったからね。美幸ちゃんが使っていた部屋は、俺の仕事の資料とか、お母さんの洋服とかがおいてあるんだ」
「ベッドも、もうないの?」
「片づけたよ。客間に布団敷いてあるから、そっちで寝なさい」
 クラクラした。
 私は傍らにあったビールをひと缶貰い、しぶしぶ客間に入った。自分の部屋にこだわっていたわけではないが、鍵付きの部屋はそこだけだったのだ。飲んで早く寝てしまおう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 どれくらい時間がたったろうか。
 身体にかかる、異質な感覚で目が覚めた。真っ暗に消したはずの電灯に、オレンジ色の常備灯が灯っていた。
 むう、ふんふん、はっはっ……。
 耳元に雑音と熱い息づかいを感じ、私は布団をはねて飛び起きた。傍らを見ると、関野が、私の真横に寝ていたのだ。
 慌てて服を点検する。乱された様子はないが、身体に妙な感触が残っている。寝間着の上から触られていたこと、そして寝息を立てているように見える関野が間違いなくタヌキ寝入りであることを確信した。
「なにしてるんですか! 出てってください!」
 私は叫んだ……つもりだった。十分な声は出ていなかったと思う。あまりのショックで涙が溢れ、大きな声なんて出せなかった。
 関野はあっさり目を開け、よいしょという感じで上半身を起こした。上は半裸、下は黒いボクサーパンツ一枚というひどい恰好だった。 
「やあ、お母さんと間違えちゃったよ」
 関野は悪びれず言った。ニヤニヤして私を見ている。完全に私を見下している様子だった。
「お父さんに出ていってはないだろ」
「あ、あなたはお父さんじゃないじゃない!」
「戸籍上は、そうなってるよ」
「でも、お父さんじゃないもの!」
「だったら」
 関野が立ちあがり、部屋の隅で震えている私に近づいた。薄明かりの中で見た関野の股間は、大きく膨張している。
「だったら、セックスしても、問題ないじゃないか。お母さんは最近疲れててちっともさせてくれないんだよ。君が責任を取ってくれよ。じゃないと離婚しちゃうぞ? お母さん、寂しがるだろうね」
 あまりにも勝手な、理不尽なセリフにゾッとした。
「きゃぁっ!」
 関野は私に襲いかかった。小さく感じたとはいえ、相手は成人男性だ。必死に抵抗したが、かなわない。
 腕を掴まれ、押し倒された。腹の上に跨った関野は私の寝間着の前を開け、無防備な乳房を乱暴に握りつぶす。
「やめて、やめてよ!」
「若いオッパイは張りがあっていいなぁ。お風呂の中でぷっかり浮いているのを見たときから、しゃぶりつきたくてたまらなかったよ」
「あああっっ!」
 関野の顔が、私の乳房に近づき、噛みつくようにちゅうちゅうと吸いあげる。私はもう、何がなんだか分からなくなり、ひたすら声をあげて泣き続けた。
 自分の家で、自分の母親の再婚相手に、どうしてこんな陵辱をされなくてはならないんだろう。初めて、関野なんかみたいな男と再婚した母を恨んだ。
 関野はさんざん私の乳房をおもちゃにし、私が抵抗する気力を失った頃を見計らったのか、身体をずらし、私の寝間着のズボンをずりおろした。
「いやぁっ!」
 必死に蹴りあげた脚が、関野の顔面に直撃した。
「……この野郎!」
 始終飄々としていた関野の態度が一変した。私は頬に、強い痛みを感じた。頭まで響く痛みで、耳鳴りもする。
 関野が顔を真っ赤にして、私を平手で打ちつけたのだ。
 恐ろしさに震えあがった。助けのいないこの家で、震える以外私に何が出来るというの?
 関野は暴力的に私の内腿を開き、秘裂に生の肉棒を無理矢理にねじ込んだ。粘膜が悲鳴をあげ、脚が痙攣した。激しい圧迫感が私を襲う。
「ほお、ほおおお」
 下品な声を出しながら、関野は無遠慮に腰を動かし、突き立てた肉棒で私を犯しまくった。ひたすら激しく、強く、深く、ねちっこく、いやらしく――。関野は欲望のままに私を責め立てる。
「子どものくせに、逆らいやがって、生意気な娘だ。いいか、これは罰だからな、お前がみんな悪いんだからな」
 ああ、もうどうでもいい。どくどくとした体液が胎内に流れるのを感じながら、涙でかすむ視界の片隅に、勝ち誇ったような関野の薄笑いが見えた。
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 私は携帯電話を切った2分後には、近所の24時間スーパーに自転車を走らせていた。

 夫がリストラの対象になっているらしいことを聞いたのは、つい先日のことだ。
 夫は電機メーカーのエンジニアで、勤続5年目になる。
 もともと同じ会社で契約社員として働いていた私のところには、当時仲の良かった人事の社員から、時々情報が入る。
 その友人から、改まって話がしたい、と告げられたのが、夫がリストラ対象に入っているという話だった。
 もともと、誰を削っても良いような、人件費削減のためのリストラだ。そのため、中国出張中に上司と衝突した夫が、リストに上がったらしい。
『あっちのカラオケはさ、実質売春宿なんだ。俺は妻がいるからって、接待を断ったんだ。病気なんかも怖いからさ。それが、中国で遊び廻っていた上司にとってはイヤミに思えたらしいんだよ』
 夫が、そんなことを言っていたっけ。
 上司の山口は、私も働いていたときに多少の面識はある。セクハラ大好きな、いやらしい男だ。
 奥さんが役員の親戚かなにかで、山口は奥さんに頭が上がらないと聞いていた。
 山口は家庭の鬱憤を、女子社員へのセクハラで晴らしたり、出張先の中国で女遊びをして喜んだりしている最低な奴だ。本来ならば、山口が一番始めにリストラされるべきだと、本当にそう思う。だけれど、会社というところはそう単純でもない。
 夫から、その山口を連れて帰るからと電話をもらった。遠方から通勤している山口が、飲み会で終電を逃してしまったらしい。
 いつもだったら、知らん顔しているところだったかもしれないが、リストラ対象になっているということならば、そういうわけにもいかない。
 夫は、今の会社を愛している。夫はガジェットオタクだ。子どもの頃から憧れていたメーカーで、大学を決めるときも、そのメーカーに就職することを念頭に置いて選んだと言っていた。夫には、どうしてもやりたいプロジェクトがあるらしく、最近ようやくそれに着手できそうなんだと言っていた。それは、夫の子どもの頃からの夢でもある。
 妻として私は、その上司をめいっぱいもてなして、ご機嫌を取らなければならない。
 いずれにせよ、山口はしばらくすると所属部署が変わると聞いている。それまでなんとか、夫をリストラ対象から外しておいてもらわなければならない。
 私は時計を見ながらスーパーで適当な食材と酒を見繕い、急いで帰宅した。
 食材を仕込み、部屋をかたづける。そしてよそ行きにならない程度にこぎれいな格好に身を包み、化粧を整えた。

「お久しぶりです、山口さん」
「やあ、美佐恵クン。結婚式以来だね。すっかり奥さんになっちゃって」
 頬骨のあたりを赤く染めた山口が、夫に肩を支えられて我が家にやってきたのは、午前1時過ぎだった。
 口調はハッキリしていたし、足取りもそれほどひどいわけではなかったが、目はとろんとしていて唇はだらしなく開き、つんとした吐瀉物の匂いが感じられた。
 私の戸惑いに気付いたのか夫が、
「駅で気持ち悪くなられたんだよ。水と、おしぼりを用意してくれないか?」
 と、口を開いた。
「まあまあ、それはそれは。さあ、お上がりになってお休み下さい」
 夫の上司に献身的な妻を演じ、私は大げさに山口を和室に招き入れると、畳の上にロングクッションを敷いた。
「良かったら横になって下さいね」
「いえいえ、お構いなく」
 そう言いながらも山口はどっかりと腰を下ろし、大げさに酒臭い息を吐くとズボンのベルトをゆるめ、ワイシャツの前を開けた。
 ボタンを外したワイシャツの間から、少し黄ばんだ白い肌着が覗く。
「これ、お使い下さい」
 お湯を絞ったハンドタオルを差しだした私の手を、山口が軽くさすったような気がして、一瞬背筋が粟立った。
「どうもー」
 だが、山口は全く普通の様子で、おしぼりを顎から首筋に当てている。
 気のせいだったか。
「軽いお夜食ご用意したけど、召し上がれる様子じゃないわね?」
 夫に囁くと、聞きつけたのか
「いえいえ、お気遣いなく。腹は空いてますし、まだまだ少々飲み足りないなと思っていたところですよ。遠慮なくいただきます」
 山口が、かすれた声をあげた。
「大丈夫ですからー」
 なにが大丈夫だ。嘔吐されたらこちらが大丈夫ではない。 
「言うとおりに、ね?」
 夫が、懇願するような瞳を私に向けた。仕方ない。夫は今の会社を辞めたくないのだ。妻の私が、吐瀉物を恐れている場合ではないし、酒が進めば勝手に寝てくれるかもしれない。
「では、ご用意致します」
 最上級の笑顔を振りまき、私はキッチンへと向かった。
 立ち上がり、歩く腰から尻のあたりに、山口の視線を感じたような気がしたが、必死で、気にしないようにつとめた。山口は勘のいい男だと聞いていた。私の振りまく笑顔が張り付いていたら、きっと機嫌を損ねてしまうもの――。
 
山口は底なしだ。用意した酒があっという間に空になりそうだ。
 それに、よく食べる。料理を褒められるのは悪くないが、本当に味が分かっているのかあやしいほど、次々に口へほうりこむ。
「どうぞ」
「いや、美佐恵さんは勧め上手だねぇ」
 山口は始終ご機嫌な様子で、夫がホッとしているのが分かる。
「和室ってのがいいね。ここは客間?」
「はい」
「畳はいいよ、畳は。酒が進む」
 やがて山口は相当酒が回ってきたのだろうか、
「おっと……」
 とふらつきながら、隣に座って酌をしている私の膝に手をついたり、肩に触れたりし始めた。  
 まさか、強い調子でやめてとは言えないし、振り払うことも出来ない。
 何気なく身体を離そうとしてみるが、そのたびに山口は私を引き寄せようと、差しだしたコップをわざと私から遠ざけたりする。
 そのうち大胆になり、
「もう新婚気分は抜けたか? 美佐恵さん、毎晩可愛がってもらってるんだろうねえ?」
 なんてことを言いながら、私の膝をなで始めた。
 困って夫に脇目を送る。
 夫の瞳は私に、耐えてくれと訴えていた。こんな事に耐えなければいけないのかと思う。だが、私ももともと会社員だったから、不条理はよく分かる。
「イヤだ、山口さんてば」
 貼り付けた笑顔を崩さず、私はやんわりとその手を阻止しようとする。だが山口は構わずストッキングをはいていない私の生脚を、私の膝を、太腿をなで続けた。悪寒が背筋を駆けあがる。山口の熱い手は無遠慮に腿を這い回る。
「ちょっとトイレへ」
 夫が席を立った。イヤだ、行かないで、行かないでよあなた!
 夫は弱虫だ。進退の鍵を握った上司にセクハラされている妻を黙ってみている事すらできなかったのだろう。トイレに逃げ込んだとしか思えなかった。
 助けてよと視線を送ったが、夫は受け止めることなくトイレへ消えた。山口の手はますます大胆になり、スカートの中へと潜り込んだ。
「山口さんたら、そうとう酔ってらっしゃるのね。おいたはいけませんよ?」
 私は必死に冷静を保とうと努力した。だが、自分でも声が震えているのがわかった。
「こういう言葉知ってますか、美佐恵さん」
「なんですか?」
「結婚したときからその女性は、世界中の男の妻になったつもりでいなさい、という言葉ですよ」
「知りません」
 なにを訳の分からないことを言っているのだこの人は。
「山口さん……ちょっとっ!」
 山口が私の肩を抱き、ぐいと自分の方へ引き寄せた。酒臭い息が、顔にかかる。唇を私の頬に寄せようとしているのだ。
「や……」
 拒否しようとして、懇願するような夫の瞳を思い出した。
 私の言葉が詰まった瞬間、生温かな舌が私の頬を這った。全身が粟立つ。寒気がする。
「山口さんたら……奥さんに怒られちゃいますよ?」
 自分の声が震えているのがよく分かる。それはむしろ山口の欲望を煽ったようだった。
 可愛いねえ、お店の女とは大違いだ、などと言いながら片手で私を引き寄せて耳朶を舐め、もう片方の手は完全にスカートの中に入れて、下着に手を伸ばした。
 夫がトイレから戻るまでの我慢だと、自分に言い聞かせた。アア、早く! 早く帰ってきてよ、あなた。なんで夫はこんなにトイレが長いのよ! 
 その時だ。
 ばたん、とドアの音がした。トイレのドアではない。玄関だ。
 恐怖で身体が凍り付いた。夫は、外へ出たのだ。つまり私が、山口に陵辱されることを了承したと言うことなのだろう。会社に残るため……夫は私を差しだしたのだ。
「ああ……」
 もう、覚悟を決めるしかない。ドアの音を聞いた瞬間、山口の指が下着の間から滑り込み、私の割れ目に触れていた。

「はぁはぁはぁ……」
 私の服は乱され、下着は剥ぎ取られていた。具合の悪くなった山口に休んでもらおうと思って出した長座布団に、今は私が寝かされていた。
 耳障りなほど息を荒げた山口は、私のブラジャーをずらし、乳房にしゃぶりついていた。大きな口で吸い付き、ちゅうちゅうと吸いあげる。
 私にはすでに、こんな事をする山口に対する怒りや憤りはなかった。それより、私の貞操を引き替えに会社に居続けることを選んだ夫への失望が激しくて……涙すら出ないほどに私は絶望を感じていた。
「おかしいなぁ?」
 やがて山口が私から身体を離すと、ズボンと下着を脱ぎ、だらりとしたペニスをぶらつかせた。
「飲み過ぎたかなぁ」
 勃たないのか。このまま勃たなければいいのに――。
 そんなことをぼんやり考えていたら、山口は私の肩を掴むと上半身をおこし、自分の下腹部に私の顔をぐいと寄せた。
「勃たせてくれよ」
 嘘でしょう! 冗談じゃない。この、酒臭いしぼんだペニスを私にしゃぶれというの……?
「ちょっとしてくれれば、すぐだよ」
 さすがに、涙が出た。だが、山口に悟られるのは悔しかった。私は息を止め、目を固く閉じて口を開けた。山口のペニスを呑み込む。ざらつく肌触りに嗚咽を堪えながら舌を這わせる。
 口内でそれはムクムクと起きあがり、やがて口内いっぱいに広がり、私の喉を突いた。むせかえりそう。苦しい。
「上出来だぞ」
 この男は、何様のつもりなんだろう。部下の妻をいいようにする快感に酔っているのか? 
 山口は私の口唇から、唾液にまみれ、ぬらぬらと照り光る勃起を引き抜いた。「ああっ」
 私は再び押し倒され、脚を上げられた。脚の間のすぼみに、切っ先が押し当てられる。
 アア、もう逃げられない――。
 勃起がずぶずぶと私の秘裂を割り、肉壁を奥へ奥へと貫いていった。夫とはここ1ヶ月ほど、夫婦の交わりを持っていなかった。乾いていた私の身体はこんな嫌な男の肉棒にすら反応し、いやらしくひくつき襞を絡める。
「やっぱり素人は締まりがいいなぁ。商売女とは全然違う」
 そんな失礼なことを言うような男に突き倒され、それなのに感じてしまっている自分の身体が情けなくて仕方がなかった。惨めで無様で……。
 私は、夫に売られたのだ。商売女とどこが違うのか。
「あ……は、はぁ」
 私は、声をあげた。
「アア、アアアアッ!」
 もうどうでもいい。感じているんだ、気持ちいいんだ。そう自分に言い聞かせ、甘ったるい叫びをあげ続けた。
「感じちゃったか? そうだろう、イイだろう」
 山口は満足げに、腰を振り続ける。そうよ、こんな男のペニス、バイブだと思えばいいわ。電池のいらないバイブレーター。
「ああ、ああ、アアアアッッ! イイ、イイィィィッ!」
 きっとどこかでこっそり様子をうかがっているだろう夫に聞こえるように、私は絶頂の声をあげ続けた。
 ガサガサ……ゴ、ゴ、ゴンッ!
 なにか大きなものが倒れ込み、転がるような激しい音に驚き、私は思わず振り向いた。街灯の明かりが届かないその場所で、なにかが起こっている――。
 見なければ良かった。そうすればそのあとに続く悪夢のような出来事とは、無縁でいられたのに……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 その日私は少し疲れていた。会社帰りにコンビニで買おうと思っていた雑誌を買い忘れたまま、帰宅した。
 翌日買えばいいのだけど、そういうものは、今手元にないと思うと、無性に読みたくなる。
 私は、部屋着にしているストンとしたワンピースにカーディガンを羽織り、サンダルを履いて外へ出たのだ。
 星が綺麗で、夜風も緩い気持ちのいい夜だ。桜の季節だから、ちょっと足を伸ばして公園の近くのコンビニへ行ってみようかと私はふらふらと公園まで歩いていった。
 公園の街灯に照らされた夜桜は本当に綺麗だ。立ち止まってゆっくり見ていたかったが、広場にある見事な桜の木の下では、大学生だろうか、2集団ほどが場違いなくらい大声で騒ぎ、酒をあおっている。
 酒で焼けた若い男の大声に、きゃあきゃあと騒ぐ女の声が重なる。
「いやな感じ」
 私は思わず、声に出していた。
 深夜だというのにあんな無軌道に騒ぐなんて、彼らは一体なにを考えているのだろう。見たところ、特別悪そうな大学生というわけでもなく、ごく普通だ。私が大学生だった頃……もう五年前だが、あそこまで傍若無人な振る舞いはしていなかったように思う。
 すぐ近くに住宅街があるというのに、誰か通報しないのだろうか? 誰もしないのだったら、私がしてやってもいい。
 ポーチに手を入れ、気付いた。携帯電話は、家に忘れてきたようだ。
 すぐ近くに今では珍しい電話ボックスがあったが、そこまですることもないだろう。
 私は大騒ぎが行われている広場を避け、公園の脇に作られた遊歩道を通った。
 厚い茂みに囲まれた遊歩道脇にも、小さいけれども桜の木が植えてある。街灯はないが、月明かりに照らされてひと味違った美しさを放つ。桜と茂みに囲まれた遊歩道を抜ければ、大通りだ。
 そこで私は、あの、異常な物音を耳にしたのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ひっ!」
 音のした方向を探し、遊歩道からちょっと奥まったところに入った茂みを覗いた私は、思わず声をあげた。
 若い男が、女性を羽交い締めにし、茂みに押し倒していた。
 男のむき出しになった尻と、口を押さえられ、涙を浮かべている若い女性の顔がわずかに入り込んだ月明かりに照らされ、同時に目に飛び込む。
 女性は、私の姿を見つけ、思い切り身体を揺さぶった。その様子に男が気付き、振り返って私に目を向けた。
 助けなくちゃ――!
 私は慌てて、持っていた鞄を探った。そうだ。携帯電話は持ってきていなかったんだ――。
 男は、鞄から手を離した私をじっと見ていた。乱暴している現場を見つかったというのに落ち着いたものだ。相当酔っているのだろうか。アルコールの匂いが少し離れた私のところまで届く。
 広場で深夜の酒盛りを楽しんでいた大学生のひとりかと思われた。イマドキの大学生っぽく、顔立ちはかなり整っている。どちらかと言えばモテそうな、遊び慣れた感じなのに。
「ちょ……なにやってるの!」
 私は大声を出した。出したつもりだった。大声を上げれば、さすがに男は逃げ出すと思ったのだ。
 けれども、私の声は震えていた。怖かった、恐ろしかった。いざというとき、大きな声なんて出せやしない。
「なにやってるの!」
 私は再度、思い切って声をあげる。
 その瞬間、男は女性から少しだけ、身体をあげた。その隙を逃さず、女性は男を突き飛ばし、はだけた服の前を手で隠して一目散に走り去っていった。
 チラと見ただけだが、下着はつけていた。女性はまだ無事だったのかもしれない。少しホッとした。
 そんな安堵の気持ちは、そう長く続かない。黙ったまま私を見ていた男の目が、ぎらりと光ったような気がした。
 危険だ――。
 私はきびすを返す。しまった。サンダルがはずれ、草むらに足を取られる。
「きゃぁ!」
 背後に、もうひとり男が立っていた。酒臭い息。よどんだ瞳。仲間がいたのか。
 ふたりの男はだらしなく口元をゆるめ、ニヤニヤと笑いながら私との距離を縮める。
 誰か――! 叫ぼうとしたが、恐怖で声が出ない。
 男の腕が、私に伸びた。
 私は必死で持っていたポーチを振り回す。振り上げた私の腕を、男が掴む。
「う……」
 反対側に捻られ、痛みでよろけた。
 その瞬間に、私は羽交い締めにされ、その場に押し倒された。
 たった今逃げ出した女性のように――。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「んん……んん、ンンンっ!」
 口をふさがれ、男ふたりに身体の自由を奪われた私は、逃げ出すことが出来なかった。必死で身体をよじるが、男の力は想像以上に強く、私を圧迫する。手の指一本動かすことさえ困難だ。
 頭が地面に押しつけられる。草と土の匂いがアルコールの甘ったるい匂いと混じって強く鼻をつく。口を熱い手で塞がれ、息が苦しい。
「あの女逃がしやがったからな。おまえが責任を取れよ」
 私にのしかかる男が、ニヤニヤと笑いながら、そんなことを言った。恐怖で身体が震える。
「どっちからやる?」
「俺、先に口使うわ」
「OK。今、人いないし」
 周囲を見回していた男がズボンをおろし、すでにいきり勃ったどす黒いペニスを露出する。
 口を使うといっていた。まさか……。
「ほらよ」
 私の身体を押さえつけていた男が私の身体をひっくり返し、腰を持ち上げた。その場で四つんばいに体勢を変えさせられた私の手のひらや膝が直接ひんやりとした地面に触れる。小さな石がゴロゴロする。口は後ろから押さえられ、不自然に首を曲げられ、苦しい。
 私にのしかかった男は私の背後からワンピースをたくし上げ、むき出しになった乳房を強く掴んで揉みしだいた。
「うう、うううう!」
 乳首を強く摘まれ、こね回される。春の風に、露出した私の太腿が晒される。
 口を押さえられた手が離れたと思った瞬間、グロテスクな肉棒を露出した男が私の顎をぐいと掴み、
「噛むなよ。噛んだらただじゃすまないからな」
 と、私の口の中に勃起をねじ込み、両手で私の頭を押さえ込んだ。
「んぐっぅぅ、ううううううっっ」
 汗とアルコールの入り交じったきつい匂いが、口いっぱいに広がる。咥内で勃起は更に固くふくれあがり、私を圧迫した。恐怖で口が動かない。唾液がだらだらと地面に落ちる。
「ほら、ちゃんとしゃぶれよ」
 男が私の髪を掴んで引っ張る。土埃が立ち、涙で濡れた頬に張り付く。
「こっちも可愛がってやれば、しゃぶり始めるんじゃないの?」
「んんん!」
 私を押さえ、乳房をいじくり廻していた男が、私の下着の股部分に手をかけると、横へずらした。
 いやだ、やめて! 叫びたくても、口はふさがれている。唾液だけが、無様に唇の端からこぼれ落ちる。
「諦めて、楽しもうぜ?」
 がらがらの男の声。次の瞬間、痛烈な痛みが身体を走り抜けた。
「ぐ、ぐうう!」
「馬鹿野郎、噛むんじゃない!」
 頭を強く殴られ、意識がもうろうとなった。だが、身体を貫く痛みは消えない。断続的に私を襲う。
 私の尻たぶを掴む男の手の力が、一層強くなった。爪が突きたてられる。
「ん、んん」
 息苦しかった。口唇は目の前で私の頭を掴み、上下に思い切り振ってへらへら笑う男に犯されている。喉奥にペニスの切っ先が押し当てられ、何度も戻しそうになっては、必死に耐えていた。唾液は相変わらずだらだらとこぼれ落ち、草いきれと混じってむっとするようなやけに生々しい異質な香りを放っている。
 そして下半身は、後ろの男に好き放題されていた。ねじ込まれた太い肉棒は欲望のままに何度も何度も激しく突きつけられ、私の膣壁をえぐる。
「俺、出るかも」
「そしたら交代だな」
「ああ、いいぜ」
 やがて喉の奥に、大量の粘ついた液体が流し込まれ、私は耐えられずに嘔吐した。
「うわ、きたねえ」
 素早く引き抜かれた放出済みのペニスに続き、私の吐瀉物があたりに散らばる。「人くるとまずいから、さっさと交代しようぜ」 
 咳き込む私の口が再び肉棒で覆われ、声を塞がれた。胸がむかむかするような、酸っぱい味と甘ったるい匂いが口いっぱいに広がる。私自身の体液だ。
 心のどこかで、私はこのふたりの男が果ててしまえば、この責め苦から抜け出せると甘い期待をだいていた。だけどそんなことはなかったのだ。彼らは徹底的に私を犯すつもりだった。
 私の体液を存分に絡ませたペニスが、今度は私の口を犯し、私の唾液を拭くんだ肉棒が私の内臓を犯す番になったのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ どれくらい時間がたったのか、その時の私には知るよしもなかった。男達は代わる代わる、前と後ろを交代して私を犯し続けていた。
 逃げる気力はとうに失い、ただひたすら私は、身体を嬲られながら、男達の背後で月明かりに照らされた、白い桜を見ていた。
 桜は、こんな時でも綺麗だ。あやしいほどに美しい。
 そういえば桜が美しいのは、もともとその場で死んで埋まったモノを養分にしているからだ、なんて話を聞いたことがあったっけ。風が吹き、花びらが舞い散る。男の体液で汚れた私の肌に、絵を描くように小さな花びらが張り付いた。
「う……うううう」
 少し前から、身体の変化には気付いていた。けれども、こんな屈辱的な状態で、そんなことは絶対にあり得ないと、無意識で否定していた。
 けれども桜に包まれていると、なんだかもう、そんなことはどうでもいいような気になる。
「あ……あう、ああ、ああああ……」
 私の唇から、甘いため息が漏れた。
「おい……」
 男達は、私の変化に敏感だった。
「なんだ、感じてんじゃないかよ」
「締まりもいきなり良くなったぜ」
 私の中でいったん溢れだしたものは、もう止まらなかった。
「ああ、あふう。ん、んんん」
 絶望の先に、こんなにも甘美な快感があったなんて!
「ああ、あはぁ、アアアっ! スゴイッ。ねえ、すごい、すごい、イイ……」
 背筋がぞくぞくする。子宮が熱く滾り、刺激がたまらなく欲しい。
 犯され、ぼろぼろになり、限界までしゃぶり尽くされた私の身体は、驚くほど柔軟に刺激を快楽に変えていった。
 どこかで、痛みが極限まで行くと、人の脳は危険を回避するため、その痛みを快楽に変化させると聞いたことがある。それと同じことが、私の中で起こったのかもしれない。
「なんだよこの女、いきなりエッチになったぜ」
「たまんねえ」
 ああ、ふたりとも私に早くチンポを突っ込んで。口でもアソコでもいいから、早くびんびんに固くして、もっともっと私を犯して!
 さっきまでは異物でしかなかった固いチンポが、今は圧倒的な存在感で、私の快楽をえぐる。膣壁が愛液を垂れ流しながらそれに絡みつき、吸い付く。
密着した肉壁と欲棒が擦れ合い、私に激しい快楽をもたらす。
「ねえ、気持ちいいよっぉ、気持ちいいよぉ」
「なんだこの女。マジでおかしくなっちゃったんじゃね」
「俺らの精液に酒が混じってたんだよ。それで酔っぱらったのかもしれないぜ」
「それだよ、きっと」
「そうだ、それだ」
 口内を犯すチンポは喉を探り、甘く濃厚なディープキスのように私を夢中にさせる。気持ちいい、気持ちいい。
 こんなに気持ちのいいセックスがあったなんて!
「あはぁ、ああ、あああ。イッちゃう、イッちゃうよぉ!」
「俺ダメだ。また、イクっ!」
「俺も、もうダメ……」
 私の肌からザーメンがこぼれ落ち、土の上で愛液と混じり合い、甘ったるい芳香を放つ。
「いや……もっと、もっとシテ……」
 背中をべったり土に乗せ、足を開いて私はふたりを誘う。ごくりと生唾を飲み込む男達の背後に、見事な桜。  
 つきあって半年になる彼氏がいるのですが、これがまた、相当な奥手で、全然私に迫ってきません。
 キスするまでなんと、交際を始めてから五ヶ月もかかってしまったくらいです。そして、キスから先にはいっこうに進む気配なしなのです。
 高校生同士のカップルとか、中学生同士、と言うのならまだ納得できるかもしれませんが、私も彼も、二十代後半です。私は、彼が初めてつきあった人、と言うわけではありませんし、セックスの良さも知っていますから、彼とエッチしたくてたまりません。
 彼の方も、別に童貞、と言うわけではありません。ただ、初めてセックスしたときがあまり良くなかったらしく、それ以来、面倒くさくなっているんじゃないかと思える節もありました。
 それに彼は、ちょっと、二次コンが入っています。美少女アニメとか、十八禁の美少女パソコンゲームなんかは、よくやっているようで、人並みに、性欲はあるんだと思います。でも、実際の女性を前にすると、どう誘っていいのか、分からないんじゃないかとも思っていました。
 私の方は、もういい加減彼と肉体関係を持ちたいなと考えていたので、いろいろと誘ってみました。
 例えば、非常にオーソドックスで、書くのも恥ずかしいくらいなのですが、
「暑いよねー」
 と言って、彼の前で上着を脱ぎ、ノースリーブになって胸を突き出してみたり、ミニスカートで寄り添ったり。
 でも、彼はごく普通に、エアコンのスイッチを入れたりして、全然ダメでした。
 一応目線を追うと、私の胸元や脚に目をやっているので、興味がないわけではないと思うのですが、手は出してこないのです。
 お酒を飲んでしなだれかかっても、ダメ。
 業を煮やして、思い切って裏ビデオを借りてきて
「一緒に見ようよ」
 と部屋を暗くして誘ったりもしたのですが、何か、あまりいい雰囲気にはなりませんでした。
 逆に、私の方が興奮してしまい、彼のアパートから帰る途中でナンパしてきた男とホテルに行っちゃったりして。
 それくらいなら、自分から彼を押し倒しちゃえばいいじゃん、と思う人も多いと思うのですが、私としては「彼から迫られ、押し倒される」という状況で、初セックスをしたいのです。
 襲われたい! と言う願望があるんです。ただ、それはレイプ願望とはちょっと違って、大好きな彼に無理矢理セックスされたいというか……わがままかもしれませんが、そういう願望があるのです。
 いろいろ考えた結果、私は思いきって、ある作戦に出ることにしました。
 彼が特に気に入っているらしい、十八禁美少女パソコンゲームのヒロインと同じ髪型をし、そして、そのままの服は手に入りませんから、似たような色合いの服を着て、さらにそのゲームを原作にしたオリジナルビデオアニメ(もちろん十八禁)を一緒に見ようと考えたのでした。
 いい年して、ヒロインと同じような服装と髪型(ツインテールみたいな感じです)にするのは勇気がいりましたが、思い切りました。
 さすがに彼は驚いていたようでしたが、とにかく素知らぬ顔で、一緒にビデオを見始めました。
 実写の裏ビデオを見ていたときと、彼の反応は明らかに違いました。なんだかそわそわと落ち着かない感じでした。
 ビデオが終わったあと、私が、そのヒロインの口調をわざと真似して彼に話しかけたときでした。
 彼の欲望が爆発したのか、私をいきなり、押し倒してきたのでした。
「どうしてそんな格好してるんだよ! 俺、押さえきれないよ」
 彼の目は、少し潤んでいるようでした。
「おまえのこと、大事にしようと思っていたのに。おまえのせいだからな!」
 私は、心底「やった!」と思っていましたが、ヒロインを真似して、少し恥じらって見せました。
 それも効果的だったようです。
 彼は、なんだかんだいろいろと言いながら、私の服を乱暴に脱がせ始めました。
「ああっ!」
 完全に拒否してしまうと、すぐに彼は引いてしまいそうでしたので、曖昧に抵抗の態度を見せつつも、私は彼が私の服を脱がせやすいよう、身体をよじりました。
 彼のあそこは、すでに大きく膨らみ、かちかちになっている様子でした。
「こんな、かわいい髪型にして……」
 彼はそういいながら自分のズボンを降ろしました。
 私は初めて見る彼のあそこに、息を呑みました。彼のあそこは、いわゆる巨根だったのです。しかも、半端な巨根ではありません。かなりのでかさです。
「笑うなよ」
 彼は言いました。
 あとで聞いた話ですが、彼はあそこが大きすぎて、初体験の時、相手の女の子の膣内に、入りきらなかったそうです。それで、コンプレックスを持っていたようでした。
 確かに、あんまり大きいのは、アソコがさけてしまいそうで敬遠する女性も多いでしょう。でも私は、実は結構大きい人とつきあっていたこともあったので、たぶん自分は大丈夫だと思っていました。
「いいな? いくぞ」
 私の脚がぐっと開かれ、彼のものがねじ込まれた瞬間。
「あああああっっ!」
 私はかなり大きな叫び声をあげてしまいました。
 想像以上に彼の巨根は圧倒的な存在感を持って、私の膣内で膨れあがったのでした。
 もうおなかいっぱい、と思っても、まだ、半分も入っていない、という状態でした。
 でも彼は、ぐいぐいとねじ込んできます
「ああ、ああああっっ!」
 アソコがさけ、子宮の中まで犯されるんじゃないかと思ったほどでした。彼は無理矢理に根元まで押し込み、ハアハア言いながら腰を動かし始めました。私はもう、息苦しくて、悶絶状態でした。アソコがはち切れそうでした。
 でも、痛みもすごかったのですが快感も大きくて、本当に、自分がこのままおかしくなってしまうのではないかと思うほどでした。
 こんな形で犯されるとは想像していなかった分、快感も強かったのでしょうか。次第に私の膣内は潤い
を増してゆき、きつかったペニスの出入りがスムースになる頃には、もう、彼の巨根なしではいられないくらいになった自分がそこにいました。

「うそでしょ……」
「やだ、秋川先生! どうして……」
 あの日、私たちは捕まえた痴漢の顔を見て、息をのみました。
 毎朝私のお尻を執拗になで回し、時には下着の中に手を入れてこようとするにっくき痴漢を友人と取り押さえ、ホームに引きづり出してみたら……その痴漢は私たちの学校で人気ナンバー1の秋川先生だったんですから。
 秋川先生は国語の山下先生が出産でいない間、産休の臨時先生で、まだ若く、大学出て数年だという結構イケメンの先生です。
 私たちの学校は古い女子校で、先生の異動とかやめたりとかが少ないためか、年寄り先生ばかりです。たまに新しい先生が入ってきたとしても、学校の卒業生だったりして。つまり、教師は女性か年寄りばっかりなのです。
 そこに、若い秋川先生が入ってきたのだから、私たち生徒は大騒ぎでした。しかも秋川先生は、俳優のKに似ていて、なんというか、普段はクールだけれども、時々内に秘めた情熱がこぼれてしまうというような感じの、かっこいい先生だったんです。
 眼光が鋭くて、ワイルドって言うか。とにかく、本気で熱を上げている生徒(もしかしたら女の先生も)が多いのです。
 秋川先生は三年生の方を主に担当していたため私たち二年生は会う機会があまりなかったのですが、目立つ先生なので、すぐに分かりました。
 そして、私を毎朝通学に使う電車の中で悩ませていた痴漢が、その秋川先生だったのですから……。私と、私の悩みを救うべく立ち会ってくれたクラスメイトの恵美はびっくり仰天でした。
 とりあえず、痴漢を捕まえたら即駅員に突き出す予定だったのを変更して、ホームに座って話を聞くことにしました。
「違う、違うんだ!」
 朝っぱらだというのにかけていたサングラスをはずした秋川先生は、ホームで必死にそう言いました。
「君たちの捜してる痴漢じゃない! 俺は、今日初めて……その、つい出来心で……」
 先生は完全にしょげかえっていて、なんだか、滑稽な感じでした。
「じゃあ、いつもの痴漢は先生じゃないってこと?」
「絶対に違う!」
「でも、今日の痴漢は間違いなく先生なんでしょう?」
「それは……すまない」
「痴漢なんて! しかも、制服見れば、自分の学校の生徒だって分かるでしょう? ここら辺でセーラー服の学校なんて、うちくらい古い女子校しかないし」
「……セーラー服だったから」
「え?」
「いつも学校で、君たちがセーラー服のスカートめいっぱい短くして、ちらちら脚見せたりパンツ見せたりして、アレ、わざとやってるだろう。ああやって挑発されても、自分は教師だから手を出すわけにはいかないだろう。ちょっと身体に触るだけでも大問題だ。俺のことをよく思ってないベテラン教師はたくさんいるんだから、少しのことでも俺はやめさせられちまう」
「まあ……そうでしょうねぇ」
 たしかに秋川先生が生徒に大人気なのを、よく思っていない先生はいました。特に、生徒指導の山口先生なんかは、自分が年食っててキモイ顔して生徒に人気がないからって、秋川先生を目の敵にしてるとこがありました。
「頼む、この通りだから、内緒にしておいて貰えないか」
 学校で一番人気の先生が、私たちに頭を下げているというのは、私と恵美にとって、なかなか気持ちのいいことでした。
「考えておいてあげる」
 私たちは意地悪ぽく言って、その場をすませました。
 先生が一足先に学校に行った後、私と恵美はいろいろ相談しながら学校へ向かいました。
「どうする?」
「早由利の好きでいいよ」
 私たちは学校に行ってからも、休み時間に話したり、授業中携帯メールで相談しあったりしました。
 その結果、とってもわくわくすることを思い立ったので、早速、廊下ですれ違ったときに秋川先生を呼び止めると、
「今はまずい。放課後生徒指導室を押さえておくから」
 と言われました。
 その日の放課後、生徒指導室に行くと、秋川先生が待っていました。カーテンは閉まっていて、外からは見られないようになっています。秋川先生は、私たちといるところを見られたくないんだなと言うのがよく分かったので、私たちは、入ったばかりのドアに鍵をかけました。
「えっと、2-Bの三田早由利くんと、角松恵美くんだね」
「先生、調べたの?」
「一応……」
「内申書とかみたの?」
「いや、どういう生徒かだけ知っておこうと思って」
 取引の材料にしようと思ったんじゃないの? と、恵美が小声で囁いてきました。
 私たち、素行悪くないからそんなコトしても無駄なのにね、と私も返しておきました。私も恵美も、校内ではどちらかと言えば優等生なのですから。 
「先生、そんな小細工しなくても、私たち黙っていてあげてもいいんですよ」
 恵美が言いました。
「その代わりですけど……」
 さすがに恵美は言いづらかったらしく、私に振ってきました。でも、私も言いづらくて困りました。
 私たちは、困惑している先生を尻目にじゃんけんしました。そして、じゃんけんで負けた恵美が言うことになりました。
「私たち……私も早由利も、実はまだイッたことがないんですよ」
「いく? どこへ」
 先生が顔をしかめました。何か勘違いしているようです。私はと言えば、恵美が単刀直入すぎるので、なんだか恥ずかしくなってしまい、顔を赤くしていました。
 恵美は開き直ったのか、実に堂々としていました。
「その、行く、じゃないですよ。セックスのことです。セックス!」
 恵美が大きな声を出したので、先生はかなり慌てたみたいです。誰もいないのに周囲を見回しました。
「セックスって……君たちいったい」
「私たち……、私も早由利も、一応経験はあるんですよ。でも、まだイッたことがないんです。たぶん、相手が同じくらいの年の人とか、せいぜい大学生とかだから、相手が経験不足でイけないのかなぁって、いつも話していたんです。セックスするのにイかないなんて、楽しみ半分以上損してるでしょう? だから先生、黙ってるかわりに、責任持って私たちのこと、イかせてくださいよ」
 恵美は一気に言い切りました。
 秋川先生は絶句していました。
 私は、なんだか本当に恥ずかしくなって、逃げ出したい気分でした。
 逆に恵美はなんだか好戦的になっていました。前から恵美ってサディストの気があるなぁとは思っていたのですが、なんか、立場の弱くなった先生を前にして、ウキウキしているようにさえ見えました。
「つまり君たちは……」
 秋川先生が真顔で言いました。
「教師であるこの俺に、生徒に手を出せと言っているんだね?」
「まあ、ぶっちゃけそんなところです」
「もしもばれたら、学校をやめさせられるだけではすまないことをしろと」
「私たちが黙っていれば、このことはどこにも漏れません。でも、先生がこちらの取引に応じなければ、私たちは先生の痴漢行為を学校側に知らせるだけです」
「証拠がないのに?」
「証拠ですか。たとえばこういうの?」
 恵美はさっと携帯を取り出しました。
”いつも学校で……”
 ホームの雑音と共に、先生が私たちに痴漢行為を言い訳している言葉が、携帯から流れてきました。
「一応ね、とっといた」
 真っ青になっている秋川先生の前で、恵美が勝ち誇ったように笑っていました。まさか、会話を録音しているなんて知らなかったので、私もびっくりしました。
「き、君たちはいったい……」
「先生も、生徒に手を出してみたかったんでしょう? でも、出すとやばいと思ってたから出さなかったんでしょう。合意の上でなら、先生もラッキーじゃないですか」
 秋川先生のうろたえぶりを楽しむように、恵美がいたずらっぽく言いました。

 次の日曜日。私と恵美は先生の車で、ホテルに行きました。恵美がネットで調べて偽名で予約した、スワッピング用の部屋のあるラブホテルです。
 部屋にはいるとまずテレビやソファがあって、大きなバスルームがありました。そして壁にドアが二つ並んでいました。ベッドのある部屋が二つついているのです。ベッドのある部屋は隣り合っていて、部屋と部屋の間は上部にガラスの入った稼働式間仕切りになっていました。
「私が先生を説得したんだから、私が先よ」
 恵美はそう言って、自分が先に先生に抱いてもらうのだと主張し、先生の腕に絡みつくと、部屋のひとつに入っていきました。
 ドアが閉まり、ソファの一角はシンとしました。私は何となくドキドキして落ち着かない気分で、耳をそばだてていました。
 ところがベッドのある部屋は結構防音がしっかりしているのか、中の様子はうかがえません。私は、テレビでも見るかと思ってソファに寝ころび、備え付け冷蔵庫の中にあるジュースを飲みながら変なドラマを見ていましたが、内容がちっとも頭に入りませんでした。
 時計を見ると、まだ一〇分もたっていませんでしたが、すごく長い時間待たされているように感じてきました。
 私はかなり悩みましたが、先生と恵美が入った方ではないドアを開け、中へ入りました。
 すると……
「ああ、あ、あっ! うそ、いやっ、ああああ! すごい、すごいぃっ!」
 と言う恵美の声が、耳に入りました。
 私は息をのみ、そっと、間仕切り上部のガラスから恵美たちをのぞきました。
「あ……っ」
 思わず声が漏れてしまいました。
 間仕切りは、ベッドの足側なのですが、ベッドに仰向けになり、素っ裸になって喘いでいる恵美、そして恵美の両膝をたてさせ、床に膝をついて真ん中に顔を入れている半裸の秋川先生の後頭部が見えたのです。
 恵美は結構巨乳で、仰向けになっても、乳房は大きく上に盛りあがって、ふるふるしていました。これ以上ないくらい真っ赤になった顔をゆがめ、両手はしっかりとシーツを握りしめていました。
「あうう、アッ、アッ!」
 すごい声でした。野生の声というか……。痛みで発している声にも似ていました。先生に支えられた脚が、腰から何度も浮いていました。
 そして私にとって衝撃だったのは……音でした。先生が恵美にクンニしていたわけですが、その音のすごいこと。
 じゅるうじゅるう、ぢゅぱぢゅぱ、んはあんはあぐぐぐぐ、むんぱぁむぱ……。
 どれだけ激しくあそこが吸われているか、舐められているか、そして転がされているかが、音を聞いていただけで分かりました。私は、クンニをされたことがありませんでした。フェラチオは結構普通にやっていましたが、逆に、私のを舐めてくれた人はいませんでした(と言っても、経験人数三人だけですが)。
 つんとするような唾液の匂いが漂ってくるような音で、ものすごくいやらしく感じました。その音と、恵美のよがり声とが混じり合って聞こえてくるのに、私は圧倒されました。
「アア、うん、き、気持ちいいよぉ、先生! 先生ぃぃっ!」
 恵美の声は、ほとんど泣き声でした。もしかしたら、本当に泣いていたかもしれません。 私の方はと言えば、いやらしい音の洪水を聞かされ、友人と先生のそんなシーンを目の当たりにしたこともあって(他人のセックスを直に見るなんて初めてでした)、なんだかすごく興奮していました。
 滅多にしないオナニーをしたくなりました。でも、ここでしてしまったら勿体ない気がしたので、しませんでした。
 やがて先生は口を離し、恵美の上に覆い被さって、恵美の耳元に何か囁いていたようでした。
 恵美が
「いやぁぁぁん」
 と甘えた声を出し、顔を覆いました。その隙に先生は恵美の間に滑り込み、下着をはずしました。
 ちらっと見えた先生のイチモツは、大きくて逞しくて、しっかりと天井を向いていました。恵美のあそこも少し見えました。真っ赤で、白い液が絡み、ぬらぬらしていました。
 その部分が、先生の骨張った尻で隠されました。その尻がぐいと突き出されたと同時に、恵美が今までにない声をあげて、膝を立てていた足を、ピンと突っ張りました。
「アアアッ、アア、アアアアッッ!」
 いっそう甲高い声をあげて、恵美が大きく頭を振りました。激しく腰を動かす先生のお尻の左右から、恵美の頭がのぞきました。  そして、先生の腰の動きがすごく大きく、はやくなった瞬間、
「ああ、すごい、すごいぃぃっ! イク、ああ、本当にイッちゃウウゥゥぅぅっ!」
 と、恵美の涙声が部屋に響き渡りました。
 私はその場に、座り込んでしまいました。なんだかすごい迫力で、怖くさえなったのです。もう見てはいませんでしたが、恵美のすすり泣きは聞こえていました。
 自分の下着がぐっしょりと濡れているのには気付いていました。アダルトビデオとか、元彼につきあってよく見ていたけど、特に感じたりしたことはなかったのにと、少しショックでした。
 しばらくして、誰かが部屋を出てシャワーを使う音が聞こえました。慌てて間仕切りから隣の部屋をのぞくと、恵美はベッドにうつぶせで寝ており、上に掛け布団がかけられていました。
 次は自分の番なんだと思うと、ドキドキしました。
 やがてドアが開き、身体を火照らせ、湯気を上げている先生が、ホテル備え付けの安っぽいベージュのガウンを羽織って部屋に入ってきました。
 肩にはタオルを掛けていて、先生は濡れた髪を拭きながら、
「覗いてたね?」
 と言って白い歯を出しました。
 私が答えられずにいると、
「脱いでベッドに横になりなさい」
 と、静かに言いました。
 私はなんだか圧倒されて、言われるままにしました。服を脱いで仰向けになったのです。あそこは隠しませんでしたが、乳房だけ、手で隠しました。私の胸は小さいので、巨乳の恵美と比べられるといやだと思ったからです。
 でも先生はそんな私の両腕を優しくはがし、
「かわいいおっぱいじゃないか。警戒するなよ。警戒するとイけないよ」
 と言って、私の乳房に、いっぱいいっぱいキスし始めました。
 唇が……そして舌先が乳首に触れたとき、私の背中がぞくぞくしました。先生は手も使い、乳房を揉みながらキスを続けました。シャワーを使ったばかりの先生の手はすごく熱くて柔らかくて、気持ちよくてたまりませんでした。
「あ……」
 声を出しかけ、押し殺しました。隣の部屋に恵美がいるのを思い出したからです。そうしたら先生が、
「遠慮せずに声を出していい。彼女はぐっすり寝てるから。まあ、滅多なことじゃ起きないよ」
 と、笑って言いました。そんな、ぐったりするほどイッたのかと思うと、うらやましくなりました。と同時に、自分はイケなかったらどうしようと不安にもなりました。
「うう、あ、あああ……」
 胸の、感じる部分を愛撫され、私はもう、声を出さずにはいられなくなってしまいました。先生は、私の内股もさすりました。さすり方がとても微妙で優しくて、自然に、腿が緩くなっていきました。
「痴漢に触られたときも感じてたの?」
 と、先生が意地悪なことを言いました。反論しようと思った瞬間、先生の手が私のあそこを拡げ、にゅるっと中へ滑り込んでいきました。 
「あああっ!」
 感じる部分を出し抜けに愛撫され、私は声を張りあげてしまいました。
 先生の胃指は、私のびらびらをつまんだり揉んだり、クリトリスを指で転がしたりしました。
 それから、どこを触られているのか正確な位置はよく分かりませんでしたが、すごく気持ちいい場所があって、そこを集中的に指の腹でぐりぐりしてきました。
「君は、指でされるのが感じるみたいだね」
 先生が言いました。
「恵美は?」
 と聞くと、人のことを気にすることはないと言いながらも、
「指でされるのは好きじゃないみたいだった。だから口でしたんだ」
 と答えてくれました。そして、
「君も、口でして欲しいかい?」
 と聞かれましたが、私は恥ずかしくて答えることができませんでした。
 先生が、私の沈黙をどう受け取ったのか分かりませんが、先生はにこりと笑って、ベッドから降り、私の足を持って開くと、口をあそこに近づけました。
「アアアッッ!」
 べちょべちょというねっとりした音と共に、先生の舌がものすごい勢いで私のあそこを責め立てました。
 唇がびらびらを挟んではぐはぐしたり、クリトリスが含まれたまま舌で転がされたりしました。それから、膣の入り口に舌先が入ってくる感覚もありました。
 先生が、いろいろな場所をいろいろな方法でめまぐるしく愛撫してきたので、なんだか、どこが気持ちいいのか分からないけどすごく気持ちがいい状態になって、私はほとんど叫びっぱなしでした。
 音も声も筒抜けな隣の部屋で恵美が寝ていることなんて、頭からすっ飛んでしまいました。もう、気持ちよくて気持ちよくて。
「ああ、ああああっ、ア、ア、ア……ッ!」
 自分の声もきっと、はしたなくて聞くに堪えないものだったのだと思います。でも、声をあげている間はなんだかもう、必死で……恥ずかしいとか考えていられませんでした。
 クンニは、今まで感じたことのない快感でした。直接的な鋭い刺激と間接的な柔らかい刺激が交互に襲ってくる感じで。
 気がつくと私は、
「もうイキたい、イキたい!」
 と先生にねだっていました。不思議な気分でした。気持ちよいからずっと続けて欲しいのに、でももっともっと激しく、貫かれる刺激ではやく終わって欲しいような感じ。
 ○○な感じ、としか書けないのが悔しいのですが、自分では、あの感覚をうまく表現できません。表現できないものすごく微妙な感覚なのです。
 私が喘いでいると、やがて先生が私のあそこから口を離しました。先生の口の周りは唾液と私の愛液がべったり付いて汚れていて、すごいことになっていました。
「入れて欲しい?」
 先生がガウンをはだけながら言いました。
「入れて……入れてください」
 私はお願いしました。もう、はやく入れて欲しくて仕方がありませんでした。
「じっくりゆっくりと激しいの、どっちが欲しい?」
「激しいのがいい!」
 私は即答しました。
「よし」
 先生はそう言うと私の足を持ち、正常位でぐいと、結構大きくて立派なペニスで私を貫いてきました。
「アアアアアッッ!」
 すごい圧倒感でした。先生は最初からハイペースで、私はガンガン突かれまくりでした。
「ああ、あああっ!」
 でも、リズミカルだし、深いところを集中的に突いてきたと思うと、浅いところが細かに刺激されたりもしました。本気で気持ちよくなってきて、感極まっていくのが分かりました。
「ああ、この感じ、すごい、すごい、ああ、イクかも、イクかも……」
 今まで一番感じていたときよりもいっそう深い部分で快感を得ていた私の腰を持ち、先生はいきなり浮かしました。
「アアっ!」
 お尻がベッドから離れました。先生に腰を支えられ、頭と背中の一部以外宙に浮いてしまった私を、先生は器用に突いてきました。
「アア、先生、先生!」
 体位が変わったことで、刺激を受ける部分が増えました。私の内壁がペニスにいっそう密着して、掻き出される感じが増してきて。
「アアアアアッ、イ、イ、イくぅイッちゃうぅぅぅぅぅっっ!」
 私は、初めての絶頂の中で、気を失ってしまいました。
  
 僕には、五つ年上の従姉妹がいます。恵利香姉さんといって、僕の母の姉……僕の伯母のところの長女です。
 母と伯母はとても仲の良い二人姉妹で、僕の家が父の仕事の都合で引っ越して東京に出てくるまで……僕が小学校に上がるまでは、近所に住んでいて、しょっちゅうお互いの家を行き来していました。僕も恵利香姉さんもひとりっ子でしたが、まるで、姉弟のように育ちました。
 僕と恵利香姉さんは、一緒にお風呂に入ったり、寝たりもしていました。
 近くに健康センターがあったのですが、そこについている温泉によく行ったのを覚えています。
 僕の父は、僕を男湯に連れて行きたがりましたが、恵利香姉さんが絶対に僕と一緒に入るんだと言って、聞かなかったそうです。
 もちろん、そのころの僕はまだ幼稚園児だったし、何も考えていませんでしたが、考えてみれば恵利香姉さんはすでに小学校の高学年くらいか……よく覚えていませんが、もう中学に入っていたかもしれません。
 今の僕と同じくらいです。。
 うっすら覚えているそのころの恵利香姉さんは、僕にとっては十分に大人でした。
 綺麗な長い髪に、真っ白い肌。香水なんか付けていないはずなのに、いつだって甘い、とてもいい匂いがしました。
 肌はつるつるで、胸も、膨らんでいたように覚えているのですが、僕はいつも母や伯母と比べて
「恵利香姉さんのぺちゃぱい」
 なんて言ってたそうです。恵利香姉さんは
「私だってもう少し大きくなれば、おっぱい大きくなるんだからね!」
 と笑っていたように覚えています。
 恵利香姉さんは物静かでおとなしくて、伯母がしょっちゅう、僕の母に
「恵利香はいつも家で本を読んでる。友達がいないのだろうか」
 と相談していたのを、覚えています。
 でも、恵利香姉さんと散歩に出ると、恵利香姉さんの学校のお友達だろうと思われる人が、何人も気楽に声をかけてきました。
 恵利香姉さんは確かにおとなしかったですが、結構人気はあったのだと思います。
 東京に引っ越し、僕が小学校にあがって何年かは、夏休みやお正月に僕の家が伯母のところへ行ったり、伯母や恵利香姉さんが家に来たりと行き来がありましたが、ここ数年は、すっかり行き来が途絶えていました。
 僕の記憶の中の恵利香姉さんは高校にあがる前くらいでストップしていました。
 それが……去年のことです。恵利香姉さんが大学受験のため、我が家に長期滞在することになったのは。
 恵利香姉さんが東京の大学を希望していることは、前々から聞いていましたが、大学受験なんてまだまだ先の僕には、ピンと来ませんでした。
 家に滞在すると聞いたときには、ちょっといやだな、と思ったくらいです。
 僕はもう中学生で、恵利香姉さんのかわいい弟、という感じではないですし、家の中に(従姉妹ですが)他人が、しかも女の人がいると、何となく気まずいし、気も遣うと思ったからです。
 自由にいろいろできなくなるのもいやでした。
 ウキウキして、客間に布団や机を準備している母もうざったかったですし、大学のことをいろいろ調べてみたりしている父も、どうかしていると思いました。
 やがて、恵利香姉さんが伯母と叔父に付き添われて家に来たときには、正直びっくりしました。恵利香姉さんが、すごく大人っぽく、綺麗になっていたからです。もう完全に、大人の女性でした。
 もちろん、それなりに面影は残っていましたが、町ですれ違っても分からないくらい、綺麗になっていました。
 なんていうか……昔の女優さんみたいな感じの綺麗さです。今のアイドルみたいじゃなくて、モノクロ映画に出てくる女優さんみたいな感じです。
 母も父も、まあ綺麗になって……と、恵利香姉さんを歓迎していました。
「よろしくね、高志ちゃん」
 恵利香姉さんにそう言われて微笑まれたとき、僕は急に恥ずかしくなって、ぺこっと小さく頭を下げただけで、部屋にこもってしまいました。母が、
「本当にあの子は、もう!」
 と怒っている声や、父の、
「あんまり恵利香ちゃんが綺麗になったんで、驚いたんだろう」
 と笑っている声が聞こえましたが、部屋を出ることができませんでした。
 ああ……。白状すると僕はその時、懐かしい恵利香姉さんの甘ったるい匂いで、昔見た恵利香姉さんの真っ白い肌や綺麗な乳房を思い出して、あそこを固くしてしまっていたのでした。

 実際のところ、受験期間中は恵利香姉さんと接する機会はそうありませんでした。僕も学校や部活などでいろいろ忙しかったですし、恵利香姉さんは部屋にこもって勉強しているか、大学に行ったり、図書館に行ったりでしたから。
 夕飯も、時間が合わなくてあまり一緒には食べませんでした。
 恵利香姉さんは、あまり僕に声をかけては来ませんでした。今から考えると、恵利香姉さんも大きくなった僕にとまどっていたようでした。
 お風呂あがりなんかが、特にそう感じました。恵利香姉さんは、絶対僕の前には入りませんでした。僕が部屋に入って、しばらく降りてこないのを確認してから入っていたようでした。
 恵利香姉さんは、東京の大学を五つ受験しました。三つは受かりましたが、二つは落ちてしまいました。そして、その落ちた二つというのが、恵利香姉さんの第一希望と第二希望だったそうです。恵利香姉さんは、とても落ち込んでいました。

 恵利香姉さんが帰る前、母と父は恵利香姉さんを励ますために、いろいろなところに連れて行くことにしました。
 まずはディズニーランド。それから都心の大きな書店や古書店巡り。
 そして、動物の好きな恵利香姉さんが是非行きたいと言っていた、サファリパークにも行くことになりました。
 僕は、ディズニーランドなんかは逃げていたのですが、サファリパークは是非一緒にということになってしまいました。
 サファリパークへは高速に乗って行きました。僕の家からは高速入り口が近いので、思ったよりもすぐでした。
 とても天気のよい日で、恵利香姉さんは不自然なくらいはしゃいでいました。明後日には地元に帰らなくてはならない、というのもあったのでしょう。それにどうやら恵利香姉さんは、希望していた大学に落ちたので、地元の大学に行くことになるかもしれないということでした。
 恵利香姉さんは本が好きなので、大きな書店や専門書、古書を扱う書店がたくさんある東京に是非来たいのだと言っていたのです。
 それらのことは、サファリパークに行く車の中で聞きました。でも、僕が直接聞いたわけではなく、ほとんど、助手席の母と、後部座席の恵利香姉さんがしゃべっていました。僕は、中学生の分際で口を挟むのもおかしいし、黙って聞いていました。
 サファリパークは僕も初めてでした。
 父の運転する車で入るときには、少し緊張しました。
 車に乗ったままでお金を払い、二重になっている大きなゲートを通過して、動物放し飼いのパーク内にはいるときは、なんだか、映画のジュラシックパークみたいだなと思いました。
 最初は草食動物で、次は……という感じで、動物の種類や居住地区ごとにいくつかエリアが分かれていました。象やキリン、シマウマが車の前を横切るたびに、恵利香姉さんはきゃあきゃあ声をあげていました。猿が車の上に乗ってきたときには、僕も思わず声をあげてしまいました。
 車の中は、和やかな感じでした。
 そして最後のクライマックスは、猛獣ゾーンでした。
 今までよりもさらに厳重なゲートをくぐり、中へはいると、まず虎が。それから一番人気だろうと思われるライオンゾーンに入りました。そこはとにかく……ライオンがいっぱいいました。
 小学校の時に遠足で行った動物園にもライオン放し飼いのコーナーがあり、ライオンバスに乗って回ったことがあったのですが、そこにいるライオンの数が全然違いました。
 とにかくたくさんいて、しかも、時間帯がよかったのか、活発に活動していました。
 その時です。
「あ……」
 横の恵利香姉さんが声をあげて一カ所を凝視していました。僕が恵利香姉さん側に身を乗り出して見ると、恵利香姉さんは真っ赤な顔をして全然違うところに目をやりました。
 そこでは……ライオンが交尾をしていました。大きな雄ライオンが、雄よりは小さいけれど充分大きな雌ライオンの背に前足をかけて、猛々しい真っ赤なものをズゴンズゴンと出し入れしていたのです。
 あちゃー、と思って、ちらりと両親を見ましたが、両親は全く気付いていないようでした。もう一度恵利香姉さんに目をやると、気にはなるらしく、おずおずといった感じで、時々交尾を見ては、目をそらしていました。
 そんな恵利香姉さんの様子を見ていた僕の身体に変化が起こりました。
 やばい、と思いました。
 額に汗が浮かびました。握りしめた手が、湿っていました。僕は狭い車内で足を組んで、必死に、治まれ、治まれ、と念じていました。
 あそこがガッチガッチになってしまい、痛いくらいでした。
 ライオンの交尾から目をそらしたり、ちらりと見たりする綺麗な恵利香姉さんの桃色に染まった頬、潤んだ大きな瞳、半開きになったピンク色の唇と、そこから少しのぞく真っ赤な舌が、僕の下半身を刺激していました。
(頼む、頼むから治まってくれ!)
 僕はもう、そのことで必死でした。
 治めようとすればするほど、ジーパンに包まれた恵利香姉さんのむっちりとした太腿にまでよけいな考えが浮かんでしまってダメでした。
「どうしたの?」
 恵利香姉さんが、少し震える声で僕に尋ねたとき、僕はもう、座席から飛び上がるくらいびっくりしてしまいました。
「あ、いや。あの、小便……」
 僕がしどろもどろで答えると、父が、
「ライオンを抜けてもう一度草食動物を脇に抜ければ駐車場だから。もう少し我慢しろ」
 と言い、母が、
「さっき、トイレはいいのって聞いたじゃないの!」
 と、少し怒った声で言いました。
 恵利香姉さんは下を向いて黙っていました。

 その日の夜です。
 みんな疲れてぐったりしていて、今日は早く寝ようと言うことになっていたのですが、父の会社の人の誰かが急死したという連絡が家に入り、父と母は出かけなければならなくなりました。しかも、その人の家はかなり遠いらしく、もしかしたら、近くのビジネスホテルに泊まってくるかもしれないと言うことになりました。
 家には、恵利香姉さんと僕のふたりだけになりました。
 僕は、居間に座ってテレビを見ていました。恵利香姉さんも、僕の横にいました。
「シャワー借りるわね」
 恵利香姉さんがそう言って立ち上がり、着替えを取ると、シャワーを浴びに行きました。僕は、部屋に戻った方がいいのかなと思いましたが、なんだか疲れて億劫だったので、そのまま座っていました。
 やがて、恵利香姉さんが出てきました。懐かしい、恵利香姉さんの甘い香りが部屋に広がりました。ピンク色に染まった肌が、小さな花柄のパジャマからちらちらとのぞきました。恵利香姉さんが腕で胸元を隠しました。
 ブラジャーをしていないんだと気づき、僕はドキドキしてしまいました。
「何か、飲む?」
 動揺を隠そうと、僕はそう聞きました。恵利香姉さんは、牛乳を飲みたいと言い、僕は牛乳をコップに入れて恵利香姉さんに差し出しました。
 恵利香姉さんはソファに座って牛乳を口にしながら、ぽつぽつと話をしました。
 地元の、口の悪い近所の人に女が大学に行くなんて生意気だと言われていること、東京に行くと言っただけで不良扱いされたこと、地元から出たくてたまらないことなどです。
 確かに、恵利香姉さんの住んでいるところ……母の実家のあるところはすごい田舎です。近所の人がお互いを監視しているような雰囲気もあるところです。
 僕は恵利香姉さんがかわいそうになってしまい、いろいろ、慰めようとしましたが、なんて言って慰めればいいのか分からなくて困りました。
 そのうち、恵利香姉さんは少し泣き始めました。泣いているのを僕から隠そうと、わざと変なことを言って笑ったりもしました。
 僕は本当に困ってしまい、恵利香姉さんの隣に行って肩に手を乗せて、
「ずっとここにいればいいよ。あっちに帰らないで、滑り止めで受かった大学に行けばいいじゃないか!」
 と、言いました。恵利香姉さんは、少しびっくりした顔をして、
「ありがとう、高志ちゃん。でも、そういうわけにもいかないのよ」
 と言いました。
 僕は、恵利香姉さんの身体から立ち上る甘い香りと、上気した頬、それに涙が溜まっている瞳を見ていたら、なんだか妙な気分になってきてしまいました。
(やばい……)
 状況も考えずに反応してしまう身体が、いやで仕方ありませんでした。
 恵利香姉さんは、まっすぐに僕を見ていました。僕は、視線をそらすことができませんでした。
 下半身がぎゅうぎゅう締め付けられるように痛みました。僕は前屈みになりました。
「あ……」
 恵利香姉さんの視線が、すっと下を向き、もう一度僕をまっすぐに見つめました。
(ばれた)
 そう直感しました。
(なんて不謹慎な奴だって思われる! もしかしたら、両親に言いつけられるかも)
 あり得ないことまで頭をぐるぐる回り、僕はほとんどパニックを起こしそうでした。
「ごめんなさい」
 僕はなぜか謝っていました。恵利香姉さんの瞳が大きく開いたので、僕は反射的に目をつむりました。 
 すると……。
 柔らかな感触で、僕は包まれました。甘くていい香りが、僕の全身にまとわりつきました。そして……マシュマロを唇に押しつけられたような感覚がしました。
(え?)
 僕は、なんだか目を開けることができませんでした。やがて僕の唇が生暖かいねっとりしたものでこじ開けられました。それは、僕の舌に絡みついてきます。
(うそだ……)
 僕はおそるおそる目を開けました。目の前に、恵利香姉さんの綺麗な肌がありました。恵利香姉さんは目を閉じていました。僕の頭の後ろへんが、ぴりぴりしました。
 僕はおずおずと手を伸ばして、横に座ったまま、僕を抱きしめ唇を寄せている恵利香姉さんの胸に、手を当ててみました。
 たぶん、乳首だと思われるところが、尖って固くなっていました。パジャマの上から触っている僕の手のひらに当たり、なんだかくすぐったい感じがしました。
 僕はなんだか訳が分かりませんでしたが、とにかくこういうときは男が責めるものだと思っていたので、ぐっと力を入れて、恵利香姉さんをソファに押し倒しました。
 恵利香姉さんは、抵抗しませんでした。ぐにゃりと身体をソファに倒し込みました。
 でも僕は、そのあとどうしたらいいか分からなくて、とまどいました。
 一生懸命、友人から借りたエロビデオとか、いやらしい本なんかで見たことを思い出そうとしましたが、あそこに血が集まっているためか、まったく頭が回りませんでした。
 恵利香姉さんの上に乗り、胸に手を当てたままじっとしていると、恵利香姉さんが僕の下半身に手を伸ばしてきて、さすりました。
「うう……」
 ちんちんがドクンドクンとするのが分かりました。恵利香姉さんはゆっくり口を開け、
「高志ちゃんは東京の子だからいろいろ知ってるかもしれないけど……。私は初めてなの。うまくできなかったらゴメンね」
 と、小さな声で言いました。
 僕は、身体中が震えました。僕だって初めてです、キスだって……今のがファーストです、うまくできなかったらごめんねはこっちの台詞だ! そう、いいたいことがぐるぐる回りました。でも、何も言えませんでした。
(もうどうにでもなれ!)
 僕は息を荒げながら、とにかく、恵利香姉さんのパジャマの前ボタンをはずしました。はらりと落ちたパジャマから洗われたピンク色の肌が、小さい頃に見たのとは比べものにならないくらい大きなおっぱいが現れ、くらくらしました。
 僕はもうなんだか夢中になって、おっぱいにしゃぶりつきました。
「高志ちゃん……小さい頃そうやって、私の胸を吸ったのよ……」
 はあはあいって少しのけぞりながら、恵利香姉ちゃんがそう言いました。 
 ちんちんが一段と固くなってきたようで、僕はもう、痛くてたまりませんでした。フリースのスウェットを突き破りそうでした。たまらず、僕は大きなおっぱいにしゃぶりつきながら、恵利香姉さんの足にあそこをぐいぐい押しつけました。
「入れて……いいのよ。……高志ちゃんがいやじゃなければ……」
 恵利香姉さんが恥ずかしそうに目をそらし、顔を赤くして小さな声でつぶやきました。
 僕はもう爆発寸前でした。
 少し身体をずらして、恵利香姉さんのパジャマのズボンを下ろそうとしました。でも、うまくいきませんでした。恵利香姉さんが腰を浮かしてくれて、何とか下ろしました。
 真っ白い、飾りが全然ついていないパンティーが見えました。恵利香姉さんらしくて、ドキドキしました。それも下ろすと、真っ黒い茂みが出てきました。
 覚えている限り、恵利香姉さんのあそこにそんなものが生えていた記憶はないので、少しショックでした。でも、いやな気持ちはしませんでした。
 僕もスウェットを脱ぎ、下着を下ろそうとしましたが、恵利香姉さんがじっと見ているのに気付き、恥ずかしくなりました。
 僕は、まだちゃんと生えていなかったからです。それにやっぱり、見られるのは恥ずかしかったのです。
 僕が、小さい頃に見た恵利香姉さんの裸と、今の恵利香姉さんの裸を比べているみたいに、恵利香姉さんも僕の身体を、小さいときと比べるんじゃないかと思って……。
 だから、恵利香姉さんの身体に自分の身体を重ねて、さっと脱ぎました。
 勃起にブリーフのゴムが引っかかってなかなか脱げなかったし、引っ張られていたかったけど、我慢しました。
 恵利香姉さんが、おそるおそるという感じで脚を開きました。恵利香姉さんは、小さく震えていました。桃色の肌が、鳥肌になっていました。
「高志ちゃん……」
 恵利香姉さんが小さく言いました。
 僕はもう我慢できなくて、とにかくちんちんの先っぽを恵利香姉さんのひだひだの間に押し込みました。どこに穴があるかは分かりませんでしたが、とにかく、どこかはいるだろうと思っていました。
 ところが、恵利香姉さんのあそこはぬるぬるで、つるつる滑ってしまい、うまく入りません。僕は焦りました。
 すると恵利香姉さんがそっと僕のチンチンを握りました。
「うう……」
 温かい手に握られて、それだけで爆発しそうになってしまいましたが、僕は必死で耐えました。
 恵利香姉さんは僕のチンチンを握ったまま、入り口を教えてくれました。ちんちんの先っぽが、何か柔らかい抵抗に触れました。
「あああっっ!」
 思い切り力を入れてチンチンをそこに入れた瞬間です。恵利香姉さんが叫び、体を海老ぞりに反らしました。
 今思えば、処女膜を破った痛みだったのでしょう。でもその時の僕に、恵利香姉さんを思いやれる余裕はありませんでした。
 初めて経験、初めての女性のあそこ! 少し固くて、きつくて、でもぬめぬめしていて……。自分でやるのより断然よくって。しかも、恵利香姉さんの痛がってるんだかよがってるんだかよく分からない表情がすごい色っぽくてたまらなくて……。
 ちんちんにたまったものを全部全部ぶちまけてしまうまで、たぶん、あっという間だったのだと思います。僕にはすごく長い時間に感じたけれど。 
 私はセックスが好き。セックスが大好き。もう、一日中でもしていたいほど、セックスが好きです。
 セックスマニアっていうのがあるって聞いたことがあります。たぶん私はその、セックスマニアなんじゃないかって思うくらいセックスが大好きです。
 男の人と、肌を触れ合わせるのが好き。ぎゅうって強く抱きしめられたり、抱きしめたりするとすごい幸せ。汗ばんだ肌のしっとりとした感触が好き。擦れあったり、ぺたぺたしたりするのがたまらなく好きです。
 それに、男の人が私の裸を見て、ちっちゃく縮んでいたペニスを大きく膨らませるのを見るのも好きです。
 私はそんなにスタイルのいい方ではなくて、背は低いし、胸も大きい方ではなくて手のひらに収まっちゃうくらいだし(でも、男の人は、それくらいがちょうど良いといってくれます)、お尻は大きめだし、顔だって、まあ、普通くらいだと思います(目の大きいのだけは、かわいいと思うけど)。エッチな雑誌のグラビアを飾る巨乳美人のモデルさんとは大違いのロリータ体型だけど、そんな自分が男の人を「欲情」させているんだと思うと、ぞくぞくします。
 口に含むと、中でだんだん熱く、かちんこちんに固くなって、私の小さな口の中では収まり切らなくなるほどになるアレも好き。
 この、熱くて固くて逞しいものが私の中に入ってくるんだと思うと、なんだか腰の力が抜けて、おしっこを漏らしたみたいにエッチな汁がたらたら流れ出てしまいます。
 そしていよいよペニスを私のいやらしい場所に入れてもらう瞬間は、もう……ああ、その時の感触を思い出しただけでも、頭の中がエッチしたいっていう思いでいっぱいになってしまいます。
 身体が芯から熱くなって、肌が泡だって、乳首がツンと尖って、頭の後ろの方がぼおっとなってしまうあの快感! ペニスがねちゃねちゃとものすごくいやらしい音を立てながら私の内側を引っ掻いて出入りするたび、私のあそこはキュッキュとペニスに絡みついてぺったりと張り付き、それでなおさら、擦られる快感がアップして……もう、それがたまりません。
 快感の度合いがだんだんと増していって、大きくなっていく時は、大抵男の人の方もいい感じになっていて、ハアハアという荒い息づかいと共に腰の動きが大きく早くなっていきます。
 スクロールが大きくなればなるほど、ペニスは私の奥の方を突き、快感をますます大きくしてくれます。
 そして、もうダメ、限界……というところを突き抜けてもうひとつ上の快感で全身が震え、私はクライマックスに達するのです。
 アノ感覚は本当にもう、なんて表現していいのか……。こんなにすごい刺激をもしも一時間くらい受けていたら、死んでしまうんじゃないかってくらいの快感です。
 そして男の人も私で感じて、いっぱいいっぱいスペルマを出してくれると、なんだか、とても満足感があります。
 オナニーもするけど、オナニーとは全然違うんです。オナニーの方が確かに、自分で一番感じるところを刺激できるから、気持ちいいは気持ちいいんですけど、物足りないんです。自分以外の誰かがいて快感を共有できたり、時には何となく身体の具合が噛み合わなくてなかなか達せなかったりするもどかしさなんかがあった方が、絶対いいです。
 こんな私ですから、一晩限りとか、たまにセックスとかする人以外に一応、定期的に関係するセックスフレンドは何人か持っています。学外に一人。あと三人は、同じ学校の人です。
 本当は、決まった恋人が欲しいのですが、みんなそれぞれいいところが違うので、ひとりに決められません。
 ただ、どうも学外の一人は、私のことを恋人だと思ってるみたいですが……。
 学校内にいる三人のセックスフレンドというのは、ひとりは同級生、ひとりは部活の先輩、そしてもうひとりは部の後輩です。
 同級生・山岸君(仮名)とのつきあいが一番長く、もう一年半になります。山岸君は彼女がいるのですが、セックスはまだしていないそうです。
 山岸君の彼女は私の友達でもあるのでよく知ってるんだけど、まあ、結構潔癖性なところがある子なんです。
「山岸君は他の男の子みたいに、すぐやりたがるようなことがないから、信頼できる」
 なんてその子は言ってます。それは、私がちゃんと相手してあげてるからだよって、言いたいけど……絶対言えないよね。
 山岸君は理科部の副部長なので、よく、山岸君が鍵を持っている理科準備室でエッチします。
 理科準備室は狭く、壁一面を覆うスチール棚にはぎっしりビーカーやら試験管やら、なんだか分からない液体の入った瓶やらがいっぱい入っています。
 部屋の隅には無造作に、標本や人体模型なんかが置かれていて、その脇にある段ボールの中にはファイル類や変な本がどっさり入れてあります。
 整理されているのは、本棚の中の理科年間の類くらいで、あとはなんていうか……理系の人って整理整頓が得意だと思っていたけど、全然違ったんだって言うくらい全体的にごちゃごちゃしている部屋です。
 でも、かわいらしいものはなにひとつないので、部屋はどことなく冷たい空気が停滞しています。
 殺風景な流しの上にある小さな窓についた黒いカーテンを閉め、理科室に通じるドアに鍵をかけてしまえば、密室のできあがりです。
 狭い部屋なので、横になってエッチとかはできませんが、立ったまま、短時間で終わらせるんだったら、なんの問題もありません。
 放課後、早く帰らないといけないけどちょっとエッチしたいときで、理科部の活動がないときは、大抵山岸君と理科準備室に入ってエッチします。
「大丈夫だと思うけど、顧問が来るとまずいから早くしようぜ」
 ムードもへったくれもありませんが、もしかしたら理科の先生や、もうひとり鍵を持っている理科部の部長が来るかもしれない、というドキドキ感の中でのエッチは結構盛りあがります。 
 それにこんなこと絶対言えませんが、友達の彼氏とのエッチ、という背徳感も私の気分を盛り立てます。
 私は隅に置いてある小さなスチール机の上にある資料やらファイルやらを少し片づけ、手を置く場所を確保します。そしてそこに手をかけ、軽くお尻を突き出します。
 山岸君は私の、結構ミニにしているブレザータイプ制服の紺色プリーツスカートを捲りあげて私のお尻を丸出しにすると、ショーツを脇にずらして、すでにびんびんに勃起しているペニスを濡れたあそこに挿入してくるのです。
 ところが、先日はちょっと違いました。
 いつものようにスカートを捲りあげられたあと、軽く脚を開き、ショーツを脇にずらされた次の瞬間です。
「イやぁぁっ!」
 私は思わず、素っ頓狂な声をあげてしまいました。いつもの、熱くて固い塊ではなく、何か冷たく鋭い感じのするものが、私のあそこを突いたのです。
「やあだ、なに? なんなのよぉ」
 手をついてお尻を突き出したまま顔を向けると、山岸君がにっと笑って言いました。
「ぶっとい試験管。暴れたり騒いだりすると割れちゃうぞ?」
 私は真っ青になりました。あとで聞いたところ、実はガラス試験管ではなく、使い捨てのプラスチック試験管だったそうなのですが、その時はそんなこと分かりませんでしたから。
「ちょっと、どうするのよぉ」
「たまには、ちょっと遊んでみてもいいかなと思ってさ」 
「あああっ!」
 山岸君の手が私の腫れぼったくなったびらびらを拡げました。そして中心の、たぶん緊張でひくひくしていただろうくぼみにひんやりとした試験管をねじ込んだのです。
「あ、ああああ……」
 熱い肉棒とは全く違う無機質な感覚に、それでも私の身体は反応して、いやらしい汁を垂れ流しながら、襞を絡みつかせていきました。
「すげえ……」
 山岸君は小さな懐中電灯で試験管の内側を照らし、私の内側を覗いていました。
「膣の中ってこうなってるんだ。人間の内臓って結構グロいな」
「いやだぁ、見ないでよぉ!」
「見せてやりたいよ。写真撮ろうか?」
「絶対、ダメェ!」
 あの時は、本当に焦りました。最後は結局試験管を抜いて、本物のペニス……山岸君の勃起を入れてもらったのですが、あそこの内側を覗かれたことになんだかすごく興奮してしまい、声が抑えられなくて大変でした。
「バカ、やばいって。ここ防音じゃないんだから! うう、おまえちょっと、締め付けすぎだぞ」
「だって、なんだかすごい良くって……あ、あああ、アアッ!」
 二人とも変に盛りあがってしまって、山岸君もいつもよりいっぱい射精しちゃったので、後始末が大変でした。
 でもまあ、理科準備室は流しがあるから片づけは楽チンなんですけどね。
 ただ、やっぱり理科準備室は狭いし、立ちバックでしかエッチできないのが難点です。保健室が使えれば一番いいんですけど、さすがに保健室は出入りも多いし、保健の先生は女性なのであきらめました。
 そこで、どこかないかなぁと思って捜していて見つけたのが、体育準備倉庫です。体育館脇についている小さな倉庫。そこにあるマットレスに私は目を付けたのです。
 私の通っている学校には、体育準備室が二つあって、ひとつは体育館が新しくなったときに新設された綺麗な準備室で、もう一つの方は、なぜか取り壊さずに残っていて、ほとんど誰も使っていない準備倉庫です。
 新体育準備室の方は、体育館や校庭と直接つながっているドアがあるのですが、旧体育準備倉庫の方は体育館からも校庭からも行きづらいへんぴなところに残されたままなのです。
 中にあるのは、壊れた跳び箱や折れたデッキブラシ、破れたマットなんかです。鍵は南京錠が一応かかっていますが、どう見ても壊れています。
 特筆すべきは、内側からも錠がかけられるようになっていること。これは使える、と思いました。
 私は少し悩みましたが、まずは部活の佐々山先輩を誘って、体育準備倉庫にしけ込んでみました。
 佐々山先輩とは結構冒険心があって、新しい試みが好きなひとです。体育準備倉庫なら、マットがあるからホテル代わりに利用できるよと言うと、すぐ話に乗ってきてくれました。
「折角だから、体操服でやっちゃおうぜ」
 そんなことまで言い出したりして。
 私たちは部活動のあと、部員たちと微妙にはぐれて、まずは私が先に、体育準備倉庫に入りました。
 中は薄暗く、なんだか空気もどんよりしていました。無造作に積まれた様々なものはほこりをかぶっていて、薄汚れていました。
 電気はつきませんでした。
 高い位置に着いている窓から入ってくる西日だけが、埃を浮かびあがらせていました。
 隅の方に畳んでおいてあったマットを引っ張り出し木の床にひいてみたら、すごい量の埃が舞い上がりました。慌てて窓に手を伸ばして開けてみましたが、一度舞い上がった埃は、いっこうに減りませんでした。
 でもまあ、制服は脱いでしまうから汚れることないしいいかと思い、私は体操服に着替えました。誰もいないと分かっていても、スカートを身につけたままで紺の短パンをはいたり、肌が見えないよう、真っ白い体操服の上着をかぶってからブラウスを脱いだりする自分に、少しだけ笑ってしまいました。
 今からここですごく恥ずかしい場所をさらけ出すのに、誰もいないところで慎重に着替えている自分が、おかしくなってしまったのです。
 体操服に着替え終わってしばらくした頃、先輩がそっと入ってきて、内鍵をかけました。
「なんか、埃っぽいな」
「でも、雰囲気はあるでしょう?」
「まあね」
 先輩は入ってすぐに制服の上着とズボンを脱ぎ捨て、ネクタイをはずしました。
「かわいいな、体操服姿。体育祭以来だよ、見たの」
「そうだっけ?」
「学年違うからな。こんなかわいい姿、同級生には見せてるのかよ。なんか、むかつく」
 先輩はそう言いながら、早速私をマットに押し倒してきました。
「きゃっ!」
 私の身体が押しつけられ、再び埃が舞いました。先輩は何も気にせず、私の身体を体操服の上からまさぐってきました。
「なんだ、ブラ付けてるのか。はずしちゃえよ」
「あんっ!」
 先輩が私の背中に手を入れ、ブラのホックをはずしました。そして器用に肩ひもを引っ張り、私の袖からブラジャーを取ると、そこらにぽんと投げ捨てました。
「やだ、埃だらけになっちゃうよ……」
 先輩は何も答えず、体操服の上から私の乳房をまさぐりました。
「ああん」
「服越しに勃つ乳首って、いやらしいよな」「ああ……ああん!」
 先輩は体操服と一緒に、私の尖ってしまった乳首を指でつまみ、ぐいぐい引っ張ったり、さすったりしました。
 体操服越しにさすられると、綿の布地が乳首に擦れて、なんだか新鮮な刺激でした。
「たまらないね」
 先輩は口を近づけると、体操服の上から私の乳首をちゅいうちゅう吸いました。
「あ、あは、アアア!」
 なんだかものすごく感じてしまって、膝を立てようとしましたが、先輩の身体が私の上にしっかりと乗っていて、身動きが取れませんでした。太腿のあたり……短パンのラインのすぐ下にごつごつしたものが押しつけられていました。先輩の勃起だとすぐに分かりました。
「うわ、すごいエッチになった」
 先輩が私の胸から口を離して言いました。「やだ……」
 先輩の唾液で白い体操服が透け、乳首が乳輪まで浮かび上がっていました。乾いた体操服のそこだけが濡れているのは、すごくいやらしく見えました。
「めちゃくちゃ色っぽいよ」
「恥ずかしい……」
「それがいいんじゃないか」
 心なしか、先輩のあそこがますます固く、熱くなっているように感じました。
「ああっ!」
 先輩が私の体操服をいきなり捲りあげると、乳房に吸い付きました。
「やっぱり、直接の方がいいな」
 じゅるじゅると、わざと大きな音を立て、むしゃぶりつく、という感じで私の乳房を唇で覆いました。
 はじめは片方ずつ……やがて、両手で私の乳房を脇から掴んで、ぐいと中心に寄せるようにして乳首を並べ、左右を同時に口に含むと、舌でぺろぺろなめ回しました。
「ああっ、あ、ああ……」
 すごい感じてしまって、私は声を出しながら、頭をマットにこすりつけました。動くたびに埃が舞い、独特の匂いがあたりに充満しました。
「先輩ィ……」
「おい、あんまり大きな声出すとやばいよ。まだ、残ってる部もあるんだからさ」
「こんなところ、誰も来ないって」
「そんなの、わかんないぞ?」
 もしかしたら誰かに気付かれちゃうかもしれないと思うと、ますます興奮してしまいました。それは、先輩も同じだったみたいです。
「やっべ、なんか腹痛くなってきた。少しほぐしてくれよ」
 と言うと、ズボンとブリーフを膝まで下ろしました。そして、あちこちささくれ立ち、マット部は穴がいくつも空いている隅の跳び箱にお尻を乗せると、勃起を突き出しました。
 私はマットの位置を少しずらして、マットの上でひざまずくと、先輩のあそこに舌を這わせました、なんだか汗に埃が付着してるっぽい味がしましたが、唾液で綺麗にしました。
「うう……」
 男の人がもだえるときの声や、ピクピクするペニスは大好きなので、私は一生懸命フェラチオしました。 
 手でサオを握って上下し、顔を股下に突っ込んでタマの部分をぺろぺろしたりもしました。先輩は右のタマの表面を、舌先でつんつんしたり、唇を付けてちゅっちゅしたりするとすごく感じてアレがひくひくするのを知ってますから、集中的にやりました。
「うう、うう……相変わらずツボを知ってるよな」
 先輩のそんなかすれた声にはドキドキしました。 
「そろそろ、おまえも気持ちよくしてやるからな」
 先輩はそう言うと、真っ赤な勃起丸出しのままで、再び私をマットに押し倒しました。
 そして、もう一度私の体操服を捲りあげ、乳房をむき出しにすると、今度は薄い短パンの上から、私のあそこをしゃぶりました。
「ああっ!」
 私は軽く脚を開き、膝を立てました。先輩は無遠慮にあそこにむしゃぶりついてきました。
 すごく気持ちいいんだけど、短パンと下着が邪魔をして、なかなかもどかしい感じです。もうちょっとですごく気持ちいいんだけど、すんなりそこに行き着かないって感じで。
 だから私は、はやくもっともっと気持ちよくなりたいよと、先輩にオネガイしました。
 先輩は、
「スパッツの股間が濡れてるってのもすげえ色っぽいんだけどな」
 なんて、どこかマニアっぽいことを言いながら私の短パンと下着を脱がしてくれました。
「すげえな。パンツびしょびしょだよ。絞ったら汁が出そう」
 なんて恥ずかしいことを言いながら。
「ねえ、はやく、はやく……」
「分かってるよ」
 先輩は私のスパッツと下着を、私の片足の太腿に付けたままにして、私の脚の間に入りました。
「やべ、ゴム忘れた」
「いらない、はやくきて!」
 私はもう、興奮していて、それどころじゃありませんでした。
「はやくぅ、はやく!」
「そうだなぁ、でも誰か来たらやばいよな」
「こないからぁ、はやくぅ……ああっ!」
 先輩の逞しいものが私の膣内にグググと入ってきた時、私は思わず大声を上げてしまいそうになりましたが、先輩がすかさず、唇でふさいでくれました。
「うう、むうう、うううううう」
 息苦しさと、気持ちよさで、おかしくなりそうでした。
 先輩は最初から速いペースで私を打ち込んできました。ずこずこと、私の感じる部分の一番奥を貫いてきました。先輩も、興奮していたのでしょう。
「おお……」
 私より先に、先輩が声をあげました。
「すごいな、おまえ今日、すごい締まるし、濡れてるよ。固いコンニャクゼリーの中にチンポ突っ込んでる感じだよ」
「へんなこといわないでよ、あ、あ……」
「おいおい、マットにスケベ汁たらしまくりだぞ? 変な匂いになってきたぞ!」
「やだ、そんなこと言わないで……ああ」
「誰かが入ってきたら、言い訳できないぜ? これだけ匂いが充満しちゃってたらさ」
「いや……あ、ああっ」
 自分で言っ照子との興奮したのか、先輩のストロークが、はやく、そして大きくなってきました。
「あ、あ、あ、あ、あ……」
 先輩があんまりガンガン突きまくるので、私の身体はマットの上をずりずりと移動しました。
「ああ、ア、アアッ……ッ!」
 もう、気持ちよくて気持ちよくて、たまりませんでした。
「もうだめぇ、イッちゃう、イッちゃうよぉぉぉっっ!」
「大声出すなってば! ここはホテルとかじゃないんだぞ、学内なんだぞ!」
「だって、あ、アア!」
「だから、おまえ声出すとすごい締まるんだって! う、ううっ」
「ア、アアアアアッ!」
 先に私がイき、先輩もマットの上に白いべたべたを大放出しました。
「マット、汚れちゃったね」
「いいよ。どうせ捨て損ねて取ってあるだけだろう。使わないんだから」
 私たちは何となくマットの上でごろんと横になり、差し込む西日の中でちかちかしている埃を見ていました。
「結構いいね、ここ」
「うん。また一緒にこような」
「絶対だよ」
 先輩に抱かれながら私は、今度はどの人とここに来ようかと、そんなことを考えていました。 

「ごめん! いつもはこんなことないんだけど、少し飲み過ぎたみたいだ」
 しゃれたブティックホテルの部屋。大きなベッドの上に敷かれた真っ白のシーツに腰掛けて、彼は私に頭を下げた。ちょっと前まではすごく大きく真っ赤でパンパンで、勃起ってこんなにすごいんだ! と私を驚かせていたペニスは情けないほどにしゅんと縮こまり、ゴムの先っぽがへにゃあと垂れ下がっていた。
 彼とは、つきあい始めて三ヶ月。バイト先の先輩で、三つ年上。優しくて頼りになって、私の理想の彼だ。つきあい始めて一ヶ月目のデートのとき、彼の部屋で彼とエッチな雰囲気になったけど、私が拒否った。
 私は処女だったから、初めてはできたらもっと綺麗なところ……それにきっと痛いと思ったから、思い切り声をあげても大丈夫なところでしたかったのだ。
 海の見える素敵なペンションとか、そういうところが希望ではあったけど、まあ、そこまでは望まなかった。彼のバイト代は知ってるしね。そんなわけで、デートあとの居酒屋でかなりテンションあげたあと、近くの駅裏ホテル街の、一番綺麗で良さそうなところになだれこんだのだ。。
「ホントに、ホントにゴメン!」
 部屋に入ったときは、彼もノリノリだった。だいぶ飲んでたからかもしれないけど、いつもは言わないようなエッチなことを囁いたり、じっくりねっとりなディープキスを何度も何度もしてくれたり(お酒臭かった!)して。私の方も、アルコールでテンション高くなってるところにそんなコトされてふわふわした気分になって、キスだけで身体中がカッカしちゃって。彼の温かい手がブラジャーの中に入ってきて、胸をぎゅっと強く掴んだときなんか、すごい気持ちよくなっちゃって、恥ずかしい声をいっぱい出したりした。
 胸や首なんかをたくさん揉まれたり軽く噛まれたりしているうちにアソコがなんだかじんわりと熱くなってくる感覚があった。だんだん愛液がオシッコみたいにもれてくる感じがあって、焦れったいような切ないような……ああ、これがいわゆる『濡れて、挿れてほしい』感覚なんだなって分かった。
 彼は優しく私の頭を撫でて
「そろそろいいかい?」
 と聞いた。私は多分恥ずかしくて真っ赤な顔をしていただろうと思う。彼はビックリするくらい大きくなったペニスにゴムをつけ――。
 ああ、なんでこうなっちゃったんだろう。
 私のバージンを奪ってくれるはずだった彼のペニスはなぜか急に小さくなり、それきり勃たなくなってしまったのだ。
 私だって子どもではないから、飲み過ぎたり体調が悪かったりで、男性のモノがそういう状態になることは聞いたことがあった。だけど、今そうなることないじゃん! もしかしたら私に魅力がないからかなぁとか、私のアヘ顔がアホっぽくて彼に嫌がられてしまったんじゃないかなぁとか……。
 ついには私に背中を向けて、自分で自分のモノをさすって勃たせようとしている彼を見ていたら、色々考えすぎて悲しくなり、ついに泣いてしまった。
「ちょっと待てよ。お前のせいじゃないんだってば」
 彼は私を抱きしめてくれた。
「お前のせいじゃないんだよ。証明してやるよ」
 と言って、私をベッドに横たわらせると
「ああっ!」
 私の両脚を持って広げ、私のアソコに、顔を突っ込んだのだ!
「そんな、汚いよっ!」
「汚いもんか。めちゃくちゃステキだよ」
「アアア……ッ!」
 自分で触ったこともあるし、彼からも指で弄ってはもらったけど……ペロペロされるのは初めてだった。
 彼の鼻息がアソコの毛を揺らし、柔らかい舌が私のクリトリスを飴舐めるみたいに舐めた。ピリピリしたむず痒いけどもキモチイイ感じが下半身から全身に広がった。それから彼の分厚い唇がクリトリスやぴらぴらした部分を包み、ちゅるちゅると吸ったり舐めたり。。
「すごい、なんか、すごい気持ちいい!」
 じゅるじゅると、恥ずかしいほど滴る私の愛液を吸いあげる音がした。頭の奥が痛いくらいにジンジンと痺れた。頭の中が真っ白になるってこういうことなんだと思った。何も考えられなくなり、ウソじゃなく、本当に身体が浮いているみたいだった。 
「アアアあぁぁっっ……ッ!」
 彼の舌が細くなり、私のエッチな穴に差し込まれるのを感じた。タンポンでさえ使ったことのない私のその部分に入り込み、中をチロチロ舐める。
「すごい、すごいぃ!」
 処女なのに、私は彼の舌でイキまくってしまった。ううん、その時はそれがイクということなのだとは分からなかったけど、今ではハッキリ、あの時の感じが「イク」なのだと分かる。
 これを書いている今、私はロストバージンしてる。でも正直、セックスは思ったよりよくなかった。あの時のクンニの方がずっとずっと、気持ち良かった(はぁと
 私には付き合って半年になる同じ歳の彼がいるのですが、その彼の家に遊びに行ったときのことです。彼は実家暮らしなので、会うときはたいてい一人暮らしの私の部屋で会っていて、エッチなんかも私の部屋ですることが多いのです。でもその日は彼の両親が旅行に行ってていないとかだったので、私は、彼の家の彼の自室でエッチする気満々でした。
 彼の方もそのつもりだと言っていて、
「せっかくだから、面白いコトも考えてるんだ。楽しみにしてろよぉ~」
なんて超スケベぇなことも言っていたんです。面白いコトってなんだろう? もしかして、SMとか大人のおもちゃとかだったらどうしよぉー! なぁんて一人で悶々としちゃったりして。
 そんなわけで、彼の家に行くのを、私はすごぉく楽しみにしてました。
 彼の家はごく普通の二階建て4LDKで、二階には三つ部屋があって、彼の部屋は一番奥でした。六畳のフローリングで、黒い机とスチールの黒いベッド、本棚、パソコン――という、ごく普通の男の子の部屋(あんまり知らないけど)でわりと片づいていました。
「女の子を部屋に入れたのって、何人目?」
「初めてだよ」
「うっそだぁ。高校生のときとかは?」
「マジ、マジ。初めて」
 彼が持ってきてくれたジュースを飲んで、ベッドに腰掛けてふたりでイチャイチャしながらテレビを観ているうちに、なんとなくいい雰囲気に。私の方はといえば、彼の部屋に入ってベッドを観たときから、ここでエッチするんだなぁ~なんて考えていたので、肩を抱かれてキッスされたときには、もうアソコがじんわりと濡れているのを感じてました。
「あんんん……」
 飲んだジュースの味のする彼の舌で口の中をベロベロ舐めまくられているうちに、頭の芯がボーっとして、身体がぐにゃぁと柔らかくなっていきました。気持ちよさに力が抜けて、ベッドに横になると、彼が私の服を脱がしていきました。
 ブラの中に手を入れられて、固くなっちゃった乳首をコリコリされたら、テンションあがりまくっちゃって、アソコびしょ濡れ。
「すごい濡れてる……」
 下着を脱がせるとき、彼がそんなことを言うので恥ずかしくてタマリマセンでした。
 彼は自分も服を脱ぎ、私のことを指や舌でいっぱい愛撫してくれました。彼はリラックスしているようでした。やっぱり、自分の部屋だからでしょうか。窓の向こうにはすぐ隣の家があるので、私は大きな声を出さないように頑張ってました。
 もう、彼のチンチンが欲しくてたまらなくなったときに、急に彼が
「ゴメン、ちょっと台所」
 なんて言って、止める間もなく出て行ってしまったんです!
 私はすっかりお預け状態。内腿をぐいぐい擦りつけちゃったりして、ヤバイくらい我慢できなくて、身悶えていました。 
「待たせてごめん」
 と、戻ってきた彼にしがみついて、自分から挿れて欲しいっておねだりしちゃいました。
「なかなかエッチだね」
 なんて、面白そうにいう彼が憎らしくて。
 ところが彼、なかなか挿れてくれないんです。なんだか私の身体中を点検するみたいに舐め回して。これはもしかして、私を焦らしまくるっていうイジワルなのかと思ったのですが、なんとなく、妙な違和感がありました。なんていうか、彼なのに彼じゃないような、微妙ですけれども、愛撫の仕方が違うような感じでした。でも、気持ちイイことには変わりないし、私的に盛りあがっちゃってたからあまり気にしませんでした。
 いつものクセで目をつぶってンふぅンふぅと喘いでいたんですが……。
「ええ?」
 バストを両手で揉まれているのに、私のアソコにも指が!
「うそ、ちょっとっ!」
 慌てて目を開けて見てみると、ええ? 彼が……ふたり!
「ちょっと、なんで……」
 彼がふたりがかりで、私を責め立てていたのです。もう、軽いパニック。
「脅かしてゴメン、実はオレ、双子だったんだよ。な、面白いだろ?」
 もう、ビックリでした! なんだかよく分からないまま、私はほとんど同じ顔同じ姿のふたりと、人生初めての3P!
 一人がもう我慢できなくなっていた私のアソコにぐいとチンチンを挿れ、もう一人が私の喉の奥に突っ込んできました。
「ン、ンンンくぅ、ウウウウウ……」
 どっちが彼なのかなんなのか、全然分からないけどもう、最高に気持ち良くって……。めちゃくちゃ燃えてしまいました。
 
 私は某大手メーカーの本社で派遣社員として働いています。先月のことです。会社近くの店での飲み会があり、私も誘われたので、たまには顔を出すかと思い参加したんです。
 飲み会はすごく盛りあがって、二次会、三次会まで続いて、途中で帰るチャンスを逃しちゃって、ついでに終電まで逃してしまいました。飲み会で終電を逃すのはものすごく久しぶりでしたよ。
 ちょうど近くにネットカフェなどがあったんで、そこで始発を待とうかと思っていたら、同じ派遣社員で飲み会に来ていた吾妻さん(仮名)というひとつ年上の女性が
「もしかして智美さん、終電終わっちゃった? 私もなのよ。智美さんどうするつもり?」
 と聞いてきたので、ネットカフェにでも行きますと言うと、
「ここら辺のネカフェ、長期滞在者が多くて、なかなか空きがないのよ。もしよかったらさ、料金割り勘で私とラブホに泊まっちゃわない? ゆっくりシャワーとかも浴びたいし、女同士だからベッドひとつでもいいでしょ」
 と、提案してくれたんです。
 前に女同士で旅行に行ったとき、安くすませるために友達同士でラブホテルに泊まったことがあったんで、私は女同士でラブホテルに入ることに、あまり抵抗はありません。だから、吾妻さんと一緒に一駅だけ歩いて、ラブホテルに部屋を取ることにしたんです。
 部屋は広くて綺麗で、ベッドも大きくて、ぐっすり眠れそうでした。
 テレビを観ている吾妻さんに一声掛けて、私は先にシャワーを使うことにしました。
 酔いはまだ残っていて、鼻歌とか歌っちゃったりしながら身体を洗っていると、吾妻さんも裸で入ってきたんです。
 急にだったんですごいビックリしちゃったんだけど、吾妻さんは
「背中流してあげるね~」
 なんてフレンドリーなんで、まあいいかぁ~と、ありがとうございまーすと、ドンキなんかでも売ってるスケベ椅子(ラブホって、こういうの置いてるよね)に座ったまま、お願いしちゃいました。すると、
「あのね、肌ってね、石鹸つけた手でツボを刺激しながら洗うのが一番いいんだって。テレビで言ってた」
 と、吾妻さんはタオルとかスポンジを使わず、泡立てた手で私の背中を直接洗い始めたんです。少し驚いたけど、吾妻さん、手つきがすごくイイ! 石鹸のヌルヌルがちょうどオイルマッサージされてるみたいでだんだん気持ち良くなっちゃって、肩から背中、腰のマッサージに疲れていたのもあって、私は少しウトウトしちゃいました。 
「私ねぇ、昔、すごい痴漢にあったのよ。まずはこんな風にね、胸を触られちゃったのよ」
 吾妻さんが急にそんなことを言い出したときは、お恥ずかしいことに完全に寝てました。ハッと気付いたら、吾妻さんの手が、なんと私のバストに! 妙に泡立つねっとりとした石鹸(あとで聞いたら、オイルを混ぜていたんだって)に包まれた手が、バストを優しくマッサージ……というか、ほとんど愛撫!
 さらにさらに。
「結構テクニシャンな痴漢でね、こうやって、おしりや股間にも触ってきたのよ!」
 なんて言いながら吾妻さんたら、股間に手を入れられる凹型のスケベ椅子なのをいいことに、後ろから私のアソコに手を伸ばしてきて、ワレメの中に、ゆ、指を入れてきたんです!
「ひゃぁっ!」
 なんて、私はマヌケな声だしちゃったんですけど、吾妻さんの指技すごくて、立ち上がれなかったんですよ! もう、なすがまま。
「でね、その痴漢なんだけど……女の人だったの。つまりレズの痴女ね」
 吾妻さんは淡々と話しながらも、私の胸やアソコを丁寧に愛撫してきました。細くて柔らかな指がリズミカルに動いて、さすが女同士、ツボを押さえてるって感じで、私はヤバイくらい感じちゃいました。
「その痴女さんにね、私、レズの悦びをたっぷり教えられちゃったのよ。でね、私も誰かに教えたくなっちゃって……智美ちゃんって可愛くて結構好みだったからさ~」
 もう、すっかり悦びを教えられちゃってました。アンアン言いながら、私は吾妻さんの指テクだけで身体をビクビクさせながら何度もイッちゃいました。
 グッタリしたままシャワールームから出て、濡れた身体のまんまでベッドにゴロン。
 ふと見ると吾妻さん、いつの間にか手にバイブレーターを持ってて。
「まだまだこれからよ~」
 と……。
 私もすっかりレズの道に引きづり込まれそうで、ちょっとヤバイです(はぁと
 私は、マッサージや美容院が大好きな、二四歳のOLです。マッサージや美容院のいいところは、なんと言っても他人が、私のために時間と手を尽くしてくれるっていうところだと思います。
 私は実家暮らしなので、給料の半分くらいを、そういったものにつぎ込んでいます。
 むしゃくしゃしたときや、仕事のストレスがたまったときなど、美容院でシャンプーだけしてもらったり、フットマッサージに行ったりしています。
 ほとんど、趣味です。
 本当は、エステにもいっぱい通いたいのですが、エステって結構高いので、躊躇してしまいます。安い料金設定のところとか、回数券なしの一回払いのところとかもいろいろ行ったのですが、これだったら美容院でのシャンプーやマッサージに回数多く行った方がいいかな? って感じで、あまり気に入りませんでした。
 それでも、月に一回くらいは、全身エステとかに行くのですが、最近、私が気に入っていたスタッフさんがやめてしまったので、別のお店を探そうと思っていたときでした。
『新規開店。今ならフェイシャルもボディーも1000円』
 と書かれたエステルームのチラシを見つけたのです。
 家からはちょっと離れたところにありましたが、是非行かなくてはと思い、先月、予約をして行ってきたのです。
 そこは、エステシャンが一人と、スタッフ二人でやっている小さなエステルームでした。完全予約制で、エステシャンはTという女性でした。
 Tさんはすっごい美人でスタイルもよく、この人のエステを受けたら自分も美人になれるかもと、本気で思わせてしまうような人でした。
 個室で、Tさんに服を脱ぐように指示された私は、戸惑ってしまいました。いままでは、別室で脱ぐとか、脱いでるときは一人とかで、バスタオルを巻いたり指定されたガウンなどに着替えたりしてエステシャンのところに行くものだと思っていたのですが、Tさんは目の前で、脱ぐようにとおっしゃったのです。
「下着もね」
 と……。
 すごく恥ずかしかったのですが、まあエステで全身コースを頼んだのだし……と、私は全裸になりました。
 Tさんは私の裸をまじまじと見て、
「おなかのお肉をもう少し…減らしていきましょうか。太腿は、太い方がかわいいけど、もうちょっと絞ってもきれいよ。あと背中のラインを少し、美しくしましょうね。あら、陰毛はちょっと濃いはね? とってもセクシーだけど、水着を着たときにはみ出してしまうわよ」
 などといろいろ言ってきました。恥ずかしくてたまらなかったのですが、まあ、エステシャンの言うことだし……と、頷いて聞いていました。
「じゃあ、ベッドに寝てちょうだい。仰向けにね」
 そう言われた私は、アソコを手で隠して、仰向けに寝ました。
「じゃあ、マッサージからしましょうね」
 Tさんが、私の陰部と顔に、温かなタオルを掛けてくれたときはほっとしました。
 Tさんのマッサージは絶妙でした。生温かなオイルを、指で巧みに肌へと擦り込んで
ゆくのですが、もう気持ちが良くて……私は半分、うとうとしてしまいました。
 本気で寝かけた私は、奇妙な快感に戦慄して目覚めまし
た。固くしこった乳首を、Tさんの指がくりくりとこね回すように愛撫していたのです。
「あ、あの……」
 不安になって、私はタオルの下から声を出しました。
「大丈夫よ。このかわいらしいお豆ちゃんを、ピンク色にしてあげてるの」
 Tさんはそう言い、更に私の乳首を弄び続けました。乳首は私の性感帯です。Tさんの絶妙な指使いで、私はもう、変な気分になっていきました。
 タオルで視界が隠れているというのも、その気分を盛り上げていました。なんだかもう、夢の中にいるようでした。
「ああっ!」
 急に、Tさんの手が、私の下半身を覆うタオルの中へと入ってきました。
 長く細い指が、私の秘裂をさすりました。私はびっくりして、内股をぴったりと閉じました。でも、Tさんの巧みなマッサージに耐えきれず、ふと、腿をゆるめてしまいました。
「本当に、かわいらしいわね。私、あなたみたいなお客さん、大好きよ」
 Tさんはタオル越しに、私の耳元でささやきました。
 指は、私の秘裂を割り、奥へと入っていきました。興奮して膨れあがった肉びらを揉みしだき、充血したクリトリスを剥きます。
「うう……ううううう」
 とにかく、気持ちが良くて、気持ちが良くて……。つきあっていた男性に触られたことは何度もありましたし、自分でしたこともありましたが、そんなのは比べものにならないくらいの快感でした。
 穴には触れられていないのに、その周辺だけでこんなに感じてしまうなんて……。
 エステでセクハラを受けているんだという意識は、もうどこかへすっ飛んでいました。
 相手が、同性だと言うこともあったのかもしれません。Tさんはレズなのだろうと、想像はつきました。けれど、それが気持ち悪いとは、思いませんでした。
 それよりもとにかく、秘部を舐るTさんのテクニックがすごくて……よけいな考えがすべてすっ飛んでいってしまいました。
「ああ……ああ」
「感じてるのね? いけない子。本当にかわいいわ。他の人にはこんなことしないのよ、お客さんが、特別なの」
 Tさんの含み笑いが聞こえました。
「イかせて欲しい?」
「ああ、ああ……」
 イかせて欲しい、なんて恥ずかしくて言えませんでした。するとTさんは、
「じゃあ、やめるわね」
 と、すっと指を抜いてしまったのです。
「ああ……」
 アソコが疼いて仕方ありませんでした。切なくてたまりませんでした。
「ああ、ああ……イ、イかせて欲しい……です」
 そう言うとTさんは、
「素直な子、好きよ」
 と、私の愛液の溢れたヴァギナに、指を差し込んできました。
「ああ……アアアッ!」
 その瞬間、私ははしたない声を上げ、絶頂を迎えたのでした。 
 実は私、バイブレーターマニアです。はまったきっかけは、つきあっていた彼とホテルで購入したパールローターと呼ばれる、細長い卵形のバイブでした。
 激しく震動するそれをクリトリスに当てて使うと、もう、腰が抜けてしまうほどに気持ちよくて、私はすっかり、虜になったのでした。
 彼と別れたあとも、私はそのローターを持っていました。そして、ほとんど毎晩のように、それでオナニーしていたのです。
 ところが……それが壊れてしまったのです。
 私は中をこじ開け、直そうと努力しました。ところが、中を開けるときに誤ってプラスチックの外殻を割ってしまい、もう、使用不能となってしまったのでした。
「あーあ……」
 はっきり言って、彼と別れたときよりもショックでした。
 私は悩んだあげく、家から三駅ほど離れたところにアダルトショップがあったのを思い出し、そこに行ってみることにしました。通販だと、住所が知られてしまうのが、怖いと思ったし、届くまで待っているのももどかしいほどに、私はローターでの快感を渇望していたのです。
「最近はアダルトショップも、女の子が入りやすい雰囲気にしてるって言うし」
 と、勝手に想像していったのですが、とんでもありませんでした。
 そこはもう、昔ながらの古い大人のオモチャ屋、といった感じで、店内は暗く、客はほとんどいませんでした。
 私は躊躇いながらも、せっかく来たのだからと、ローターバイブと、それから別のバイブレーターも手に取りました。もう恥ずかしくて、選んでいる余裕はなく、そこらにあったものを適当に取ったという感じでした。
 レジの中年男性は、特に何も言わず、淡々と私にそれを売ってくれました。何か、女のくせにとか、いやらしい目で見られたらどうしようと思っていたのですが、流石に、そういうは女性客が珍しくはなかったのでしょうね。ほっとしました。
 家に帰ってバイブレーターを取り出し、早速使ってみました。
 まずはローターを使い、そのあと、もう一本のバイブを試してみました。
 もう一本のは、民芸品を象ったペニス型のバイブで、震動しながらクビを振るものでした。根元にベロみたいなものが出ていて、その部分はクリトリスに当てて使うようでした。
 それのもう、すごく気持ちのいいこと!
 バイブレーター本体は、私の膣内をぐちゃぐちゃとかき回し、肉壁を夢遠慮にえぐりました。そしてベロの部分は激しく震え、クリトリスをかき乱すのです。
 バイブレーターのダブル攻撃で、私はあっという間に、絶頂に達してしまいました。
 もう、そのあとは毎晩、それを使いました。はっきり言って、これがあれば彼氏なんかとつきあうのはばかばかしいって感じでした。
 そうなると、私は他のバイブも試してみたくなり……いろいろな男を試したいって言うのと同じ気持ちだと思うのですが、その店に通うようになりました。
 バイブレーターには、驚くほどいろいろな種類があります。太さや材質、形が違えば、快感は少しずつ違います。
 私はもう、はまり狂っていました。店へもちょくちょく足を運ぶようになりました。
 時々、他のお客さんも来ていましたけど、私は気にせず買い物をすることにしていました。
 案外、アダルトショップに来る男性客というのは、店内の女性に無関心みたいです。逆に、女性客の方が、他の女性客を気にするようで、私も一度、来ていた女性客にじろじろ見られて少し不快だったことがありました。
 そんなある日、私が買いたいなと思ってはいたけれども高くて悩んでいたバイブを、手に取っていたときのことでした。
「あのさ、それ欲しいの?」
 急に背後から声をかけられ、私はびっくりしてしまいました。声の主は、そこの店主でした。
 四〇代前半といったところで、なんでこんな店をやっているのかと思うくらいきちっとして清潔そうな男性です。
 私が曖昧に頷くと、店主は、
「それ、新製品が出てるんだ。よかったら……モニターしてみない?」
 と言ってきたのです。
 私は興味が出て、詳しく話を聞くことにしました。
 店主は、最近では女性客が増えてきたため、バイブ
レーターに『当店女性モニターおすすめ』のようなPOPをつけたいと考えていたそうなのです。けれども、適当な人材がいないため、よく買い物に来ている私に目をつけたということでした。
「他にも、これは良くないというのがあれば教えて欲しいんだ。私は女性ではないので……実はよく分からないんだよ。おすすめ商品の売り文句とか短い感想文も欲しいんだ」
 ただでもらえるなら、と私はすぐにOKしました。
 それから、私のバイブマニア生活は、もう、大充実になりました。
 高くて手のでなかったバイブレーターの新製品というのは、絶品でした。材質がオールシリコンで(だから高い)柔らかく、膣壁にぴったりと吸い付く感じが絶妙で、もうとろけてしまうほどでした。
 バイブレーターは結構固くて、時々痛かったりするのですが、それが全くないのです。
 使っているうちに肌に馴染んできて、なんだか身体の一部になってしまうような使い心地も最高でした。ごりごりとした違和感がないのです。
 それを店主に伝えに行き、適当なキャッチコピーと、おすすめ理由などを渡すと、店主は大喜びしてくれました。実際、売り上げも伸びたそうで、私は次々と新製品のモニターを頼まれました。
 安いものはただでもらえますが、あまり高いものは、こちらが何割か金額を負担することもあります。でもそういうときは、おまけに電池とかを付けてくれます。
 実は今も、モニターの最中です。
 パンティーの前部分のポケットにロータータイプのバイブレーターが入っている商品で、リモコン式で動くのです。
 スイッチを入れると、もう、とろけるような震動が私を淫らな気分にさせてしまいます。
 丸一日つけて時々スイッチを入れ、だいたいの電池の消費量と、どの程度本体が熱くなってしまうのか(危険なのか)を調べて欲しいということでした。
 なんだか時々、店主に遠隔調教されているような気もするのですが……それもまた、快感だったりします。
 いつか店主の目の前で……とか想像すると、もうびしょびしょに濡れてしまう私なのでした。
 私にはとてもとても愛している人がいます。
 その人も私のことを、愛してくれています。
 私たちは一緒に住んでいて、これからも、ずっとずっと一緒に暮らしてゆこうと決心しています。
 無人の教会にこっそり忍び込んで、十字架の前で永遠の愛を誓いました。
 私たちのことを理解してくれている友人たちには、祝福もされています。
 けれども私とその人は、公に結婚式を挙げることはできません。それどころか、結婚することすらできません。
 愛し合っているから一緒に暮らしてゆくと双方の両親に話したとき、私の父は激怒しました。母は、ただおろおろとしていました。
 相手の両親は、なぜかひたすら泣き、自分たちの育て方が間違っていたと、何度も何度もしゃくり上げていました。
 私たちは女同士、レズビアンなのです。
 私と彼女は、アンダーグラウンドなゲイパーティーで知り合いました。もう、6年くらい前です。
 彼女は私より2つ年下で、初めて会ったときから、その純真な笑顔に心を惹かれたのを覚えています。
 パーティーが終了した後ですぐに声をかけ、バーに連れ出しました。
 彼女は、女性との肉体経験はありませんでした。私のような根っからのレズビアンではなく、ひどい男性経験から男性不信に陥り、レズビアンになったのだと話してくれました。
 私は彼女をその日のうちにホテルへと誘いました。
 優しく口づけをし、そのまま唇を首筋へずらしました。
 ふるえる彼女の細い腰を抱きしめ、手を胸元に持っていったとき、彼女は小さく
「こわいっ!」
 と叫んで、がたがたと震えました。
 私は、それ以上強引に事を進めることはせず、震える彼女を強く抱きしめ、そのまま
何もせずにベッドに横になると、眠りにつきました。
 初めてのパーティー参加だったということで、彼女は疲れていたのでしょう。
 私の腕の中で、しばらく
「ごめんなさい」
 を繰り返していましたが、やがて寝入ってしまいました。
 私の横ですやすやと寝息を立てる彼女を眺めながら、私はこの子を一生守っていこうと、決心したのでした。
 彼女と完全な身体の結びつきを持ったのは、1年くらいつきあってからです。
 ひどい男性経験(レイプまがいの処女喪失をしたようです)から、すっかり固く閉じていた身体を、1年かけてじっくり丹念にほぐしてゆきました。
 内股にキスを続け、優しい言葉をかけ続け、彼女の身体がほぐれてゆくのを、私は待ちました。
 ようやくゆるみ、開きかけた脚の間に舌を差し込み、彼女が自ら脚を開いてくれるまで、それ以上先には進みませんでした。
 初めて彼女が自分から脚を開き、私の愛撫を受け入れてくれたときの感激は、今でも
忘れることができません。
「優しくしてくれて……待ってくれて本当にありがとう」
 彼女にそう言われ、私は、
「だって私は、あなたのこと本当に愛しているから」
 と答えました。すると彼女は小さな声で
「私も」
 と答えてくれました。
 それから彼女が実家を出て、私のマンションに引っ越してくるまで、そう時間はかかりませんでした。
 仕事をしている私の代わりに、彼女は家のことを全部してくれます。一緒に住み始めた頃、彼女はまだ学生でしたので、昼間は学校に行っていましたが、今は、内職のようなことをしています。
 彼女が家にいて私を待っていてくれると思うと、仕事にも張りがでます。
 私と彼女は、普通の夫婦と同じように、心を通わせあっていると信じています。
 いえ……障害の多い分、普通の夫婦以上に密接な関係を保っていると言ってもよいかもしれません。
 マンションの管理人さんや近所の人には、私たちは姉妹だと伝えています。同じ姓を名乗るのに都合がよいからです。でも、近所ではもしかしたら気づいている人もいるかもしれません。
 ここ数年で、彼女の身体はすっかり、私好みになりました。最初のうちは恥ずかしがっていた彼女も、最近では自分から私に、セックスをおねだりしてくるようにもなりました。
 そんなとき私はもううれしくて、いつも以上に張り切ってしまいます。
 私は基本的に、道具は使いません。女の子の、奇跡のような美しい陰部にふさわしいのは、指と舌による愛撫だと信じています。
 蜜壷から甘酸っぱい蜜がしたたり落ちるまで華奢な身体を十分に愛撫し、たっぷりと潤った頃、舌を絡め、指で丹念に愛するのです。
 彼女のその部分はとても柔らかで、指を入れると、まるで固まりかけたゼリーの中に指を差し入れた感じがします。
 襞が優しく伸縮し、私の指に絡みついてくるまで待ち、それから静かに……時に激しく指を出し入れしてあげると、彼女は激しく燃えあがるのです。
 彼女が何度も絶頂を迎え、もう降参と声を上げるまで、私は何時間でも、愛撫を重ねます。
 時々は彼女が、私を愛撫してくれます。
 最初はへたくそでしたが、今ではすっかり私の感じるつぼを心得ているようで、実に的確に、私の性感を探り当ててきます。
 柔らかな舌が私の乳房や肩を這い、細い指が私のクリトリスを優しく剥くように弄ってくるのです。
 最初の頃は、何となく気恥ずかしくて声を出すことはためらっていましたが、今では私も遠慮なく声を上げ、彼女に歓喜を伝えています。
 彼女がイキまくった後、しばらく身体をこすりあわせて休み、次に彼女が私を愛撫し、そしてまた少し休んだ後私が彼女を……といった感じで、丸一日中、愛し合っていることもあります。
 男性とのセックスだと、射精の限界というのがあるのでしょうけど、私たちは女同士ですから、そんなものはありません。体力と気力の続く限り、いつまでも愛し合えるのです。
 私たちは幸せですが、それでも、社会的に認められないという障害は、とても辛いです。日本では、同性同士の結婚は認められていないのですから。
 早く日本でも同性同士の結婚が認められるよう、多くのゲイカップルは活動しています。私たちも、早くその日がくることを、心から願っています。
 私の住んでいるアパートの隣は、某大学の学生寮です。学生寮に接した部分は磨りガラスなっていて、閉め切っていれば見えないのですが、開けると、ちょうど向かい側の部屋が丸見えになってしまいます。
 こっちから見えると言うことは当然向こうからも丸見えです。
 このアパートに引っ越してきてしばらくは、それがいやだな、と思っていたのですが、ある時、窓を開けたら、結構かわいい感じの学生が、こっちを見ていたのを偶然見てしまいました。
 彼はあわてて頭を下げ、部屋の奥に引っ込んでしまいましたが、そのときの反応がおもしろくて、何となく、意地悪してみたくなったのでした。
 最初は、擦りガラス越しでもうっすら見えるような派手な下着を干し、反応を待ちました。
 ガラス戸をほんの少し開けて、相手が気づくかどうか、こっそり覗いていたのです。
 案の定相手は、下着に気づいたようで、窓を拭くふりをしてずっと見ていました。
 なんだか、すごくどきどきしました。
 彼はもしかしたら私が下着をつけているところを想像してオナニーしてるかもしれない、なんて思うと、妙な気分になったのでした。
 それから私は、少しづつ大胆になっていきました。
 暑い夏の日、その窓を全開にして、下着姿で部屋をうろついてみたのです。
 直接窓の方を見なくても窓の向こうを観察できるよう、向こうからは見えないだろう位置に鏡を取り付け、私は彼の反応を見ることにしました。
 そのときのことは、今思い出しても興奮してしまいます。
 彼は、何度も何度もこちらをのぞき見ました。窓を拭いているふりをしたり、洗濯物を干すふりをしたり……。最後は部屋の電気を消して、それでこちらからは見えないと
思ったのでしょうか、堂々と見ていました。
 私はわざとお尻を向けて、ものを拾うふりをして突き出したりして、鏡に映る彼の反応を楽しみました。
 そのうち、彼の様子が変なのに気づきました。窓からそっと顔を出している彼の身体ががくがくと震えているみたいなのです。
 すぐに気づきました。
 彼は私を見ながら、右手でペニスを握りしめ、こすっているのだと。
 もう、たまらない気持ちでした。
 私は、うちわで扇ぎ、熱くてたまらないという風を装いながら、そっとブラジャーをはずしました。
 彼の身体が一瞬止まったのを確認すると、ついでショーツにも手をかけ……。ショーツは脱がず、乳房を思いっきり突き出しながら、窓を閉めてやりました。
 がたっと、大きな音が隣の学生寮から聞こえました。
 私は、じらしてやったと思うとなんだかもう、変に興奮してしまって、見られている自分を思い描きながらオナニーしてしまいました。
 そんな風に、挑発を繰り返し、密かに楽しんでいましたが、その彼のいる学生寮の部屋は、開いてしまいました。
 どうしたのだろうと思っていると、年度初めに、新しい住人が入ってきました。
 どうもそこの部屋は日当たりが悪いため、毎年新入生に割り当てられる部屋のようでした。
 それから私は、毎年新しくその部屋に入居する新入生を前に、挑発行為を繰り返して楽しんでいました。
 年を重ねると私も大胆になっていき、お風呂上がりにバスタオル一枚でうろうろしたり、そのバスタオルを落として一瞬全裸になったりもするようになりました。
 ある年なんかは、その新入生がどうやら友達を誘ったらしく、3つの頭が窓から覗いていたこともありました。
 私は大サービスして、下着を選んでいるふりをして、何種類もの派手な下着をつけたりはずしたりして見せつけてやりました。
 その夜は、その3人に輪姦されている自分を想像し、激しくオナニーしてしまいました。
 はじめは見ているだけだった3人が我慢できなくなり、次々と私に襲いかかってくる様を想像してのオナニーは、すごく燃えました。
 そして去年ですが、私はついに、その部屋の主と関係を持ってしまいました。
 今年の冬までその部屋にいた男の子は、めちゃくちゃ私の好みでした。
 その子はなかなか私の挑発に気づかずに私をいらいらさせていたのですが、気づいてからはもう、食い入るように私を見ていました。
 それだけでなく、自分も全裸になり、勃起を私に見せてくれたりしたのです。
 私は毎晩、彼とのみせあいっこを楽しみました。
 そして等々我慢ができなくなったある日、私は彼の方に面と向かいました。
 鏡ではなく、直接窓の外を見て、彼と目を合わせたのです。彼は少し驚いていました。私がこっちを向くとは思っていなかったようでした。
 私は手を挙げ、軽く手招きしました。
 彼は軽く頷くと、すぐにその部屋を出て行きました。そしてしばらくすると、私の部屋のチャイムが鳴ったのでした。もちろん、その彼です。
 部屋に入るなり彼は、下着姿の私を抱きしめ、
「毎晩、あなたを犯しているところを想像していました」
 と言い、口づけをしてきました。
 それ以上、私達に言葉はいりませんでした。
 窓を全開にしたまま、私達は身体を重ね合いました。
 いつも見ているだけだった裸体を目の前にして、私達は心ゆくまでさわりあいました。
唇や手で、舐め、触れ、そして身体を押しつけあって肌の感触を楽しみました。
「ずっと触れたかった……。気がおかしくなりそうだった
んだよ」
 彼はそう言い、私の乳房をぎゅうぎゅうと握りしめました。
「もしかして、毎年あの部屋の奴があなたの身体を見ていたのかも、と思うとなんだか悔しくて……」
「見ていたのよ、毎年」
「マジで!?」
「そう。でも、見ていただけ。触れたのは、あなたが初めてよ」
「ラッキー!」
 彼は、もう勃起しきってぬらぬらしたペニスで、私を貫いてきました。
「ああ、想像と全然違うよ。ずっと気持ちいい! 気持ちいいよぉ!」
 彼は何度もそう言いながら、私に覆い被さり、犯し続けました。
 
 来た――。
 じっとりと汗ばむ大きな手が、私のスカートの中に滑り込む。
 ストッキングは穿いていない。その手は直に、ゆっくりと私の尻をなで回す。時間をかけてたっぷりと、手の平を波立たせ、時にはむんずと強く掴む。脂肪の厚みをとろかすように、手は丹念に尻たぶを嬲る。
「ん……ふう」
 思わず漏れそうになる声を、私は必死で堪える。窮屈な満員電車の中で必死で広げた文庫本に目を落とし、夢中で読んでいるフリをする。
 一通り尻を弄ぶのに飽きると、手はスカートをたくし上げながら、ゆっくりと前へ回る。そして私のへその下から下着の中へ滑り込み、すでにぐっしょりと濡れている私の股間に指を差し入れる。
「んく……」
 男の指は的確に、私の感じる部分を撫で回す。
 満員電車の中では、誰も私には気をとめていない。文庫本の影から周囲を見るが、周りは皆、それぞれ物思いにふけっていたり、携帯をいじっていたりだ。
 私が若い美女だったら話は別なんだろうが、残念ながら私は、会社ではいい加減若いOLや社員に『うるさいおばさん』とけむたがられ、夫にも放置されている三〇代後半の兼業主婦だ。
 誰も私なんかには注目しない。いつも私を狙っていたずらをしてくるこの、痴漢以外は。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・
 初めてこの満員電車の中で、この痴漢に触れられたときは、恐怖と緊張で声をあげることすら出来なかった。
 若い娘でもないのに、それでもいきなり尻を鷲づかみにされ、いいように嬲られる恐怖はたまったものではない。
 厄介なことに、若い頃であれば恐れ知らずに
『やめてください!』
 と叫べただろうが(実際、叫んだこともあった)、年を重ねてしまった分、私はそういう面で向こう見ずになることが出来なくなっていた。
 何かの間違いかもしれない、事情があるのかもしれない、こんなおばさんに痴漢するわけないよと笑われるかもしれない。それに、これからもずっと通勤で使う電車だ。変に目立って、周囲の人に顔を覚えられたくはない――。
 色々なことが瞬時に脳裏をかすめ、私に出来たのはじっと黙って、降りる駅が来るのを待つことだけだったのだ。
 私が大人しくしていたのを、了解と受け取ったのだろうか。痴漢は翌日も私を狙い、同じように背後から手を伸ばしてきた。
 恐ろしくて振り返ることさえ出来ず、私はただじっと耐えた。次の日も、次の日も……。
 やがて私は、その痴漢の愛撫を、楽しむようになっていた。どうせ弄られるんなら、楽しまなければ損だ。
 夫との仲がうまくいっておらず、会社で気に入って可愛がっていた若い男性社員に
『あのおばさん、俺のこと目をかけてくれるのは嬉しいんだけど、なんて言うか……迫られてるんじゃないかって思うときがあるんだよね。年を考えて欲しいよね。はっきり言って、気持ち悪い』
 と、陰口を叩かれているのを偶然知ってしまったからかもしれない。
 確かに私はその若い男の子を、多少はセクシャルな意味でも好意を持っていた。けれどもそれは、オフィスラブをしようとかそういうのではなく、ちょっとエッチな会話も楽しめたら生活の刺激になっていいのにな、とか、それくらいの気持ちだったのだ。そう。ほんの、その程度だったのに……。
 そんなことで落ち込んでイライラの溜まっていた私にとって痴漢は、私を性的に女性としてみてくれる唯一とも言える男性だった。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・
 満員電車の中では冷房なんてあまり意味がない。時折、人の流れがあった時に冷風が顔に当たり、ああ冷房が入っているんだと思うくらい。
 その日は特に蒸し暑く、ドアの開閉があるたびに、大勢の人と共に熱風が車内に流れ込んでいた。
 車両のほぼど真ん中で必死に脚を踏ん張っている背の低い私には、窓の外が見えない。
 目の前には大柄な男性の、汗で張り付いたTシャツの背中があった。体臭がきつそうだが、すでに車内は訳の分からない匂いが充満していて、もはや気にもならない。
 そしてその日も痴漢は私の尻に手を伸ばしてきた。
「う……」
 汗ばんだ尻たぶを、大きな手が包み込む。手の平は熱く、じっとりとしている。
火照った手で尻を揉みしだかれ、私は周囲にばれないよう、そっとため息を漏らした。
 正直、お尻がこんなにも感じるなんて、痴漢に遭うまでは知らなかった。お尻なんて、脂肪の塊だから性感帯も鈍いと思っていたのだが、そうでもない。
 確かに淡いが、撫で続けられていると、とろけるような甘い快感が全身を包む。
鋭い刺激ではないが、それは確実で、繊細な快楽だ。
 思わず漏れる甘ったるいため息が、痴漢には聞こえているかもしれないと思うと、ますます興奮してしまう。
 痴漢はいつものように、私の尻たぶを直にたっぷりと嬲ると、手を前に回す。 下着の中に指が滑り込み、密林を掻き分け、秘密の割れ目をなぞる。
「ん……くぅ」
 指は凝り固まった淫豆を嬲りながら、器用にねとつく肉びらを開いて、粘膜へと到達する。
 いやらしく蠢きながら秘所を掻き乱し、私を狂わす。
「ん、んん……ふぅ」
 脚が震え、立っているのがやっとだ。前に立つ男性の汗だくの背中にそっと額をつけ、なんとか姿勢を保とうと努力した。文庫本は何度も同じページをめくっている。
 そっと目を閉じた。
 脳裏で痴漢の姿は、私が目をかけていた若い男性社員の姿に変わっていた。
 とても素直でいい子で、なかなか見所がある美青年だと思っていたのに。私を慕ってくれていると……会社の先輩以上の感情を持ってくれていると思っていたのに。
 私のことを影ではあんな風に言っていたなんて、ショックだった。
 実際に行動に起こすわけではないのだから、妄想するのは私の勝手だ。私はその若い社員に愛されている自分を思い浮かべながら、痴漢の指技に身を任せていた。気持ちいい……もう、もうすぐイキそうだ――。
 その時だった。
「ひっ!」
 思わず声をあげてしまい、慌てて周囲を確認したが、けだるい空気の漂う車内で、私に目をやる人はいないようだった。
 痴漢が片手を……私のシャツの中に滑り込ませてきたのだ。
「く……」
 湿った手がブラジャーをずらし、乳房を強く掴む。乳首を指で摘み、こね回す。
 私は背後から痴漢に抱きかかえられる形になっていた。痴漢は廻した腕の片方を乳房に、片方を脚の間に廻していた。背中に、痴漢の熱い存在を感じる。腰のあたりに、固い塊が押しつけられた。痴漢の勃起だ。
 耳朶に、荒い息づかいが響く。
 いきなりそんなことをされたら、ダメ、イキそう――。
「イキたければ、次の駅で降りるんだ」
 低い囁き声に、全身が粟立った。
「降りたら改札を出て左だ。階段を下りると大きな電気屋がある。その向かいがホテル街だ。建物全体がピンク色をしたホテルがあるから、その入り口で待っていろ」
 冷たいものが、背筋を流れた。
 私の身体からすっと手が離れ、痴漢の存在が背後から消えた。
 待って、待ってよ。私まだイッていない。寸前まで煮えたぎった身体は、もうどうしようもないくらい快感を欲していた。やがて、アナウンスが流れ、駅に着いた。
 扉が開いた。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・
「絶対来ると思ってましたよ。奥さん……かな? いつだっておまんこひくひくさせて感じまくっていましたものね」
 部屋に入るなり痴漢男は、私をベッドに押し倒した。目が血走っている。
 男は、私が妄想していた男性社員のような若く好みのタイプではなく、おそらく私と同じくらいか年上の……痴漢なんてしそうもない大人しい感じの男だった。
 ホテルの前でその男を見たとき、私は期待と不安に胸を膨らませて来てしまったことを後悔し、きびすを返そうかと考えた。
 だが、身体の火照りは収まりそうになく、何より、ほんの少し大胆に冒険を楽しみたい気持ちにおされ、共に部屋へと足を踏み入れたのだ。
 男はかなり興奮状態にあるようだった。お互い室内の冷気で急激に冷えた汗が気持ち悪いはずだったが、男は私にシャワーを浴びろとも言わず、ベッドで乱暴に自分の服を脱ぎ捨て、私の服を脱がした。
「あ……」
 平凡そうな男の裸体を見て、私は思わず声をあげた。
 適度に均整の取れた、美しいとも思える体つきに、勃起した男根のなんて立派なこと!
「たまに奥さんみたいな綺麗な女性がひっかかってくれますからね。痴漢はやめられません」
 身体に見とれている私の視線に気付いたのか、男はそれを見せつけるように仁王立ちになると、そう言う。
 私は、綺麗、なんていう久しく聞いていない言葉を言われ、身体を緊張させた。
だらしなく膨らんだ腹筋に力を入れ、少しでもマシに見えるよう、胸も張る。
 心地よい緊張感。こんな緊張感はすっかり忘れていたのに。
「綺麗ですよ、奥さん」
「ああっ!」
 男はいきなりベッドに横たわった私の内腿を広げ、いやらしく濡れそぼった脚の間をまじまじと眺めた。
「ここが、いつもヒクヒクしていたおまんこですね?」
「いやだ、恥ずかしい」
「さわり心地は抜群でしたよ。柔らかくて湿り気があって……熟した女性のおまんこでした。いつも……いつだって味を想像していました」
「……っ! アアアッ!」
 男の舌先が秘裂を割り、淫豆を剥く。乳首を転がすように優しく包み、丁寧にしゃぶる。
「ああ、あああ」
「控えめですね。ここではもっと大きな声を出しても大丈夫ですよ? 電車の中ではないのですから」
「ああ……ひ、ひぃぃ!」
「そうです。もっと卑猥な声を聞かせてください。ずっと聞きたかったんですよ。殺したようなため息ではなく、いやらしく喘ぎまくるあなたの声が」
 男の舌先がやがて、奥のすぼみへと滑り込む。ひくつく孔を丹念に舐め、粘膜を吸いあげる。
「アア、アアアアッ!」
 突き抜けるような快感だった。私はシーツをたぐり寄せ、身をくねらせた。こんなにも丁寧で気持ちのいいクンニ、初めてだ。 
 男はじゅるじゅると淫音を立てながら私の陰部を舌で舐り、手を尻たぶへとまわし、揉みしだく。
 それだけでイッてしまいそうな激しい快感の中で私は、ひたすらに声を張りあげ続けていた。
「気持ちいい、すごく気持ちいい!」
 私の声に、男はますます激しく愛撫を重ねる。
 胎内が熱い。火の玉を挿れられたようだ。全身を貫く強い刺激の中で、私は絶頂を迎えていた。
「アア、もう、もうダメ、ダメェェ!」
 ぴくんぴくんと軽い痙攣で私のあそこが男の舌を締めつけているのが感じ取れた。全身の血が逆流したような快感だ。
「ああ。あああ……」
 クライマックスを迎えてもなお、私の火照りは収まらなかった。
「いれて、いれて……」
 淫乱な女のように、私は男の巨根に手の伸ばそうとした。だが、まるで腕に力が入らない。性感帯を除くすべての身体機能が停止してしまったかのような錯覚に陥る。
「いいですよ、奥さん。だけど、仕事じゃなかったのですか?」
「あ……仕事ね」
 そんなこと、忘れていた。若い男性社員のことが脳裏に浮かんで、消えた。
「いい。休むわ」
「そうですか。俺もです」
 男は乳房に軽く唇を寄せると、正常位の格好で、私の脚の間に腰を据えた。
「ああ……」
 熱い切っ先が肉びらをめくりあげ、ぐいぐいと肉壁を開いてゆく。
「ああ……ア、ひっっ、アア、アアアアア、あくぅぅ……アアアッッ!!」
 貫く肉棒のなんという圧迫感。これ以上ないと思う程に感じた先ほどの快楽の、更に上をゆく悦楽が私を支配する。
「ああ、あああっ!」
「いい、いい、最高だ……」
 私の上で腰を振る男の、愉悦の表情。 私が無断欠勤したことを、あの若い男性社員は、少しは心配してくれるのかしら――?
「アアアッ、すごい、すごいィィッ!」
 そっと目を閉じ、頭の中であの若い子に犯されている自分を妄想しながら、私は絶頂のただ中に達していった。  
『まあそう言うことだから、今年は芹沢さんにお願いします』
 部長に呼ばれ、契約しているホテルで催される新入社員の研修旅行に付き添うことが決まったのは、研修の一週間前だ。本当は、同期の美佐子が行くはずだったのだ。
 ところが美佐子の妊娠が発覚し、流産のおそれありとかで急に退社をしたのだ。来月には籍を入れると聞いていた。だからかわりに、私が行くことになったのだった。
 美佐子は毎年、新入社員の研修旅行付き添いを申し出ていて、なんだかんだ言いながらも楽しみにしていた。私から見ると、あんなだるいだけのイベント、なにがおもしろいんだろうかと疑問だったが、美佐子は毎年、洋服まで新調して出かけていた。
 美佐子は私と同じ三十三歳で、同じように独身。周りからはいい加減、お局様扱いされていた仲間だった。
 その美佐子が妊娠し、結婚を決めたために寿退社したのだって素直に喜べない気持ちが心のどこかにあった上、新入社員の付き添いまでする羽目になって、私はしばらく落ち込んでいた。愚痴をこぼす恋人さえ、私にはいない。
 どうして美佐子はこんな怠い仕事を楽しみにしていたのだろうとの疑問が解決したのは、研修旅行二日目の夜だった。

「だからきっと我が社の該当部署に必要なのは、僕のようなビジョンを持った技術職だと思うんです」
「自分はですね、子供の頃からこの会社の電化製品に囲まれて育っていましてね。自分もいつか、こういう製品の開発陣に加わりたいと……」
「私は大学の時、夏休みを利用して語学留学していました。海外事業部に興味があります。女性は少ないそうですが、これからの時代、女性の感性こそ必要だと思うんです」
 研修旅行一日目から、私は妙な違和感を感じてならなかった。
 私が新入社員だったことの研修旅行なんて、自由時間は同期の友人と仲良くなるのに夢中だったり、合コン乗りで異性社員の探り合いをしたりしたものだった。
 研修が終わると配属部署が決まるため、戦々恐々としてはいたけど、こんな風に、現社員である私みたいなお局OLに、自分の希望部署を売り込むようなことはなかった。
 第一、私は単なる付き添いで、権限はない。
 それなのになぜか彼らは一様に、私の元へ群がり、将来を語る。
「私じゃなくて、人事に言ってよ!」
 そう言いたい思いをぐっと堪える。見てみると、私以外の付き添い社員にそんな話をしている新入社員の姿は見あたらなかった。どうして私にばっかり、彼らはこんな話をするのだろうかと不思議だった。
 更に注意してみていると、どうやら新入社員たちはかなり、私に気を遣っている。私に気に入られようとしたり、色目を使ってくる男性までいたのだから、開いた口がふさがらない。一体、どうしてこうなっているのかが分からず、私は戸惑うばかり。
 かなり悩んだが二日目の夜、私は前任者である美佐子に電話をかけた。
『あはは。あのね、毎年そうなの。新入社員の間にね、変な噂話が流れるみたいなのよ』
 美佐子は、幸せそうな声で言った。お腹の中の小さな命は、順調に育っているらしい。
「噂ってなに?」
『あのね、総務から付き添いで来るお局OLが実はスパイで、新入社員の行動をすべてチェックしてるって噂。そのお局OLが人事権を握っていて、その査定によって新人の配属部署が決まるとかなんとか。そんな感じだったかな?』
 美佐子の声は、屈託がなかった。
「なにそれ! そんなことあるわけないじゃない!」
『知らないわよ。噂だもの。たぶん、四年くらい前からよ。知らなかった?』
「聞いたこともないわよ、そんな話」
『ま、いいじゃない。おかげで居心地いいでしょ? 楽しんでいらっしゃいよ』
 唖然とするほかなかった。そうか。私に取り入ろうとしている新入社員が多いのは、その噂を真に受けたものたちだったのかと、合点がいった。そして、ちやほやされるのが好きな美佐子が研修旅行に積極的に付き添っていた理由も分かったのだった。
 けれども、それで私はどうすればいいのか。その点だけがどうしても、解決できなかった。
 ****************
 それは、三日目の夜だった。
 ホテルで出されたお酒がおいしくて、つい飲み過ぎてしまった私は、少し風に当たりたくて、ベランダへ出た。
 ベランダに出ると、他の部屋の話し声が漏れ聞こえてくる。付き添いの女子社員は私ひとりだったので、私は個室を与えられていたが、新入社員や他の平付き添いは皆、相部屋だ。個室は気楽だけど、話し相手がいないというのは少し寂しいな、なんて思いながらふと見ると、少し離れたベランダで、じっとこちらを見ている人影を見つけた。
「あら」
 今年の男性新入社員の中でも一番のイケメン、坂上君だった。若い頃の反町に似ていると同僚は話していたが、もしかすると、それよりもいい男かもしれない。
 坂上君も噂を真に受けているのか、私に希望配属場所を話していたが、それは、他の新人たちのように熱く語るのではなく、さらりと流す程度で押しつけがましくなく、好感が持てた。彼が希望の配属部署に行けるといいなと、思わせるような、さりげないけれどもしっかりとしたアピールだった。
 第一、噂では社内のOLたちの方が、彼の配属場所を気にしている。
 坂上君は、くいと顎を捻り、部屋の奥を指さした。声は聞こえなかったが、口元が『ロウカ』と言っているようだった。
 スマートな様子に私はつい頷く。廊下に出ると、三つ離れた部屋から、背の高い坂上君が灰色のスウェット姿でこちらに歩いてきた。
 いい男っていうのは、なにを着ても本当にいい男だ。今は若いこともあって少し美少年を引きずっているところもあるが、あと五年も年を重ねると、たぶん深みも出て、色気のある美青年ぽくなるのではないかと思える。
「入っていいですか?」
 さわやかな笑顔で言われ、私はうっかり、どうぞ、と答えた。
 彼より先にあわてて自分の部屋へ戻り、脱ぎ散らかした服や出しっぱなしの雑誌をまとめて、鞄に押し込んだ。ここがホテルの部屋で良かった。自分のアパートの部屋だったら、もっと沢山、押し込まなければならないものがあるわりに、押し込むスペースすらない。
 ひとつしかない椅子に彼を座らせ、私はベッドに腰掛けた。すると彼は、
「隣、いいですか。この椅子、固くて」
 と、なぜか冷蔵庫から勝手に缶ビールを二本出し、私の隣に腰を下ろし、綺麗な顔で、私に向かってプルタブを開けた缶ビールを差し出して微笑んでいる。
 はたと気づく。これは非常にまずい状況だ。よく分からないが、非常にまずい。
 狭いホテルの部屋に、男女ふたりきり。しかもとびきりの美男子に、いい加減あそこに蜘蛛の巣が張るんじゃないかという三十過ぎの私だ。
 頭が混乱する。何となく坂上君のペースで部屋に入れ、ちゃっかり出されたビールに口を付けてはいるが、とても困った状況だ。
「ゆっくりお話ししたかったのですが、芹沢さんおモテになるからなかなか叶わなくて……」
 綺麗な顔を近づけられると、年甲斐もなくドキドキしてしまう。やばい、なんか変なところがむずむずする。この状況は非常にまずい。もしも男女が逆だったら、私はとっくに犯罪者だ。
「あの……。みんなね、勘違いしているんですよ」
 私みたいにモテるのに慣れていない女は、こういう状況ですぐに種明かしをしてしまうものだ。自分に自信があるのだったら、微笑んで黙っていただろうけど。もしもこの美男子君が噂が嘘だったってことにいつか気づき、噂を信じて自分はお局とふたりきりで飲んだのに、なーんてどっかで暴露したら、私は社内のOLたちから、総スカンを食らってしまいかねない。
「勘違いってなんですか?」
「あー。あのね、噂があるのよね? 私が人事権に口を出せるとかなんとか。あれね、嘘だから。あれを信じた子たちがね、一生懸命私に希望部署をアピールしてるんだと思うの」
 冷や汗が出た。
「嘘……?」
「そうよ! 全く、どこのバカがあんなしょうもない噂流したのかしら!」
 自分でそう言いながら、噂を流したのはまさか美佐子じゃないでしょうね? と、少し思った。 
 恐る恐る、坂上君の表情を盗み見た。まっすぐ見つめる勇気はなかったから。彼は少し考えているようだった。きっと、噂が事実無根だと分かった今、なんて言ってこの部屋を出ようか考えているんだろう。
 ところが坂上君は、
「あはは。そんな噂があるんですか、知りませんでした。ま、いずれにせよ、隠れて人事権を持ってる人間が、自分がそうですよ、なんておいそれとは明かさないですよね」
 なんて、なんだか『すべてお見通しですよ』みたいなさわやかな笑顔だ。
 ダメだ。全然通じちゃいない――。
「僕、芹沢さんみたいな女性が、タイプなんです」
 坂上君の腕が、私の背中に周り、私はそのままベッドへ押し倒された。こんな美青年に押し倒されるなんて、人生始まって以来だ。
 綺麗な顔が近づき、私の唇を覆う。
 もう、なんだかどうでもいいや! そんな気分になる。私は、噂なんて事実無根だってちゃんと言ったんだからね!
「ううう……」
 坂上君は、顔やスタイルもいいけど、セックステクも抜群だ。私は坂上君のキスだけでなんだか身体が緩んでもう欲しくて欲しくてたまらなくなってしまった。
 坂上君はスマートに、愛撫しながら私の服を脱がしてゆく。そして自分も生まれたままの姿になる。
「ああっ!」
 乳房を吸われ、思わず声をあげると、坂上君が私の唇に指を立て、軽くウィンクした。ああそうだ。ここは壁の薄いホテルの部屋だ。けれども、こんなにメチャクチャ気持ちの良い愛撫を重ねられて、声を殺すのは辛すぎる。
 私は適当にシーツを噛み、必死に声を押し殺した。けれども、どうしてもため息が漏れてしまう。坂上君はサービス精神旺盛に、これでもかとばかり私に奉仕してくるのだ。
 私の内股にキスを浴びせかけ、思わず脚が緩んだところで、その中心に唇を寄せる。
「あう、あうううう……っ」
 生温かな坂上君の舌が、私の秘裂を割り、肉をはむ。まるでキスするように私の淫肉を唇で挟み、丁寧に舌を這わす。
「ん、んくぅぅ」
 声を殺している分、快感が内に篭もり大きくなるような気がした。
 やがて坂上君の舌先は濡れそぼる中央のくぼみを捉え、優しく、そしてリズミカルに突きはじめた。
「あっ、はぁはぁ……ん、んんっっ!」
 もう限界だ。私のそこはあり得ないくらいに火照り、蜜を垂れ流していた。欲しくて欲しくて、仕方がなかった。
「ん、ねぇ……」
 私がうわずった声でつぶやくと、坂上君はゆっくりと顔をあげて微笑んだ。ああ、いい男は、唇の周りに愛液付けてても、いい男だ……。
 私がなにも言わなくても、察したのだろう。坂上君は体勢を変え、私の上に被さった。
「ああ……」
 坂上君のペニスは、大きかった。巨根、と言うほどではないが、見目がよい。綺麗なペニスだった。
 それが、私の脚の中央に添えられ、一気に中へと入ってきた。
「あう、あううううっ」
 必死に口を押さえたが、突き抜ける快感にあらがえず、思わず高い声をあげた。坂上君はすかさず、私の唇を、自分の唇で覆う。
「ん、んんん」
 殺した声のかわりに、子宮から止めどなく欲望の液が溢れる。肉棒が粘液を絡めながら、淫音を立てて私の秘壁を擦りあげてゆく。快感に腰が浮く。手足の先まで痺れる。このままの時間が永遠に続くなら、私はどんなに幸せだろう――。
「う……くっ」
 快楽の波がやがて激しく強く、私を砕いた。
「もお、だめ、だめ! イクっ! すごい、イッちゃうぅっっっ!」
 身体が宙に浮くような感覚で絶頂を迎えたとほぼ同時に、坂上君も小さく呻き、放出したようだった。
「はぁはぁはぁ……」
 私の身体に、汗のにじんだ坂上君の肌が押しつけられた。とくとくと脈打つ心音が直に伝わる。
「こんなに、サービスして貰ったの、初めてだわ」
 思わず口からこぼれた。坂上君は汗ばんだ髪を頬からぬぐってそっと微笑み、私の頬に唇を押しつけた。
 そして耳朶に甘く囁いた。
「僕、営業に廻されそうなんですが、希望は開発職なんです」
 私は聞こえないふりをした。 
近くに大学の新校舎が出来、学生達が街に溢れだしたのをきっかけにして、私と夫は古い一軒家を、二階建てのアパートに改装した。
 もともと、そろそろ改装を考えなければならない、夫の祖父の代から受け継いだ一軒家だったし、丁度よかったのだ。
 私たちは子どももいないし、それほど広い家は必要なく、マンションに移ってもいいかしらねなんて言い合っていたくらいだったから、家賃収入も見込めるアパート経営はベストな選択だと思えた。
 二階建ての一階部分が、管理人でもある私たち夫婦の移住スペースで、二階部分に1DKの部屋を四つ作った。
 部屋を汚くされるのはイヤだったので、最初は女子学生のみで募集していたのだが、女子学生は、うちのようなユニットバスタイプの部屋は基本的に避けるようで、結局、男子学生ばかり四人になってしまったのは、誤算だった。
 女の子でも連れ込まれたら厄介だな、と思っていたが、四人は皆、新校舎に移転してきた同じ学部の学生ということもあり、皆顔見知りのようで、お互い同士が変に監視しあっているのか、その心配は必要なかった。
 そのかわり、時々四人がひとつの部屋に集まって酒盛りをするときがあるようで、それが、私たち夫婦を悩ませていた。
 彼らが酒盛りに集まる部屋は、丁度私たち夫婦の寝室の真上に当たり、一晩中、うるさくてたまらない。
 それに、元々古い住宅街で、うちがアパートに改装したのをよく思っていなかった昔からの住人なんかは、それ見たことかとばかりに、嬉々として騒音に対する苦情を言いに来たりするのだ。
 たいてい、夫が注意をしに行けば、学生達は静かになっていたので、まあ、大きな問題ではなかったといえば、そうかもしれない。
 月日が進むにつれ、学生達もだんだん限度が分かってきたようで、たまにわぁっと大きな声をあげるときもあったが、だいたいは常識の範囲だろうと思われる程度の盛り上がりに変わっていた。
 夫婦の営みを持とうというその瞬間、階上で下品な学生達の笑い声が響く時はうんざりしてしまうのだが……。

 連休初日のその日。
 夫は休みを返上して急な仕事に出なければならなくなった。
「悪いな、せっかくの連休なのに」
「そのかわり平日に休みが取れるんでしょう? その方がお得じゃないの」
 玄関先の駐車場でそんな会話をしていたときだ。
 部屋を使っている学生のひとりが、丁度出かけるところだったのだろう、私たちの横を通りかかり、軽く頭を下げた。
「お休みなのにお仕事なんですか?」
「急な出張だよ。君たち、連休なのに実家には顔を出さないの?」
「3号室の田島は帰るみたいだけど、俺や他の奴等はバイトとかあるし」
 夫と沢口の会話をぼんやり聞きながら私は、夫がいない間、何かトラブルがあったら私が対応しなければならないのかと、少しだけ不安に駆られた。

 ピピピ、ピピピピ……。
 その日の夜だった。寝ていた私の枕元で電話がけたたましい電子音を響かせた。
 時計を見ると、夜中の一時。出張している夫に何かあったのだろうかと慌てて電話を取ると、近所に住む、初老の男性からだった。
「はい……横山ですが」
『お宅の学生がうるさいんだよ。部屋を出たり入ったりでさっきから階段を昇ったり下りたり……。カンカンうるさくてかなわない。注意してきてくれ』
「ええ?」
 おそらく、学生達が飲んでいる途中でコンビニに買い出しにでも出たのだろう。
「でも、今はもう部屋に入っているのではないですか? まだ出入りが続いている様子はないですけど……」
『またうるさくするかもしれないじゃないか! そうならないよう、事前に注意してくれ』
 こんな真夜中に非常識だしうざったいなぁと思いながらも、私は電話を置き、綿の白い前開きネグリジェの上に紺色のカーディガンを引っかけた。
 電話の男性はアパートの裏手にひとりで住んでいて、うちがアパートになったのを快く思っていない近隣住民のひとりだった。ただでさえ大学の新校舎が出来たことで学生が街にあふれ治安や景観が損なわれたというのに、そのうえ近所にこれ以上知らない奴がうろうろするのは不愉快極まりないとかなんとか……。
 どうも監視しているようで、学生達に注意をしに行かないと、あとで、どうして注意しに行かなかったのだと激しく責めに来るから厄介だ。
「ああもう、面倒くさい!」
 気持ち良く寝ていたところを起こされ、私はかなり不愉快になっていたし、投げやりな気分だった。
 寝ぼけた顔に口紅を塗りつけ、とにかく様子だけ見に行こうと部屋を出た。
 こんな時に夫がいないなんて、最悪だ。

「なんですか、こんな夜中に? ……そんな恰好で」
「え? あ、ああ、あの……」
 まだ目が覚めきっていなかったのと老人への怒りもあって、適当な恰好で出てきてしまったことを、後悔した。
 出てきた学生は酔っているのだろう。顔を赤くして目を血走らせ、ニヤニヤしながら私を見ていた。
 視線に気づき、羽織ったカーディガンを前でしっかり合わせる。しまった。わたしはノーブラにネグリジェというひどい恰好だ。
 レースフリフリのネグリジェではなく、前ボタンのカジュアルタイプであったことがまだ救いか。
「あの、近所からクレームがあって。階段は静かに、昇り下りしていただきたいと思って……」
「えー、そんなことでわざわざ? こんな夜中にぃ?」
 部屋の中から声がした。
 女だからって舐められてる――。そんな気がした。
「と、とにかく! お願いします。夜は静かにしてください!」
 私が一生懸命言っているのに、部屋の中からは何かぼそぼそいう声と、妙に高い笑い声、まじかよー、なんていう茶化した声が響いた。
「そういうことかー。じゃ、横山の奥さん、入って入って」
「はぁ?」
「まあまあ」
 腕を引かれ、私は室内に入れられた。むっとするようなアルコールとタバコの匂いにむせ返りそうだった。
 私は所在なく室内を見回す。かなり散らかっているし、ごみも溜めているようだ。壁のヤニに気が遠くなる。綺麗な真っ白の壁だったのに。
「靴脱いで、上がってくださいよ」
「ビール、ちょっと温くなってるけど、どうぞ」    
「ええ? いえ、私はいりません」
「どうぞ、どうぞ」
 靴を脱いではいるよう促され、私は不審に思いながら部屋へ足を踏み入れた。
「やだ……っ」
 狭い部屋につまみやらビールの空き缶やらが転がっていて、設置された大きな液晶テレビの中では、モザイクのかけられた若い女性が、アンアンと淫乱な声を上げていた。いわゆるエロDVDだ。
 再生されているほかにも、何本かのDVDが床に転がっていた。学生達は皆顔を赤くし、酒で焼けた声を出している。相当、アルコールが回っているのだろう。
 三人の妙に血走った目が、ネグリジェにカーディガンという恰好の私を凝視している。
「と、とにかく注意はしましたから。帰りますね!」
 私は慌ててきびすを返す。このシチュエーションはまずい。大変に、まずい。
「まあまあ、奥さん」
 学生の手が、私の腕を掴んで離さない。
「旦那さん、出張でいないんですってね。そんな恰好で現れたらそれはもう、僕らだって子どもじゃないんだし、目的は分かりますって!」
「な……、それ、誤解ですから!」
「パンツ、ちょっとだけ透けて見えてますよー」
「えええ?」
 いやだどうしよう! 私が動揺していると、ぐいと腕を引かれた。
「きゃあっ」
 押し倒された私の身体に、ひとりがのしかかりカーディガンの前を開ける。
「やめてくださいっ!」
「ブラジャーも着けてないのか。透けた乳首がエッチだなぁ」
「け、警察呼びますよ!」
「呼べばぁ? 近所の人たち、大喜びだと思いますよ? アパートのこと、よく思ってないんでしょう?」
 やられた――。この学生達、酔っているのにそんなことには頭が回るのか。
 三人の学生達の手が私の身体をまさぐる。薄手のネグリジェ越しに私の乳房を、腹を、腰を、複数の熱く大きな手が這う。
「ああ、あああ……」
「結構胸デカイ」
「腹にはちょっと肉付いてるぞ?」

 やがて誰かがネグリジェの前ボタンに手をかけた。そしてひとつひとつ外してゆく。
 露わになった肌の部分には、すぐに手が群がる。
「ちょ。このパンティー、ドピンク! レースフリフリで結構萌える!」
「色、白いなぁ」
「アア……っ!」
 乳首を弄くられ、内腿を嬲られ、下着にも手をかけられた。
 あえぎ声が自分のものなのか、それとも液晶画面に映し出される女優のものなのか。次第に分からなくなっていった。

 疑問に思う。男性というのは羞恥がないのだろか。
 よく、集団レイプの事件を新聞や雑誌などで見るたびに思う。女だったら、同棲の前でセックスするなんて恥ずかしく、なかなか敷居が高いと思うのだが、男性はそれが平気なのだろうか?
 
 学生達は狭い部屋で机やら床に散乱した雑誌やらを脇に寄せ、裸になっていた。全員酒が入っているせいもあるのだろうか、室内は彼らの体温でかなり熱くなっているように感じた。
「俺から行きまーす」
「なんでお前なんだよ」
「知らないの? だって俺、このアパートの契約者第一号だぜ?」
「二日差じゃないか!」
「二日の差は大きいんだよ。ね、管理人さん!」
 私にどう答えろというのあろう。
 今更逃げる気などなかったが、私の両腕は学生のひとりによって頭の上でねじられ、カーペットに押しつけられていた。
 私は仰向けのだらしない恰好で、下着を剥がれていたのだ。乳房や腹も大きな手で弄ばれ、不本意ながらも性感帯をいじられまくり、私は興奮していた。
「とにかく、俺ね」
 俺が一番だという小柄な学生が、ビンビンに勃起したペニスをわざとらしく振りながら、私に跨る。大きい――。多分三人の中で一番、ナニが巨大だ。
「あ、ね、ねえ、ま、待って……」
 抵抗の声をあげてみるが、彼らには聞こえていないようだ。巨根の学生は私の脚をひょいと掴むと、左右に割り、秘肉の中心に肉棒を突き立てた。
「アア! ああああっっ!」
 ものすごい圧迫感。
「濡れ濡れじゃん。うおお、中はしっとり。大人の魅力ってやつ?」
「いいから、はやくヤって変われよ」
 その言葉に促されるように、挿入されたばかりの巨根が乱暴とも思えるくらいに激しく強く、私の中を出入りし始めた。
「アア、アア、ひぃっっ!」
 膣の奥までガンガン響くものすごい刺激。大きな塊に不慣れな膣壁を絡ませたまま、巨根は大きなストロークで私を狂わせた。
「く、くぅぅ、んんん。ンあ、アアア」
 若い男の子のセックスって、こんなにも激しくて情熱的だったろうか。すごい快楽。激しい快感が私を貫き、全身を粟立たせた。
「ンンあぁぁ、アアアア……っ!」
「悪い、俺もうガマンできないわ」
 私の手を押さえていた学生が、私の肩を掴むとおもむろに上半身を起こすと前に立ち、いきり勃った熱いペニスを私の口内にねじ込んだ。
「ンン、ンむぅぅぅァァァ」
「ちょっと、俺の目の前にお前の汚い尻が! 萎えそう……」
「うるせえな、それくらい我慢しろ」
 アソコを激しく嬲られながら、口にもペニスを押し込まれ、おかしくなりそうだった。更にもうひとりが
「俺、オッパイフェチなんだよね」
 と言いながら、私の起こした上半身に背後から周り込み、乳房をわさわさと揉みしだく。
「んんん、あああ、あぅぅくふぅぅぅ」
 全身を三人がかりで犯され、私は何度もびくんびくんと身体を振るわせながら、イキまくっていた。
 三人は時々交代しあい、飽くことなく私を犯す。部屋にアルコールとタバコの匂い、それに体液の生臭い匂いが充満していく。
 薄れていく意識の中で私は、ああ、ひとりが里帰りしていてよかったと、そんなことを考えていた。
 だって、口もアソコも犯されて、乳房を弄られて三人。あとひとりいたら、あとはもう一カ所しかないでしょ。
 アナルまで犯されちゃってたら、私は完全に狂っていたかもしれないものね!
 マンションを購入することを決めたのは、夫だった。私は、子どもが出来るまでは賃貸でいいんじゃないの? と、そう思っていた。
 だから私はマンション選びにもそれほど関心がなかった。夫はそれはもう熱心で、私は毎週、マンション内覧に付き合わされ、正直うんざりしていたくらいだ。
 けれども、Rマンションの部屋を見たとき、私と夫の熱の入れ具合は完全に逆転した。
 Rマンションのその部屋は、完全に私の理想だった。窓から見える景色、間取り、部屋の感じ、周囲の環境。すべてが私の好みだったのだ。
 Rマンションの購入を決めたとたん、何となく熱の冷めてしまった夫とは逆に、私は新生活を夢見て、家具やカーテン選びに、毎週のように夫を引き回すようになっていた。
 完璧に、私の理想をかなえたかった。そのためには、多少の出費は仕方ない。
 そして、待ちに待った引っ越し当日に、それは起こったのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ごめん。急な仕事のトラブルだ。携帯に連絡が入った」
 この日のために休みを取っていた夫がそう言ったのは、引っ越し業者が来る予定時間の直前だった。
「電話するよ。だけど、業者が殆どやってくれるんだから、おまえひとりでも大丈夫だよな?」
 できたら、夫には一緒にいて欲しかった。力仕事を期待していた訳じゃないけど、やっぱり折角の新しい門出なのだから、夫婦一緒にいたいじゃない。
 けれど仕方ない。
 私は夫を見送り、業者の到着を待った。殆どの家具はショップから直接マンションに運んであったが、細々したものや、お気に入りのインテリア、夫の電化製品やパソコンなんか、運ばなければならないものはたくさんあるから、ちゃっちゃと終わらせたかった。ところがだ。
 約束の時間になっても、業者のトラックは現れなかった。道が混んでいるのだろうと好意的に解釈しだが、それにしても遅い。
 一度、業者の営業所に電話を入れたが、
「もうこちらを出ましたよ」
 とだけ返された。
 困って夫に電話をしたら、すぐに再度営業所にかけてくれると言い、数分後、今向かっていますという慌てたような男性の声で電話があった。
 なによ。私の電話はまともに取り合わず、夫の電話にはすぐに対応すると言うことなのだろうか?
 とにかくその時点で私の気分は最悪だったのだ。
 ようやく現れた業者のスタッフは、若いアルバイトのような男の子と、三〇代後半くらいの男性のふたりだった。
 遅れましたスミマセン、の一言もなく、彼らは私を苛立たせた。
 若い方の作業員は常にガムをくちゃくちゃと噛んでおり、不愉快きわまりない。
荷物の持ち方が雑だったので文句を言ってやろうと近づいたら
「俺、普段は宅急便配達なんですよ。この時期引っ越しが多いからって駆り出されて。まあ、昼飯代ってことでチップくれる客も多いって言うから期待してきたんですよ」
 と、ニヤニヤしながら私に言い放った。
 私のガマンが限界に達したのは、新しいマンションについてからだ。
 搬入をしていた作業員が私の目の前でよろけ、荷物の角をマンションの壁にぶつけたのだ。
「ちょっと!」
 私は駆け寄ってその場所を確かめた。
 真っ白で美しく、私のお気に入りだった白い壁に、十五センチほどの汚らしい傷跡が走っていた。壁紙がべろんとめくれ、真っ白な中その部分だけ薄茶色の下地がむき出しになってしまった。
「生活してれば、これくらいの傷すぐ付きますよ」
 三十代の作業員がのんびりと言った瞬間、私の中でなにかが切れた。
 そこでちょうど仕事を終えて駆けつけた夫が、作業員に対してはっきりした態度を取り、営業所に対して弁償の交渉をしてくれなかったら、私は号泣していたかもしれない。
 とにかく、私は作業員達の帰ったあと、すぐに業者に電話を入れた。営業所にではない。本社にだ。
 そこで私は洗いざらい腹にたまっていたことをぶちまけた。クレーマーと言われようが、構わなかった。
 ついでにインターネットの地域情報掲示板にも書き込んだ。業者と営業所の名前は一応伏せ字を使ったが、地元の人間が読めば、一目で分かる程度の伏せ字だ。
「おまえ、案外根に持つタイプだったんだな」 
 夫にそんなことを言われた。でも、どうしても許せないことってあるじゃない。私にとって、まさに理想の住まいでの生活の第1日目を汚されたことは、本当に許せなかったのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 引っ越してから、二週間がたっていた。夫の交渉のおかげで、壁紙はまっさらになり、私は引っ越し当日のイライラのことなんて、半分忘れかけていた。
 お気に入りのテーブルで、お気に入りのティーカップに紅茶を入れてのんびりとしていたある日の午後のことだった。
 チャイムが鳴った。
 モニターを確認すると、そこには菓子折を抱えたふたりの男が立っていた。
 あっ、と声をあげた。あの時の作業員のふたりだ。
 なかなか神妙な顔つきをしているのが、モニター越しでも分かる。
 引っ越しで使った業者の営業所は「営業所の責任ですから」と、スタッフに直に謝らせはしない方針だということで、私はあの日以来、その作業員達には会っていなかった。
 それが一体どうしたのだろうと、私はインターホンを取り上げた。
「あの時は本当に、とんでもないことをしてしまったと反省いたしまして。個人的に謝罪にうかがった次第です」
「本当にすみませんでしたー。良かったらこのお菓子、受け取ってください。自腹で買ったんです!」
 前者の台詞は三十代、後者は若い方だ。
 やけに低姿勢な彼らの態度に気が緩んだ私は、彼らを部屋に招き入れた。
「これ、どうぞ」
 若い方が差し出した菓子折を私はキッチンで開け、それを茶菓子に、彼らにお茶を入れた。
 彼らはきょろきょろと部屋の中を見回し、あそこに傷を付けたのか、もう全然分からないね、なんてのんびり話しをしていた。
「で、ご用件はなんでしたっけ?」
 やけにくつろいでいるように見える彼らに苛つき、私は促した。てっきり、頭を下げて謝るのだろうと踏んでいたのだが、どうやら様子が違った。
「奥さん、本社の方にクレーム入れましたよね。営業所ではなく」
 そんなことを、三十代の男が言い始めたのだ。
「はい? それがなにか」
「営業所の方と弁償の話は付いていたにもかかわらず、どうして本社にクレーム出したのですか?」
「どうしてって……」
 私は、一体なにを言われているのだろうか。
「だって、お客様相談室っていうのがあったから……」
「それだけじゃないでしょ、奥さん。奥さん、ネットに営業所の悪口書いたでしょ? あれ、奥さんでしょ?」
 今度は、若い方がそう言った。最初の低姿勢な態度とは違う、明らかに挑戦的な口調だった。
「ちょっとあなた達、一体なにをしにきたんですか?」
「どうしてあんな真似したか聞きに来たんだよ。おかげでうちの営業所、ちょっとしたパニックになったんだよ。奥さん知らないかもしれないけどさ、うちみたいな営業所は個人経営の運送会社なんだよ。本社と契約して本社の看板背負わせてもらってる個人事業主なんだよ。で、俺らはそこから仕事貰ってる独立した自営業者。奥さんみたいな馬鹿な客にあんなコトされると俺ら困るんだよ」
 私はとっさに、キッチンの横に置いてあった電話の子機に手を伸ばそうとした。
「おっと」
 その手を、三十代の男が遮る。
「あなた達何しに来たんですか!」
「腹いせに来たんだよ」
「なにを……キャァッ!」
 三十代男の腕が、私の腰に回った。取りかけていた子機が床に落ち、プゥプゥと音を立てる。若い男がそれを拾い、笑った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ん、んんんん!」
「いわゆる口止めですよ。目は開けてください」
 男達は屈辱的な格好をさせられた私に、カメラを向けてフラッシュを焚いた。
 私は、服を剥かれ、生まれたままの格好になっていた。両手は背中で後ろ手にガムテープをまかれ、お尻をぺたんとつけたまま脚は大きくMの字に開かれ、こちらもガムテープで固定されていた。
 結婚してからは夫以外には見せたことのない私の秘所が、ぱっくりと開き、彼らの前に晒されていた。お気に入りのソファの上で……。
 大声を出して助けを呼ぼうにも、私の口内には私自身の下着が詰められ、その上からしっかりと布テープが貼り付けられていた。下着は私の唾液でぐしょぐしょに濡れ、声を出そうとすると喉の奥に詰まる。
 恥ずかしくて恥ずかしくてたまらなかった。どうして私はこんなに屈辱的な思いをしなければならないのかと、悔しくてたまらなかった。
「この奥さん、結構な身体してるなぁ」
 若い方のそんな言葉に、三十代男は
「俺はあんまり好みじゃない」
 なんて勝手なことを言っている。
 涙がこぼれ、頬を濡らす。口に貼られたガムテープの端に涙がたまり、妙にこそばい。
 恐ろしくてたまらなかったが、心のどこかに、写真を撮られるだけなら……命に危険がないなら……なんてことを考えたりもしていた。
 けれども、彼らの暴行はそれだけではすまなかった。
「じゃ、俺からでイイですか?」
 若い方の男が、ズボンを下ろし始めたのだ。
「顔は撮らないように気をつけてくださいね」
「ああ。分かってるよ」
 まさか――。
 若い男の赤黒い陰茎が現れた。夫のより遙かに大きくて……腹に付くほどに勃起している。
「ん、んんんんん!」
 なんとか身体を固定しているガムテープを剥がそうと身をよじったが、無駄な抵抗だった。
「ほれ」
 若い男が私の肩をどんと突き飛ばす。私はM字開脚に固定されたまま倒れ、男は私の上に腰を据えた。
「じゃ、行きますよ、奥さん」
「ンン、ンンンンンンッッ!」
 強い鈍痛が開きっぱなしになっていた私の下半身を貫く。私の大事な部分にぐいぐいとねじ込まれた若い男の勃起は、無遠慮に出入りを繰り返す。
「うう、うう……くぅぅぅ」
「なかなかイイよ。少し緩いけど、いけますよ。ちょっと体勢変えたいから手伝ってください」
「ああ」
 三十男がカメラを置き、ハサミを私に突き立てた。
「んんっ!」
 ハサミは私の脚と腕にまかれたガムテープを切る。淡い開放感が身体を走ったが、自由になったわけではない。
「このほうが締まっていいですよ」
 ガムテープのかわりに、三十男が私を押さえつけ、乳房を揉みしだく。若い男はそのまま私の中からペニスを抜かず、乱暴に激しく内臓を貫き続ける。
「うう、うううう……」
 恥ずかしさと屈辱感、それに悔しさで頭がどうにかなりそうだった。そしてなにより私をパニックに陥らせていたのは、こんな非道い状況だというのに、感じて、反応してしまっている自分の身体だった。
「ん……っっ!」
 ガムテープの内側に、甘ったるい歓喜のため息が篭もる。自然に瞳が潤み、頬が快楽で火照る。
 そんな恥ずかしい自分の顔を見られたくなくて、私は必死で首を左右に振りながら、乱暴に私を犯す若い男のピストンで、何度も何度も、絶頂を迎えた。
 決まり切った夫のセックスなんかとは全然違うハプニングを、もしかしたら私は求めていたのかもしれない。
 やがて、男も私の膣内に若い白濁を放出し、ため息をついて三十男の方に顔を向けた。
「もう写真はいいでしょ。たぶんこの奥さん、余所へは言いませんよ。一緒にやっちゃいましょう」
 ドキン、とした。
 三十男が頷き、上着を取り、ズボンに手をかける。
「そうだな。奥さんも、楽しんでるみたいだからな」
 ふたりは私の高揚に気付いていたようだ。薄ら笑いを浮かべ、私の肌に触れる。
「ああ……」
 軽く触れられただけで、私の身体は敏感に反応し、奥からいやらしい蜜が溢れだす。
 欲しくて欲しくてたまらない。もっともっと、快感に浸っていたい。
「来て……シテ」
 私の口から言葉が漏れた。
「ああ、ウウウウウ……っ!」
 男の大きな手が私の肩を掴み、狭い板張りの廊下に押しつける。
 気持ちが悪い、吐き気がする。アルコールの香りがきつい。
「どうせ、終電はないよ」
 男が、諭すように言う。
「それから、もう閉店してるし、俺以外誰もいないから」
 私は未だ、状況が飲み込めていなかった。どうして目の前の若い男は、私にまたがっているのだろう?
 どうして私の胸元ははだけているの? スカートも捲れあがり、ストッキングは破られていた。下着こそつけてはいたが、ゴムの端には男の手がかかっている。
 頭が痛む。声を出そうとすると、吐き気が襲う。第一、ここはどこなの?
「それにしても、冷たい友達だな。君のこと見捨てて行っちゃうなんてさ」
 ああ……。なんとなく思い出してきた。
 ここは、バーだ。この狭い廊下は、客席からトイレへと続く廊下。そして目の前の男は、たしかウェイターのひとりだ。
「君、トイレで泥酔したまま、眠っちゃったんだな。全く、ご丁寧に内側から鍵かけて……迷惑だよ。ひとりで閉店作業していた俺が発見しなければ、朝までこの店に閉じこめられていたんだぜ? 感謝してもらいたいね」
 記憶がどんどん蘇る。
「ブラウスはだけて、スカート捲りあげてパンツ丸出しにしてさ、便器にもたれて寝てたんだぜ? さんざん俺のことバカにしやがってさぁ……」
 完全に思い出した。今は名札をはずしているが、この男の名前は『藤岡』だ。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・
 その日私は、同僚達と居酒屋で飲んでいた。
 新しく就任してきた上司がバカでバカで、そいつに対する不満の溜まっていた私たちはとにかく飲んで、愚痴をこぼしまくった。
 いつも以上にお酒がすすみ、ビール、チューハイ、日本酒……とにかく、何でもかんでも飲んだ。
 そして2件目。
 初めて入ったダイニングバーでも、私たちは酒をあおった。かなり、迷惑な客だったろう。騒ぎ、はしゃぎ、上司の悪口を大声で喚いた。
『お客様、もう少々お静かに願えませんか?』
 ひとりの店員がやってきた。名札に書いてあった名前は『藤岡』。珍しくも何ともない名字だが、彼にとっては不運なことに、私たちが悪口を吐いていた上司と同じ名前だった。
『おい、藤岡。客にそんな口聞いていいのか?』
『ほらほら藤岡。そこ、ウィスキーこぼれてる! 早く拭きなさいよ』
『バカ岡ー! 膝にビスケットこぼしちゃった。早くなんとかしてよ』
 警察を呼ばれなかっただけ、マシだったのだろうか。とにかく私たちは、べろんべろんに酔っぱらい、上司と同じ名前のウェイターを呼び捨てにしてからかいまくった。
 ウェイターの藤岡は小柄で若く、どこかしら、おどおどしている様子があった。イジメがいがあった。私たちの彼に対する態度はエスカレートし、やがて、店長が、帰宅を促しに来るまで続いた。
 会計中、私はひとりトイレに立ち、少し気分が悪くなったから、胸元をゆるめてしゃがみ込んだのだ。
 それ以降の記憶は、途絶えていた。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・
「あああっっ」
 ウェイターが、私のショーツをぐいと引き、破らんばかりの勢いで脚からはずした。勢いでヒールが脱げ、転がる。破れたストッキングにショーツが絡まり、脛のあたりでぶらぶらしている。
 ウェイターはかなり乱暴だ。私たちにさんざんからかわれ、言われもないことで責められ、ストレスを溜めていたのだろう。目がぎらぎらしていた。
 私は必死であらがおうと試みた。だが、少しでも激しく動くと、頭がぐわんぐわんと痛み、吐き気と、手足のしびれが襲う。相当アルコールを飲んでいたためだ。まともに身体を動かすことが出来ない。くらくらする。
「ううう……」
 頭を抱え、冷たい廊下に背をつけたまま、私は呻いた。
 ウェイターが私の身体から手を離して立ち上がり、床に転げたまま起きあがることの出来ない私をバカにしたように見下ろす。
「無駄だよ、酔っぱらいさん」
 いやらしく笑った。口元がだらしなくにやけ、ぎらついた目で、ナメクジのようにのたうつ私の全身を舐めるように眺める。
「いい格好だ。バーの廊下で、下半身丸出しかよ。気付いてるか? おっぱいもぽろりだぜ?」
 床に寝そべったまま、はっと胸に手をやる。本当だ。ブラのホックがはずれて、乳房の下でめくれている。
 酔って胸が苦しかったから、たぶん、自分ではずしたのだろう。
「パンツもぐしょぐしょに濡れてたぜ? トイレでオナニーでもしてたのかよ」
「ちがう……ちがうわ」
「調べてやるよ」
「アア……ッ!」
 ウェイターは私の両膝を持って立て、Mの字にぐいと開いた。スカートが腿まで落ち、秘所が露わに晒される。
「いや、いやぁ」
 脚の間を手で隠そうとしたが、簡単に払いのけられた。ウェイターは私の股間に顔を近づけ、のぞき込む。
「すげぇ……ここまでアルコールの匂いがするぜ」
 恥ずかしくてたまらなかった。脚を動かそうとしたが、力が出ない。私はウェイターのなすがままだ。
「あううっ!!!」
 生暖かく柔らかなものが、私の秘肉を噛んだ。
「あう、うううう」
 ぴちゃぴちゃといういやらしい音と荒い息づかいが、静かな廊下に響く。ウェイターは、私の秘所に舌を這わせていた。太腿に手をかけて脚を閉じられないようにし、ひたすらぴちゃぴちゃと舌を這わせている。肉ビラを舐め、中央のすぼみを舌先で突く。
「アルコールの匂いがひどいな。こっちまで酔っぱらいそうだ」
「アアア……」
 これだけ身体のあちこちがおかしく、頭がぼやけているというのに、下半身への刺激だけは鋭く私を貫く。
「ああ、ああああ」
「こんだけべろべろなのに、しっかり感じてるんだな。女ってバカだよな」
 ウェイターはそんなことを言いながら、すっと立ち上がった。  
「ちょっと待ってろよ」
 逃げ出したくても、身体が痺れて動けなかった。しかも、あそこを弄られた快感で、私はおかしくなっていた。
 中途半端に気持ち良くされ、こんな状態だというのに、続きが欲しくて欲しくて、たまらなかった。
 ウェイターはすぐに、戻った。手に何か持っている。
「飲めよ。いくらなんでも酔いすぎだ。死なれたらたまんないからな」
 大きめなガラスのグラスに、水と綺麗な氷が入っていた。からからと音を立てている。
 だらしなく脚を広げたままの私の上半身を起こすと、手で背中を支え、グラスを口に運んでくれた。
「んん、んんんんん」
 おいしい。水ではない、スポーツドリンクだ。
 気付かなかったが、私は相当喉が渇いていたようだ。脱水症状を起こしかけていたのかもしれない。私はすぐに、それを飲み干し、グラスの中には氷だけが残った。
 ウェイターは氷を一欠片取ると、私の口に放り込んだ。口内で冷たく固い氷がゆっくりと溶けてゆく。湿り気が身体に広がり、頭痛が消えていくような気がした。
「ありがとう……」
「いいよ」
 自分の口にも氷を放り込んだウェイターの瞳が、一瞬優しく微笑んだように見えた。けれど……
「アアアッッ!」
 ウェイターは私の膝を割り、下半身に再び顔を埋めると、口内の氷を舌で押し出し、私の膣内に押し込んだ。
「ヒィッ、ああアアアッッ!」
 刺すような刺激が私を襲った。ウェイターは更に、片手で私の背中を支えたまま、もう片方の手を氷の入った股間に添えると、指を挿入し、中をぐちゃぐちゃと掻き回す。
「ああ、ヒッ、ひぃぃっ!」 
 私は身をよじり、刺激に耐えた。氷は私の胎内でみるみる溶けてゆく。ウェイターの指が溶けた水分を掻き出し、床に水たまりを作ってゆく。
「ああ、ああ、あああああ」
 ウェイターは次々にグラスに残った氷を、私のぱっかりと口を開けたまま痺れている肉孔に投入していった。身体が痺れ、知らなかった快感が目覚めていく。
「ア、アア、アうううぅぅ」
 冷たくてたまらないはずなのに、身体の方は妙に火照り、熱を帯びてゆく。頬がどうしようもないほどに上気していくのが、自分でもはっきりと分かる。
「気持ちいいんだろう?」
 ウェイターがそう言いながら、自分のズボンとブリーフを脱ぎ捨てる。
「ああ……」
 目の前に、天井を向いた赤黒い勃起がそびえ立つ。
「挿れてほしければ、心を込めてしゃぶれよな」
 私はびしゃびしゃの床に尻をつけたまま、そっと、震える手を伸ばした。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・
「むぅ、ウンン、んんんん」
 仁王立ちになったウェイターの足下に身体をすり寄せ、私は懸命にそそり立つ勃起に舌を這わせていた。
 身体に挿れられた氷はすべて溶け出し、廊下は漏らしたかのようにびしゃびしゃになっている。痛いほどに冷たい氷の感覚がなくなると今度は、じれったいような、切ない刺激が私を覆った。
 強く激しい刺激があそこに欲しくて欲しくて、たまらない。
「しっかりしゃぶれば、挿れてやる」
 私は夢中で、ウェイターのペニスに唾液を塗りつけた。パンと張ったタマを転がし、血管の浮き出るサオを下から上へ舐めあげる。
 このペニスは、結構大きい。カリの部分がしっかりしていて、厚みもある。これが、私の中で淫壁を掻くように動くのかと思うと、火照りが収まらなかった。
 先端に唇を寄せ、包むように咥わえ込むと、それはぴくんぴくんと小さな痙攣を繰り返した。
「よし、挿れてやるよ」
 私は濡れた廊下に手と膝をつき、四つんばいになる。
 ウェイターの手が私の尻肉を割り、その中央を露出させる。
「腫れあがってるな。真っ赤だ。しもやけでも起こしたか?」
「ア……っっ!」
 同僚と一緒に調子に乗って、さんざんバカにしていたウェイターの、唾液でまみれた切っ先が、私の肉孔にねじ込まれていく。
「アア、あうウ、ン、ひぁあアァっ!」
「なんだ、もっと冷えてるかと思ったら、もう普通じゃないか。体温高いなぁ」
 ウェイターは初めから、私をガンガンと責め立てた。もともと、私を気持ち良くしようなんていう気はないのだろう。乱暴に、無秩序に、好き勝手に……力任せに私を犯した。
 けれどそれが、私には新鮮で、心地よかった。気持ち良くて良くて、このままずっと貫いていて欲しいと感じていた。
 アルコールでまともな思考力を失っていたのかもしれない。酒に酔いつぶれたところをレイプされているんだという感覚が私からは消えていた。
「アア、アアアア」
 私は獣のように唸り、腰を振った。身体中の感覚が一カ所に集中し、もはや、快楽にすべてを支配されていた。
 四肢の感覚は麻痺し、相変わらず頭痛もあったというのに、下腹部だけは冴えていた。貫く肉の動きが、信じられないほど敏感に感じられた。
 私の肉が、ペニスをつつみこむ。あらがうように肉棒が出入りする。その摩擦がたまらない!
「ん、あ、ああああっっ!」
 やがて膣内に欲望が放出されるのと同時に、私もアクメに達した。
「まだ行くからな」
 ウェイターはそう言うと、まだこわばっているペニスを拭いもせず、キッチンの方へと消えた。
 また、水を持ってきてくれるのかと思ったが、戻ったとき手にしていたのは、アルコールの入った茶色いビンだった。
「ううう……んん、んんっ!」
 ウェイターは、四つんばいのまま顎を床につけ、尻だけを高く上げていた私の肉をぐいと割り、膣内に、逆さにしたそのビンの口をぐいと差し込んだ。
「ああああっっ!」
 冷たく固いビンにあそこを無理矢理にこじ開けられる激しい刺激。続いて、私の中にどくどくと注ぎ込まれるアルコールの香り――。
「朝まで徹底的にやろうぜ。もう二度と、見ず知らずの他人をバカに出来ないような女に調教し直してやるよ」
「ああ、ああああ……」
 膣壁がうねり、アルコールを身体に吸い込ませてゆく。冷たい液体のはずなのに、かっかと熱い。やけどしそうだ。
「ああ……」   
 再び気を失いそうになる私のあそこを、熱を帯びたこわばりが再び貫いた。
「明日からの連休、何か用事あるの? それって断れない用事なの? 法事?」
 普段は無言で、ほとんど会話もしない主任の声に、その場の全員が目を泳がし、帰り支度を急ぐ。
 主任は自分の近くの席から順に、声をかけている。主任がこんな風に聞いてくるときは決まって、休日出勤の要請だ。
 主任の声は続いている。未だ、主任の休日出勤のお供は決まっていないらしい。
 だいたい、主任は完璧主義者で部下にもそれを求めるうえに、指示が細かいものだから、結局何度もやり直すハメになったり、一日だけのはずが二日に渡ったりするそうだ。主任は仕事は出来るが、部下の使い方が上手くない。
 と言っても、これらは噂で聞いていただけで、勤め始めてまだ七ヶ月ほどの私は、この主任との休日出勤を経験したことはない。
 ただ、普段の仕事を見ている限り、主任と二人きりの仕事はかなりきつそうだというのは感じられる。
 周りを見習い、私も慌てて帰り支度を急いだ。
「お疲れ」
「お疲れ様でしたー」
 声をかけられる前にと、次々と同僚が消えていく。
 私は、帰り支度を整え、最後にパソコンの電源を落とし……しまった。慌てていたため、シャットダウンと再起動を間違えてしまった。
 そう言えばさっき、調子が悪かったから再起動をかけたんだっけ。終了設定がその時のままになっていたんだ!
「柏原くんは? もしかして連休は彼氏と泊まりがけのお出掛けとか?」
 かかってしまった再起動を待っている間に、主任が遂に、私に話しかけてきてしまった。
「いいえ、私、彼氏とかいないです」
 主任もいやらしい。予定を聞けばいいのに、わざわざ『彼氏』なんてどうして聞いてくるんだ?
「あれ、彼氏いないの? じゃあ、連休はどうしてるの? 合コンとか?」
「まさか!」
 本当にいやらしい。普通に予定を聞いてくれれば『ちょっと…』なんて感じで断れるのに。
「お母さん病気とか?」
「……ひとり暮らしです」
 だんだんうんざりしてきた。
「じゃあ、明日ちょっと手伝って。みんなは忙しいみたいなんだ」
 周りを見る。ほとんどみんな帰っている。今回貧乏くじを引いてしまったのは、私のようだ。
「……いいですけど、あまり早くは来られないです」
「かまわないって。午後出勤で」
「午後からでいいですか?」
 朝ゆっくり寝ていられるなら、それはそれで助かる。
「そのかわり、夜は遅くなるけど、まあ連休だからいいよね」
 しまった。嵌められた気分だ。

 翌日。私は憂鬱な気分で貸しビルの4階にある事務所へ出勤した。
 普段はそれなりに人数もいて、人の出入りもある賑やかなオフィスだが、主任と二人きりだと怖いくらいに暗い空気がのしかかる。
 主任は、私を来客との打ち合わせに使うテーブルに呼び、そこで自分と顔を突き合わせて仕事するように言った。
「席、離れてるからね。この方が指示通りやすいしね」
 手伝いの内容は簡単なデータ入力やチェック、それにテンプレートに従っていくつかの書類を作成するといったもので、わざわざ顔を付き合わせる理由はない。
 むしろ、こんな風に監視されながら仕事するより、自分のデスクでちゃっちゃとやってしまいたかったが、主任の機嫌を損ねるのも厄介だ。
 私はとにかく、言われたことだけ早く終わらせようと、黙々とノートパソコンのキーを打ち続けていた。
「柏原くん、彼氏いないって言ってたよねぇ。それ、本当なの?」
 主任が缶コーヒーをすすりながら、私に話しかけてきた。
「そうですよ」
「結構モテそうな感じなのにねぇ。あ、もしかして別れたばっかり?」
「ちがいますよ。モテませんよ」
「本当はすっごいモテるんじゃないの?もしかして、人に言えない関係? 不倫とかさ。年上好き?」
 うるさくてたまらない。だいたいこういった発言は、セクハラになるんじゃないだろうか? 私はうんざりして、適当に聞き流していたが、主任は質問をやめない。
「今、二三だっけ。若いよねぇ。そんなに若いのに彼氏いなかったら欲求不満にならないの?」
「……」
「あれ、黙っちゃったってことは、ひょっとして図星?」
「……違いますよ。主任、そういう発言って、セクハラになりますよ」
 あまり怒って言うのも大人げないと思ったから、私はごく軽い調子でそう告げた。軽い調子で言ったのが、まずかったのだろうか。主任はどうやらおもしろがり、調子に乗ったようだ。
「セクハラ? これがぁ? やめてよ、柏原くん。僕は妻子もいる大人だよ。こういうのはね、大人には普通の会話なの。まだまだ世間知らずのお嬢ちゃんには分からないかぁ」
 いやな流れだ。
「もう、お嬢ちゃんだなんて言われる年じゃないです!」
「セクハラって言うのは、全然違うよ。セクハラって言うのはね……」
 え?
 主任は立ちあがるといきなり背後に回り、腰掛けている私を後ろから強く抱きしめた。
「ちょ、ちょっと、主任!」
「セクハラがどういうのか、教えてあげるよ。二人きりだしね」
 主任の生温い息が、耳朶にかかる。廻された手が私の胸元をさりげなくまさぐっている。 
「やめてください、本当に、セクハラですって!」
「だから、セクハラを教えているんじゃないか」
「もう、分かりましたから、はなしてください」
「まだまだこれからだよ?」
 さすがに身の危険を感じた私は、振りほどこうと身をよじった。
 だが、椅子に着席したまま身体を上から押さえつけられた恰好になっていて、上手く力が入らない。
 主任は自分の顔を私の顔に近づけ、ハァハァと息を吐きながら、私の頬に唇を寄せていた。チュッチュと、わざと大きな音を立てて唇を押しつける。
「やめてくださいっ!」
 全身が粟立ち、寒気が走る。主任の手はいやらしく乳房をまさぐり続ける。
 私は思いきり勢いをつけて立ちあがった。椅子が倒れ、驚いたように主任が私から一瞬離れた。
「いってぇ……」
 椅子が、思い切り主任の脛に当たったらしい。主任は顔をゆがめ、脛を押さえてその場で腰を折った。
「だ、大丈夫ですか、スミマセン!」
 ああ。
 私はやはり、世間知らずのお嬢ちゃんなのだろうか。
 社内であることもあり、私はその時もまだ、これは主任の度を超えた悪い冗談くらいにしか思っていなかった。
 慌てて駆け寄った私の腕をぐいと掴み、痛いはずの脛をしっかり伸ばして立ちあがった主任に、私は来客用ソファに押し倒されてしまったのだった。

 決して無抵抗ではなかった。だが、相手が会社の上司と言うこともあり、派手に立ち回ることに対して心理的なブレーキがかかったのも事実だ。
 事を大きくしたくない、騒ぎにしたくないという気持ちもあった。主任が思い直すんじゃないかという期待もあった。
 職場で立場を利用して女性に性的関係を迫る――セクハラがはびこるのも無理はないなと思う。この状況で、仕事もなにもかも投げ出して逃げるのは相当勇気が必要だ。どうしても、翌日以降の自分の会社での立場とか、そんなことが頭を巡る。
 また、誰かに訴えたとしても容易に信じて貰えないんじゃないか、行きすぎた冗談だったと主任が言ったらそれまでなんじゃないかなんて考えてしまって……。
 押し倒された私は、あっという間にブラウスの前を開けられ、ブラジャーをずらされ、露わになった乳房を直接揉みしだかれた。
 主任の手の平は妙に熱く、じんわりと湿っていた。まとわりつくようなその感覚に、私は戸惑い、ひたすら震えた。触られた部分から鳥肌が広がっていく感覚があった。
「冗談はやめてください、もうセクハラは分かりましたから……」
 半分泣きながら必死で乳房を隠そうとする私の手を押しのけ、私の上に跨った主任は乳房を弄り続けた。
 思い切り抵抗できない私を自由に嬲ることで、主任は興奮していたのだろう。
 頬は赤く上気し、始終ハァハァと熱い息を漏らしていた。
 真っ昼間のオフィスでこんなこと……そう思うと、妙になまめかしく、少しだけエッチな気分になってしまう自分が恥ずかしくて溜まらなかった。
 これはレイプだ、セクハラだ、と分かってはいても、なんだか現実感がなく、妙に気持ちは浮ついていた。
「奥さんに言っちゃいますよ! もうやめてください……」
 状況に押され、素直に大声で叫べない自分が情けなかった。
 さんざん私の乳房をこね回した主任の手はやがて私のスカートの中にも滑り込んだ。
「ああ……っ」
 ストッキングをずらし、主任の指がショーツの上から、充血し、ぷってりと膨れた秘裂をさすりあげる。
「……いやらしいな。感じていたんじゃないか。パンティーまでぐっしょり濡れてるぞ?」
 自分でもそのことには気付いていた。改めて言われることの恥ずかしさで私はますます欲情する。
「中はすごそうだな……」
 主任の手が、ショーツの中に入る。恥毛をさすり、いやらしい割れ目の中に指を差し入れる。
「うっく……っ」
 ちゅぷうちゅぷぷ……ぐちゅう、ぐちゅちゅうぅぅ。
 パソコンの排気音がうっすら聞こえるだけの静かなオフィスに、淫音が響く。
 ねっとりとした愛液を掻き分けた主任の指が2本、肉唇を割り、クリトリスを絡め、奥の蜜壺へと出入りする。
「ああ、あああ……」
 ああ。主任に言われたように、私はいつの間にか欲求不満になっていたのだろうか。久しぶりに他人の指でこね回され、ゾクゾクするような快感に思わず翻弄されてしまう。
「これだけ濡らして、同意なしだ、セクハラだ、なんて言わせないぞ。いくらお嬢ちゃんでも、それくらい分かるよね」
 主任の声が、なんだか遠くで聞こえる。「ああ、ああ……あううう」
 私は、わけの分からないままに、何度も何度も頷いた。欲しい。欲しくてたまらないっ。
 もっと強い刺激で、官能を掻き乱されたい! 太くて固い、熱いものでめちゃくちゃにされたくて仕方がなかった。
「欲しいんだな? そうだな? じゃあ、ちゃんとそう言わないと。でないと、セクハラになっちゃうからなー」
 主任が、いやらしい笑みを浮かべた。
「ああ……」
「ほら、ちゃんと言うんだよ?」
「あ、ああ……」
 心の奥では今でも、拒否していた。だけど、身体が言うことを聞かない。  
「ほ……欲しい……です……」
「声が小さくて聞こえないぞ?」
「欲しいですっ!」
「何をだ?」
「あ、あああ……」
 蠢く主任の指は、私の肉壁を掻き乱す。もっと強い快感が欲しくて……気持ち良くなりたくて……。
 もう、我慢できない!
「欲しい、主任の、主任のチ*ポ、欲しい、欲しいですっ!」
「よし。カワイイ声だ」
「アアっ!」
 主任の指が私のいやらしい部分から離れた。むわっとするような生臭い愛液の匂いが鼻をつく。
 主任は私のストッキングとショーツを剥ぎ取り、太腿をぐいと押さえて割る。
 ソファに寝かされたまま脚が開かれ、スカートが腰まで捲れあがった。
「いくぞ」
 主任はズボンと下着を膝までずらし、自分もソファの上に乗った。そして腰を据え、私の開いた割れ目に、大きく膨れあがった固いペニスの切っ先をぐいとねじ込む。
「アアアアアッッ!」
 指なんかとは全然違う圧迫感。私の膣壁は蜜を垂れ流しながら、久しぶりの肉棒に絡みついた。
「ああ、ああああ……」
「使い込んでないマ*コだなぁ。固くて、新鮮だ。自分がほぐしてやろう」
「アアアアアッッ! ああ、イイッッ」
 主任はねちっこく私の膣壁をペニスで擦り続けた。私は足を伸ばし、身体を反らせて快感に、そして幾度もの絶頂に打ち震えた。
 気持ち良くて溜まらなかった。
 主任は衰えることを知らず、いつまでも私を犯し続けた。
 佐竹さんの生暖かな息が、私の足先をかすめる。
「そんな、おやめになってください。汚いわ」
「汚いことなんてありません。とても綺麗です。こんな綺麗な足が赤く爛れて……見ていられません」
「あああ……っ」
 厚い唇が、腫れあがったつま先に押し当てられる。
「ん、んくぅ……」
 強く吸われると同時に、ずっと感じていた淡い劣情が、どうしようもないほどの快楽と共に背筋を駆けあがってゆく。
「ああ……」
 唇からため息が漏れる。手に持っていた水風船が落ち、生い茂った草の上で軽くはねる。遠くで盆踊りのアナウンスが聞こえる。
「佐竹さん……」
 この暗がりに入ったときから、こうなる予感はしていた。賑やかなお祭りの開放感とここの静けさが私たちの関係を後押ししてくれたのだろう。
 やがて佐竹さんの太い腕が私を抱いた。そして私はそのまま押し倒されるような格好で、青々とした草の上に横たわる。
 茂る草と土のひんやりとした感触が、浴衣越しに私を包む。立ちのぼる青くやわらかな香りが鼻をついた。
 目の前には夜空のかわりに、佐竹さんの優しげな顔がある。私はそっと目を閉じた。
 佐竹さんの唇が近づくのが、空気で分かった。やがて、温かな人肌の感触。わずかに開いた歯の隙間から、ねっとりとした肉厚の舌が私の口内へ入り、舐る。
「ん、んんん……っ」
 久しぶりの口づけだ。夫と最後にこんなキスをしたのは何ヶ月前だろう?
「んあぁ、ん、んん」
 絡まる舌の動きの、なんて官能的なこと! 口唇を這い回る舌技に私はすっかり夢中になってしまう。キスがこんなにも感じるものだったなんて、すっかり忘れていた。
 私の舌がだらしない程に快感を貪る。それを舐りながら佐竹さんは、私の浴衣の前をはだけ、熱い手の平で乳房を揉む。
「んんんん!」
 夫以外の男性に素肌を愛撫されるなんて、本当に久しぶりだ。ついつい身体が過剰に反応してしまう。
 ピクピクと震えながら大きく身を反らす。反らした背中と地べたとの間に、佐竹さんの太い腕が滑り込む。
「ああ……」
「声は、我慢してください。ここは外ですよ?」
 ああ、そうだった。ここは神社の境内裏。今は人の気配はないが、いつ、誰が来るとも限らない。  
 明かりはなく真っ暗だし、私たちは茂みの中に潜り込んでしまっているから、声をあげなければ気付かれることはないだろう。
 けれども、私たちと同じようなことを考えてここへ来るカップルもいるかもしれない。
 お祭りには、近所の人たちが沢山出てきている。もし、知っている人がここに来て、私たちを見ていったら――?
「う……くぅ」
 唇から離れた佐竹さんの舌が、私の乳房をなぞりはじめていた。舌先が固くしこった乳首を転がし、含み、吸う。
 知っている人に見られてしまったらどうしようかという不安が、なぜか私を強く興奮させていた。
 もしかしたら佐竹さんも同じかもしれない。私の乳房を貪る佐竹さんの下半身の固さはどうだろう。
 私の太腿に押し受けられているそれは、岩のように固く、薄手のラフなズボン越しにもその熱さを感じる。
 それともこの人はいつもこんなに固く勃起させ、こんなにも激しくそれでいて丁寧な愛撫をする人なのだろうか。
 もしそうだとしたら、私は佐竹さんの奥さんに嫉妬を隠せない。

 きっかけは、近所の神社で行われる、小規模な祭りのヨーヨー掬いだった。
 地元の小さな盆踊り大会ではあるが、町内会の有志や地元商店の人たちの出す出店があり、まだ小さい子どもは毎年このお祭りを楽しみにしていた。
 近所の人もなんとなくこの日はそわそわとしているような、そんなお祭りだ。
 私も浴衣に袖を通し、子どもを連れて遊びに来ていた。そこで、佐竹さん親子に会ったのだ。
 佐竹さんの子どもはうちの子より2つ上の小学校2年生だ。同じ幼稚園だったことがあり、子ども同士は仲がいい。佐竹さんの奥さんとは時々スーパーで会うと会釈して、ちょっとだけ小学校の噂話なんかをするような関係だった。
 その奥さんの姿を見なくなり、かわりに旦那さんである佐竹さんが子どもを連れているのをよく見るようになったのは、3ヶ月くらい前からだったろうか。
 事情は知らない。奥さんがひとりで里帰りしているようだと、誰かから聞いた。
 お祭りという賑やかで非日常的な空間でのヨーヨー救いで出会った子ども達ははしゃぎ周り、あちこちへと親である私と佐竹さんを引き回した。
 私たちは子ども達を見失わないよう、必死であとを追った。
「あ……っ」
 はき慣れない下駄の鼻緒が擦れ、足の指に血がにじんだ。
「どうしました」
「いえ……なんでもありません」
 ギリギリまで、我慢した。けれど、限界はすぐにやってきた。
「少し休みましょう。人が来ない、ゆっくり出来るところを知ってます」
 私を気遣ってくれた佐竹さんがそう言い、子ども達に待ち合わせ場所や時間などをてきぱきと指示した。
 そして、
「こういうときは甘えていいんですよ」
 と、私をおぶってくれた。
 恥ずかしくてたまらなかった。いい大人の女性が、男性におぶられているなんて。
 けれども、佐竹さんは堂々としていた。その少しも恥ずかしがっていない態度が、私には新鮮で、そして好ましく思えた。
 素肌に直接つけた浴衣の胸元を通して、佐竹さんの大きな背中の熱さが伝わってきた。男の人に守られている感覚が嬉しくて、私は子どものようにべったりと身体を預けていた。
 思えばあの時、私たちの間にこの後の展開の暗黙の了解が出来上がったのだろうと思う。
 神社の裏手の茂みには、本当に人の出入りも、明かりもなかった。
 私たちには、好都合だった。

「あ、あはぁ、あああアアア……」
 なんとか声を押し殺そうと、私は必死だった。けれども、激しい愛撫に耐えられない。
 私に覆い被さった佐竹さんは、乳房を揉みしだきながら、唇を、はだけた浴衣の首元に寄せる。
舐め、吸い、浮き出た血管に沿うように舌をなぞらすその優しい愛撫の刺激に、私は思いがけないほど感じてしまい、どうしようもないほど切ない気分になってしまう。
 下半身がもぞもぞと落ち着かない。私に密着する佐竹さんの下で、私は何度も足を動かす。私のその動きは自然と佐竹さんの股間を刺激していたようだ。
 佐竹さんのその部分がますます固く勃起し、私の肌に押しつけられる。
「はぁ……はぁはぁ……」
 漏れる息が熱い。むっとするような熱気に、肌がじっとりと濡れる。佐竹さんの体臭が草いきれに混じり、私の官能をくすぐる。
 たまらない――。
 佐竹さんは私の上半身を貪りつくすと、浴衣の前を開け、下半身をも露出させた。
 私、ちゃんとした下着、つけていたかしら――? 
 この薄暗さではハッキリ見えないとは分かっていても、気になってしまう。
「綺麗です」
 佐竹さんは少し身体を離して、私を眺めた。 
 月明かりの下、草むらに寝そべり、浴衣の前だけをはだけた自分の身体が見られている――しかも、余所の旦那さんにだ。そう思うと、なぜかゾクゾクする快感が私の中を駆け抜けた。
 その瞬間まで、あまりにも流れが自然で、深く考えてはいなかったが、私たちが今していることは配偶者への裏切りだ。そして、一緒に祭りに来た子ども達のことが頭をよぎった。
「いけないわ……」
 ズボンの前を開け、勃起を取り出す佐竹さんをぼんやり眺めながら、私は小さくつぶやいた。
「こんなの、いけないわ」
 佐竹さんは少し困ったような表情を見せ、そして静かに言った。
「そうですね。あなたは本当にいけない女性だ」
「アン……っ」
 佐竹さんの身体が再び、私に覆い被さった。
「いけない女性だ。本当にあなたは悪い女性だ……、こんな気持ちになったのは、初めてですよ」
 佐竹さんの低いつぶやきが耳朶に響く。剥き出しの勃起は、さらに固く熱く、私の素肌に押しつけられる。
「あ……」
 背徳感は、新鮮な欲情に繋がる。お漏らししてしまったかのように、私のあそこからは止めどなくいやらしい蜜が溢れ、下着を濡らしていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
 知らず知らずに許しを請う言葉を口にしながら、私は肉棒に手を伸ばし、握りしめた。なんて熱いんだろう。それに、大きい。
「本当にいけない奥さんだ」
「アア、ごめんなさい。でも、でもこれが欲しくて……」
「分かっています」
 佐竹さんの汗で湿った手が、私の内腿を優しく撫でた。
「あん!」
 自然と足が緩む。ごつごつとした指が下着の上から私の秘裂をさする。軽く撫でられただけなのに、震えるほどの快感に、私は強く瞳を閉じた。
 指は下着のわきから中へと滑り込む。「ん、くぅ……」
「声は、我慢しなさい」
 ぢゅぷうと内部でくぐもる音を立て、指が私の割れ目の奥へ潜り込む。ねっとりとした淫唇を掻きわけ、濡れたすぼみに収まってゆく。
「あううう」
 乱れた肉壁を、佐竹さんの指が掻きむしる。たまらない。ゾクゾクしておかしくなりそう。
「こっち、こっちをくださいっ!」
 気持ちが抑えられない。私はぎゅっとペニスを握る手に力を入れる。
「いいんですか?」
 意地悪い口調で、佐竹さんがそんなことを言う。
「いけないんじゃなかったんですか? それに、避妊具がありません」
 わざと私の背徳感を煽っているのだろう。もしかしたら佐竹さん自身も、背徳の快楽におぼれているのかもしれない。
「ください。いいの、生で頂戴。これ、挿れてください。もう我慢できないんです!」
 私は佐竹さんの顔から目をそらして、小さく答えた。
「はしたない奥さんですね」
 佐竹さんの指が、私の身体から離れた。

「ン、ンふぅぅ。ン、ンンンっ!」
「声、押さえて……」
 佐竹さんの大きな肉棒が、私の開いた脚の間を出入りする。
 ぐちゃぐちゃと粘りけのある淫音と、押さえた私の唇から漏れる息が、どこかで鳴いている虫の声と混じり合って響く。
 遠くで聞こえるアレは、なんとか音頭だろうか。子ども達との約束の時間はまだだったか? そういえば、水風船はどこへ行ったのだろう――?
 様々なことが断片的に、脳裏をかすめては、消えてゆく。
「ハァハァハァ……」
 佐竹さんの息づかいが、次第に荒くなっていく。激しく腰を使う佐竹さんの汗が私の肌に落ちる。
 私たちは若い男女のように、欲望に任せて野外で肌を重ね合っていた。こんなに高ぶった気分で身体を求め合うなんて、本当に久しぶりだった。
 私は佐竹さんの背中に腕をまわし、肩に顔を埋めてすすり泣いた。
 祭りの夜。野外。不義の関係。いろいろな要素がごっちゃになり、私を溺れさせていた。誰かに見られるかもしれない危険を忘れようとするように、私は行為にのめり込んでいった。
「んん、んあああ」
 生のペニスが出入りするたび、快感を伴う強い刺激が私を乱れさせていく。 「も、もう……」
 限界が近い。耐えきれない。
「自分もです。声、ダメですよ?」
 佐竹さんの唇が、私の唇を覆う。その瞬間、子宮の中に生温かな快楽が広がっていった。
「ンンんああァァ」
 ビクビクと震える身体を、佐竹さんは強く抱きしめてくれた。

「お母さん、転んじゃったの?」
「そうよ。ちょっと痛かった」
「だから、時間に遅れちゃったのか」
 手を繋ごうと腕を伸ばす子どもに触れるのを、私は一瞬だけためらった。だが、思いを振り払い強く掌を握りしめる。 「お母さん、痛いよ」
「さあ、帰ろうか。お父さん待ってる」
 佐竹さんの視線を汚れた背中に感じたが、私は振り返らなかった。
 お祭りは、もうすぐ終わる。
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