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素人のエロ投稿やエロ体験談が大好きです。ジャンルごとにまとめてみました。他ブログからのお引越しですが、手動のため、ある程度まとめての更新です。。。
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「やめてよ! こんなところで……」
「おかしなこと言ってるからだ」
 敬一は私を背中から抱き、スカートの中に手を入れた。
 調理台の上に積み重ねられたアルミ鍋が動き、静まりかえった教室に金属質の音を響かせる。
「だって、本当のことでしょう? 他の人達とも、こういうことしているんでしょう?」
「いい加減にしなよ」
「エッチでごまかそうなんていやよ」
 敬一の手が下着の中に滑り込む。敬一の指が絶妙な動きで、私の秘裂をまさぐり、ねちゃねちゃと音を立てながら奥まったすぼみに沈んでゆく。
「あ……」
「声……あんまり出さない方がいいと思うよ。警備の人が来ちゃうよ?」
 耳元で囁かれ、私は震えた。
 敬一の指が私の内壁を弄ぶ。首筋に、歯が立つ。
「あ……ンフ、ふう、ンンンっっ」
 脚が震えて、立っていられない。巧みな指使いで弄くられ続ける私のあそこから、まるでお漏らしのように愛液が流れ出て内股を濡らす。
「すごい。こんなところでされて、興奮しちゃってるんだ?」
 敬一がそんな生意気なことを言う。
「うるさいわね。ごまかそうったって」
「じゃあ、やめちゃっていいの?」
 やめて欲しくない。気持ち良くて良くて。今やめられたら、おかしくなってしまう。
 敬一はテクニシャンだ。私が今まで寝たどの男より、年下の敬一は私を気持ち良くさせてくれる。
「挿れてあげようか? 欲しいんでしょう?」
 敬一が、意地悪く私の耳元で囁く。ああ、欲しい。欲しい欲しい。敬一のペニスを突っ込んでもらいたい。ぐちゃぐちゃといやらしい音をいっぱい立てながら、私をかきまわして欲しい。
「あ…ああ……」
 ここで欲しいと言えば、敬一はきっと私を満足させてくれるだろう。こんなところで? ここは、敬一がアシスタントとして働いているカルチャーセンターの一角。料理教室の、教室だ。
深夜の今は誰もいない。真っ暗なその部屋には、月明かりが差しているだけだ。
「欲しいんでしょ?」
 欲しくてたまらない。
 敬一が私の中から指を引き抜き、にやりと笑ってぺろりと舐めた。
「あ……ああ」
 月明かりに照らされた敬一は、本当に美少年だ。私を蔑むようなその瞳にもぞくぞくする。空っぽになった私のあそこが疼いてたまらない。
「欲しいなら、ちゃんと欲しいって言わなくちゃ」
 悪魔みたいな男だ。
 敬一は調理台にお尻を軽く載せ、ズボンの前を開けた。形の綺麗なペニスが覗く。すでに固く張り切っている。あれがねじ込まれたら、どんなにか気持ちがよいだろう。
「ああ……私は……」
 ここであれを挿れられたら、この話はうやむやになってしまうだろう。そしてまた、嫉妬を続ける苦しい日々が私を襲う。
 一時の快楽をとるべきなのか、それとも――。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 敬一と私が出会ったのは、書店だった。食材の本に手を伸ばした私の手と重なった敬一の手。あの時のちょっと驚いたような……恥ずかしそうに目を伏せた敬一の綺麗な顔を、私は忘れられない。
「一冊しかないですね。どうぞ。僕は別の書店で購入しますから」
 敬一は本当に綺麗な男の子だ。男の子、と言うと敬一は怒るかもしれない。彼は幼い顔立ちをしていたが、二十歳だ。私と、三つしか変わらない。 
 書店で何度か顔を合わせることが多くなり、私たちは会釈を交わす間柄になった。そこからつきあい始めるまで、本当にあっと言う間だったと思う。
 彼は、料理教室のアシスタントアルバイトをしていた。
「若い女性ばかりなんでしょう? 中には敬一にモーションかけてくる人もいるんじゃないの?」
 私の問いに、敬一は微笑み、答えた。
「だったら、菜穂子さんも僕が手伝っている料理教室に来たらどうかな。ちょうど、春のコースが始まるよ。僕、料理が上手な女性好きだし。僕の監視も出来るから一石二鳥じゃない?」
 仕事をしている敬一に興味もあった。敬一は平日夜のクラスの手伝いをしている。私は、その日のうちに申込書を手に入れ、教室に出したのだった。

 教室での敬一は、私と付き合っている素の敬一、そのままだった。少しも飾らず、優しく生徒達に接していた。
 そして私がにらんだとおり、会社帰りのOLの多いその教室で、敬一は生徒達の人気を独り占めにしていた。
 講師をしている男性も、なかなか渋い、いい男だった。落ち着いてみるとそのカルチャースクールは、講師やそのアシスタントがなかなかの美男美女揃いだ。顔で採用しているんじゃないかという噂があると聞いた。
 そんな馬鹿なと思っていたが、ドアの開閉時などに防音室から漏れ聞こえる歌謡クラスの色男だという人気男性講師の音痴っぷりを耳にすると、本当にそうかもしれないなんて、思ってしまう。
 実際、料理教室のアシスタントをしている敬一だって、料理をしたことがあるのか、あやしいものだった。
「あーん、私、出来ない~」
 なんて包丁を握ったまま甘えた声をあげる生徒の手に、そっと自分の手を添える敬一を見ていると、もやもやとした感情が胸に渦巻いた。
 敬一が生徒にとびきりの笑顔を見せたりしていると、殴られるように胸が痛んだ。
 けれども、これだけ人気のある敬一が、教室の外へ出れば私ひとりのものなんだと思うと、その感情はいつしか優越感に変わっていった。
「敬一は、私と付き合っているの」
 そう言いふらしたくてたまらなかったが、敬一に
「職場だから。一応そういうことは言わないで。内緒にしておいて欲しいんだ。色々面倒だから」
 と言われていた。敬一の言うことはもっともだ。公私の区別をつけないのはやっぱり良くない。
 そんな時だ。あの話を聞いたのは。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「なんのこと? 菜穂子さん」
「とぼけないで」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 敬一と一緒に帰ろうと、講師室を覗いたあの時。
 経営者っぽい大柄な女性が、どこかの教室のアルバイトアシスタントに、封筒を渡していた。
 そのアルバイトは確か、パソコン教室のアシスタントだ。背が高く、敬一とは対照的に、大人っぽいいい男。
『コレ、追加の報酬。始めたばかりなのにもう3人も生徒さんを連れてきてくれるなんて、やるわね』 
『たいしたことないっすよ……あの』
『なあに?』
『敬一は……今月何人ですか?』
『あら、ライバルの動向が気になるの? 彼はまだ2人よ』
『いや、あいつ、付き合って騙して生徒連れてくるようなところがありますからね、ちょっと心配で……』
『あら? あなたはちがうの?』
『え? いや俺は、普通に勧誘してますよ。……って、まさか他の人は敬一方式なんですか?』
 私はその場を動くことが出来なかった。
 噂で聞いたことはあった。でもそれは、講師やアシスタントが美男美女揃いだから、邪推から出た噂だと思いこんでいた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「敬一、他の女性ともつきあって……そうしてこの教室の生徒増やしているんでしょう? それで、追加のギャラを貰っているんでしょ? 私もそうなのね? 教室に勧誘することが目的で、私にも近づいたのね!」
 敬一の顔に動揺の表情が走ったのを、私は見逃さなかった。
「そう……そうなのね? じゃあ、あなたは他にも教室の生徒さんと……」
 やたら甘えた声を張り上げるOL、時折意味ありげに敬一を見て笑う女子大生。教室の生徒達が頭に浮かんだ。彼女たちはみんな、私と同じように――。
「ひどいわ。……みんなに、ばらしてやる……」
「なに言ってるんだよ」
「だって……ちょっとなにするのよ、こんなところで」
 敬一は私を抱きしめ、唇を押しつけた。すべすべの手が、私のブラウスの中に潜り込み、乳房をまさぐりながら、身体を私の背後に移してゆく。
「やめてよ! こんなところで……」
「おかしなこと言ってるからだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ん……んあぁ、んあああ」
 私の口の中で敬一のペニスがますます固く、大きくなっていく。月明かりに照らされた敬一の細い身体が、圧倒的な存在感で私に迫る。
 くやしい。
 敬一はこうやって私を抱いて……誰もいない深夜の教室で――敬一がそのルックスとセックスで連れてきた生徒だらけのこの教室で、私を抱いてごまかそうとしている。
 敬一を振り払い、逃げ出せばいい。そんなことは分かっていた。けれども私は、それが出来なかった。
 敬一が欲しかった。たまらなく欲しかった。
「ん、んあああ」
 私の唾液でまみれた敬一のペニスが愛おしい。
「菜穂子さん、これ好きなんでしょう?もうくだらないことは言わないでね」
 敬一はゆっくり、冷たいタイル張りの床に、私の背中を押し当てる。ひんやりとして、ぞくぞくする。けれども下半身は驚くほど熱くて……。
「敬一……」
「いくよ」
 敬一の手が、私の下着にかかる。私は無抵抗に、腰をすこし浮かして上げる。下着が脱げやすいように。
 けれども敬一は私の下着を脱がさず、股の部分をぐいと引っ張り、ずらしただけだった。
「誰か来るとヤバイからさ」
 そんな風に言う敬一が憎たらしくてたまらなかった。
「ア、アハッ!」
「声、もっと落として」
 敬一の唇が私の唇を多い、声を隠す。唾液を絡ませた肉の棒が、私の淫肉びらを左右に分け、奥に隠れたすぼみを貫いてゆく。
「ン、あはっン、ン、ンンンっ!」
 ズッ、ズボボボボ……。
 濡れそぼった私の下腹部は、さしたる抵抗もなく敬一のイチモツを呑み込んでゆく。奥へ、奥へ。
「んんんんっ!」
 最初は優しくゆっくりと。じれったくなるタイミングで、早く激しく。
 敬一は私の様子を的確に捉えながら、ピストンを繰り返す。
 こんな……グロテスクな肉塊を出し入れされるだけなのに、どうして私はこんなにも感じ、満たされてしまうのだろう。
 じゅぷじゅぷと粘着質な音と、私や敬一の息づかい、それに肉のぶつかるはじけるような音が静かな教室に響く。
 強い刺激と快感で、身体がかっかと熱い。じっとりとにじんだ汗で身体が床を滑る。
 気持ち良くて、頭が真っ白になっていく。敬一のこれを貰えるんだったら、もう何もいらない――そんな心持ちになってゆく。
「菜穂子さん、イイ。気持ちいいよ。菜穂子さんは最高だ。菜穂子さんだけ、菜穂子さんだけだよ……」
 敬一の言葉が耳朶に響く。
 こうやって抱かれながらそんな言葉を聞いていると、なんだかもう、いろいろなことがどうでも良くなってしまう。ごまかされていることも、なにもかも。
 快感が高まってゆく。全身に散らばっていた快楽がだんだんと一点に集中し、爆発してしまいそうだ。
「ああ、イイ、イッちゃうよ。菜穂子さん、僕、イッちゃう」
「あ、私も、もう、もう……アアアッ」
 とくんとくんと、私の中で敬一がはじける。最高の瞬間。
 内壁をくすぐる甘い刺激に酔いしれながら、私の身体もクライマックスを迎えた。
「もう、くだらないこと言うなよ」
 私を抱きしめ、優しくキスを繰り返す敬一の甘い体臭に絡まれながら、私は何度も頷いていた。いやだ、頬が濡れている。汗かしら、それとも……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 私はそれから、料理教室に行くのをやめた。若い女性に囲まれた敬一を見たくない。でも月謝だけは払っている。最初に通うと決めた3ヶ月間だけは、払い続けるつもりだ。
 やめたわけではない。行っていないだけだから。
 敬一とももうしばらく会っていない。でもたぶん、コースがいったん終わる3ヶ月後、私のところへ来るだろう。そして甘い言葉とセックスで、私にコースの継続を迫るだろう。
 先日、街を歩いていたら素敵な男性に声をかけられた。ふらふらと喫茶店に着いていったら、その人は太極拳の教室でアルバイトをしているんだと言っていた。
 敬一の綺麗な顔が、その人の精悍な顔にかぶった。
   
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「ねえ、ここらへんにさ、あそこ以外の鍾乳洞ないの?」
 和雄が近くを通りかかった小学生に声をかけた。
「あそこって、あそこ以外?」
 小学生が不思議そうに、私たちと、目の前にある観光鍾乳洞の入り口看板とを見比べる。
有名な観光鍾乳洞だ。中は綺麗にライトアップされており、通路も手すりもある。たった今行ってきたばかりだ。
「うん。ここはね、さっき行ったんだ。けれどなんていうか……もろ、観光名所だろ」
「うん。遠足で行った」
「もっと小さくてもいいからさ、土産物屋も手すりもない鍾乳洞行ってみたいんだよ」
「そうかぁ」
 小学生は、最初私たちふたりを警戒している様子だった。それはそうだろう。
 大学生の私たちは、明らかに観光客ですといった出で立ちをしていたし、今時の小学生は皆『知らない人に声をかけられてもついていってはいけません』くらいの事は言われているだろう。
 だが、人の良さそうな和雄の笑顔に安心したのか、小学生はニコニコしながら、自分の知っているという小さな鍾乳洞へ案内してくれた。
 すこし遠かったが、歩けない距離ではない。
「あそこの鍾乳洞、中が迷路みたいになっててね、観光で行けるのはそのうちの一番大きいとこだけなんだ。手すりとかあったでしょ」
 小学生は得意げに説明してくれた。
「ホントはね、あちこちに道や出口があるけど、行けないようにロープが張ってあるんだよ」
「うん。僕らもさっき、立ち入り禁止のロープを見たよ」
「繋がってるとこ、いくつか知ってる。でもね、本当は入っちゃいけないんだ。学校でね、ダメだって言われてるの」
「でも、入ったことあるんだ?」
「だって、みんなも入って遊んだりしてるよ」
 小学生は少し不安そうな顔で、和雄を見た。和雄は安心させるかのように
「大丈夫、先生には内緒だよ」
 と笑った。

 小学生が案内してくれた鍾乳洞というのは、林の中の小山に開いた、単なる穴に見えた。小学生だといいのだろうが、大人だと腰をかがめてくぐらなければ、中に入れそうもないほど小さな穴だ。
 確か、クマとかそういう動物の巣がこんな感じではなかったか?
「ここ、本当に洞窟なの?」
「入れば分かるよ。中は広いよ。本当だよ!」
 小学生に礼を言って別れた私たちは、とりあえず懐中電灯を持ち、とにかく入ってみることにした。
「俺が先に行くよ。しかし小さい穴だな。入れるかな?」
「ねえ、私スカートなんだけど」
「どうせふたりなんだから構わないよ」
「虫とかいっぱい出そう……」
「虫くらい平気だろ。大丈夫だよ」
 大きな洞窟に繋がっている小さな洞穴、というシチュエーションに子供心が刺激されたらしい和雄は、行く気満々だったが、私は躊躇していた。
 どう考えても、服が汚れる。ずっと狭い穴が続くのかと考えたら目眩がした。
 だいたい、私は普通の観光鍾乳洞で十分満足していたのだ。それなのに和雄ったら……。
「おーい、中は広いぞ! 早く来い!」
 穴の奥から、和雄の呼ぶ声がした。
 和雄に新しい服、買わせてやる――! 私は思いきって地べたに手を付け、膝をついた。真っ黒な穴の向こう側に、和雄の懐中電灯の明かりが動く。
 肩にかけた鞄がひっかかって、上手く進めない。土が顔にかかる。気持ちが悪い。なにがが背中を這っているような気がする。
「早く来いよー」
 和雄の声が、こだまして聞こえた。本当に中は広いようだ。けれど、この狭い通路がなかなか通り抜けられない。
「もういやだ!」
 吐き捨てながら真っ暗の中を、とにかく明かりを目指してしばらく進む。
 空気の張りつめたような冷気とともにだんだんと道は広くなり、少し楽に動けるようになる。やがて立って歩けるほどに広がる。
「うそ……」
「ようこそ、お嬢さん」
 和雄の懐中電灯に照らされた8畳ほどの空間が、目の前に広がった。
 懐中電灯で四方を照らす。確かにそこは鍾乳洞っぽい。
 足下に気をつけながら奥まで行ってみる。道が再び狭くなっている、その先から空気が流れてくる。ずっと行くと、あの大きな鍾乳洞に繋がるのかもしれない。
「おい、気をつけろよ」
 穴に気を取られ、足下のおぼつかなかった私の肩を、和雄が抱いた。
「すごいな……。寒くないか?」
 確かに、かなり涼しい。
 和雄が懐中電灯を下に置き、自分の着ていた薄手の上着を脱ぐと、私の肩にかけてくれた。
「ありがとう」
 観光鍾乳洞では、そんなコトしてくれなかったのに。変な感じだ。
「しかしここいいな。ちょっとワクワクする」
 和雄はそんなことを言って、うろうろと歩き回っていた。真っ暗な中、懐中電灯の灯りが揺れる。
「おい、こっち来てみろよ」
 呼ばれていくと、和雄は壁を明かりで照らした。
「落書きね」
「ああ。さっきの小学生の仲間達だろう。、こんなところに落書きしてるよ。なにで書いたんだろう?」
「塗料?」
「うん、なに使ったのかな。擦っても落ちない」
 真っ暗で涼しい、静かな空間。わずかな明かりにふたりで顔を寄せ合っていると、なんだか新鮮な気分だった。
「我が儘に付き合ってくれてありがとうな。服も髪も、汚れちゃったな」
「ううん、いいよ」
 和雄の手が、私の髪を撫でる。
「あ……」
 なんだかゾクゾクした。和雄の唇が私の頬をかすめ、耳朶をくすぐった。
 世界中に、和雄と私のふたりきり……そんな錯覚に震える。
 和雄の方も、同じ感覚だったのだろう。かなり大胆に私の耳を噛み、手を服の中に入れてきた。
「ああ……」
 乳首を指で摘まれ、私はため息をこぼした。
「声だして大丈夫だよ。外には聞こえやしない」
 和雄が意地悪く言い、更に強く、乳首をこりこりと指でこね回す。
「ああ、ああ……」
 立っているのが辛いほどに感じてしまう。ひんやりとした空気の中、密着した和雄の身体がいつもより熱く感じられた。
「脱いじゃえよ」
「寒いわ」
「すぐ温かくしてやるさ」
「誰か来たら……」
「来ないよ」
 和雄が、懐中電灯を消した。真っ暗な中で、和雄の体温だけが感じられた。

 ひんやりとした洞窟内で、私は全裸で立っていた。
 寒さはあまり感じなかった。何より、真っ暗な洞窟内でこんな格好になっているということに言いようもない興奮を覚えていた。
「よく見せて」
 和雄が、私の身体を懐中電灯で照らす。 白い光が私の身体を舐める。足下からゆっくり上へあがり、股間で少し止まる。それから再び動きはじめ、胸元で止まる。
 暗闇に照らし出される私の裸体はどんななのだろう? 少しは綺麗に見えるのかしら。
 妙になまめかしい気分で、身体が熱く火照っていく。
 闇に、和雄の息づかいが響く。がさごそという音がする。和雄も脱いでいるのだろう。懐中電灯の明かりが揺れる。
 和雄がなにをやっているのかがよく見えないのは、不安だ。暗い中、ひとりだけ取り残されたような気がする。身体になにもまとっていないという状態も私を心細くさせる。
 やがて、明かりが消えた。
「和雄……」
 声をかけるが返事はない。あたりは真っ暗だ。そっとしゃがみ、手で下に置いたはずの懐中電灯を探る。
「和雄?」
 不安でたまらない。和雄の気配を探すが、よく分からない風の音や、水の音だけが耳に入る。懐中電灯を探し当て、明かりをつけて和雄の姿を探す。
「和雄!」
 その時だ。背後からいきなり私は抱きしめられた。
「きゃぁっ!」
「ちょっとスリルがあったろう?」
 和雄だ。和雄の体温が、地肌を通して冷えていた私の身体を包む。
「ああ、和雄……」
「真っ暗って怖いよな。俺もちょっと怖かった」
 和雄はそう言いながら、私の首筋に唇を寄せる。
「ああ……」
 私は身体を返し、和雄の唇にむしゃぶりついた。懐中電灯が下に落ち、消えた。再び闇があたりを支配し、恐怖はやがて新鮮な官能に変わっていく。
「和雄、和雄」
 和雄も夢中で私の口唇を嬲り、苦しいほどに強く激しく熱い手の平を私の体躯に這わす。
「ああ……」
 密着した和雄の下半身が、今までなかったほどに固く熱く感じられた。和雄のって、こんなに立派だったっけ?
「今度は、私に、コレ、見せて?」
 しゃがんで懐中電灯を拾い上げると、2度3度振ってみた。明かりが切れたのは落ちた衝撃によるものだったらしく、すぐに明かりがついた。
 私は明かりを、和雄の股間に向ける。グロテスクなほどに猛々しいそれが闇に浮かび上がる。指でそっと触れると、それはドクンドクンと脈打った。
 口を開け、それを包み込む。
「うう……」
 洞窟に、じゅるじゅるとペニスを啜りあげる音が響いた。
「ダメだよ、出ちゃうよ……」
 和雄の、苦しげな声がした。熱い肉塊は私の口中で苦しいほどに脈打ち、やがて切っ先から苦いものがにじんだ。
「やらさせろよ」
 どちらかというと穏やかな和雄の口から、そんな乱暴な言葉が漏れた。新鮮な響きに身体が熱くなる。
「やらせろ」
 和雄の手が、肩に掛かり、私は引き上げられた。
 体の向きが変えられ、背後から私は腰を和雄に支えられた。
「行くぞ、挿入るぞ」
 立ったまま、私の尻肉が左右に割られた。そして熱い塊が濡れきった私の秘肉を滑り、膣内へとねじ込まれていく。
「アアアッ!」
 立っているのが辛いほどの強い刺激が私の中を駆け抜けた。私は腕をまわし、背後の和雄に廻した。
 和雄は私を抱きかかえ、支える形で、私を貫き続けた。
 いつもとは全然違った。
 いつもだったら私の反応を見ながら、浅く入れたり深く入れたり……調整しながら私を高みに上げていくようなテクニックを使う挿入をする和雄だったが、闇の中で野性的な面が強く出たのだろうか。
 和雄はまるで獣のように、荒々しくひたすらに、むやみやたらといった風に私を突きあげ続けた。
「ああ、ああ、アアァァァ」
 テクニックはおろか、愛すらも感じられないセックスだった。欲望のままにむさぶる様な……けれども少なくとも私にとっては、それが心地よくてたまらなかった。
 私たちはふたりとも、文明の明かりが届かない暗闇の中で、野生にもどったのかもしれない。 
 腰の砕けに耐えきれず、私は地べたに手と膝を付いた。なんだかびちゃびちゃとしたものを感じたが、不思議に、汚いとも、汚れるとも感じなかった。
 四つんばいの格好になった私を、和雄はバックから犯し続けた。
 私は何度も何度も昇りつめ、和雄も好きにほとぼりを私の尻に散らした。
 私たちはどれくらいの間、そうやって本能だけで粘膜を擦り合わせていたのだろう。
 やがて私たちはぐったりと地べたに尻をつけて、身体を寄せ合った。

 洞窟でのアレは、私たちのその後にほんのちょっぴり変化を与えた。
 あの暗闇でのスリル、本能のままに貪り合う快感――。あれを求め、私たちは週末になると外へ出かける。
 誰もいない、小さな洞穴を……野生に戻れる私たちだけの秘密の場所を探して、車で出かける。
 河原や林道、山中にも入り、好きなところでセックスを重ねた。
「絶対もう、他の女とつきあえないよ。お前くらいだよ、こんな事につきあってくれる女は」
「こっちだって同じよ。綺麗な部屋の中でのセックスなんて、もう出来ないわ」
 明かりのない山中で全裸になり、虫に刺されながらもお互いを貪りあいながら私たちは、そんなことを語り合うのだ。 
「すみません、ちょっといいですか?」
 声をかけられたが、私は振り返りさえしなかった。友人の美樹子は私の腕を、汗ばんだ手で強く掴んだ。
 初夏の海辺は、ナンパのメッカだ。今日は女ふたりきりでのんびり海水浴を楽しもうと思ってやってきたのだから、無視するに限る。それに美樹子は、ナンパとかそういうのに慣れていない。
「ケーブルテレビの取材なのですが」
 続けてそう言われ、え? と小さく声を出して、まず美樹子が振り返った。続いて私も振り返る。
 後ろには、下半身水着、上半身にはラフなシャツを着た、三人の男が立っていた。どの男も、二〇代後半から三〇代といったところだろうか。カメラを抱えている男以外はサングラスをかけていて、顔はよく分からない。私たちに声をかけてきた男は、小さなマイクを持っていた。
「お時間とらせてスミマセン。近くのケーブルテレビの製作スタッフなのですが、海水浴場の取材をしているんですよ。それで、良かったらインタビューお願いできませんか?」
 美樹子と私は顔を見合わせた。
「靖恵がいいなら、私はいいよ」
 美樹子は私に丸投げだ。美樹子はいつだってそう。人任せだ。
 大人しいタイプで、非社交的で地味な子だ。人によっては彼女を『暗い子』といって敬遠する。私は自分では明るく社交的な方でタイプは違うが、すごく気が合う。
 私は少し考えたが、美樹子が興味ありげだったので、インタビューを了承した。
「ありがとうございます。では」
 カメラマンがカメラを向ける。同時に、周囲の目が私たちに集まる。
「お二人はご友人同士ですか?」
「はい」
「こちらへはおふたりだけで?」
「そうです」
「どちらからいらっしゃいましたか? 車で? 電車で?」
「えーと……」
 美樹子が周囲を気にし始めた。砂浜の真ん中だ。大人達はちらちらと見るだけだが、好奇心丸出しの子どもは立ち止まってじっと見ている。
「ここだとちょっと……アレですね」 
 マイクを持った男の指示で、カメラがしまわれる。
「場所を変えましょうか」
 今更、断れない。私と美樹子は男たちについて人気のない岩場へと足を運んだ。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・
「だって、君たち特に可愛かったし、ビキニのセンスもいいじゃない」
「そんなことないですよぉ」
「いやいや。なんだかんだいってもさ、テレビだとビジュアル優先になるんだよ。君たちだったら絶対だと思った」
 男達はなかなか口が上手い。カメラの男は無言だったが、マイクを持った男と、脇で……アシスタントなのだろうか、帽子を深めにかぶり、ノートを手にした男の二人がかりでおだてられ、私も美樹子もかなりテンションがあがっていた。
 特に、美樹子の浮かれぶりは異常なほどだった。5年ほど友人として美樹子と付き合っているが、彼女がこれほど頬を上気させ、楽しそうに異性と話しているのを私は見たことがなかった。
「で、君たちスリーサイズは?」
「えー、そんなことまでぇ」
「いいじゃない。えと、じゃあ美樹子ちゃんから教えてよ」
「いやだー、恥ずかしいし、最近計ってないから、だいたいでいいですかぁ?」
 美樹子はかなり上機嫌だ。身体をくねらせ、目を輝かせてカメラの前でポーズまでとっている。その様子を見ているうちに、私の方は少し熱がひいてきた。
「ちょっと、美樹子!」
 カメラは、美樹子や私の身体を、足下から舐めるように撮影していた。
 ケーブルカメラの取材といっていたけど――。煽てられて少々浮ついた気持ちになっていたが、よく考えると少しおかしい。
「美樹子ちゃんDカップか! いや、大きいなとは思ってたけど。じゃあ、彼氏は幸せだね!」
「彼氏なんていませんよー」
「うそー。今二十三歳だっけ? じゃあ経験人数は?」
「えー」
 カメラは美樹子の胸元を舐めている。これはちょっといくらなんでも――変だ。私はかなり冷静さを取り戻していた。
「ちょっと、ねえ、美樹子!」
「あ、ごめんね、靖恵ちゃんにも聞こうかな。靖恵ちゃんは、OLさんだったよね。彼氏いるの?」
「いえ、そうではなくて……」
 私は美樹子の腕をぐいと掴んだ。
「ケーブルテレビの取材というお話しでしたよね?」
「はい」
「スタッフ証かなにかお持ちでしたら、見せてください」
「いいですよ。おい」
 マイクを持った男に指示を受け、帽子を深めにかぶった男が私についてくるようにと言った。
 かなり高揚している美樹子をひとり残すのは少々不安だったが、彼女だって子どもではない。いくらなんでも、そうそうおかしなことにはならないだろうと、私は男についていった。
 岩場から五分ほど離れたところにとめてあったライトバンが、彼らの車のようだ。このあたりは人もおらず、駐車している車も他にはない。
 男達の車は見たところ、なんの変哲もない白のライトバンだ。テレビ局のマークもなにもない。男は後部座席を開けてなにかをとりだした。
「これ、撮ってるの」
 男がにやりと笑って差しだしてきたそれは……
「ちょっと、これ!」
 私は唖然としてそれを見つめた。素人娘なんたらかんたら――と題されたDVD……。モザイクのかかった顔で、丸出しにした乳房を鷲づかみにしているパッケージのそれはどう見ても、成人指定のエロDVDだ。
「ケーブルテレビって……」
「まあ、似たようなモンでしょ。エロい有料チャンネルの撮影」
「……美樹子!」
 走り出そうとした私の腕を、男が強く掴んだ。
「美樹子ちゃん、今頃喜んでエッチな格好してると思うよ? ちょっとオッパイみせてよ、イヤン恥ずかしいわ、友達は今いないからさ、早く! えー、じゃあちょっとだけぇ、なーんてね」
「なにを……」
「俺たち、ずっとこの業界にいるんだぜ? ああいう、結構カワイ目だけど引っ込み思案ぽくておとなしめタイプの女の子の方が、いざ持ち上げられまくると有頂天になって大胆になっちゃうんだって、経験で分かってるのよ」
 頬を紅潮させて、エッチな質問にはしゃいでいた美樹子の姿が脳裏に浮かんだ。
 男は口元をだらしなくにやけさせたまま続ける。
「そして、君みたいなタイプはさ」
「私が、何よ」
「はしゃいで満足してる友人を、とめることができない。それどころか、変な競争心を燃やしちゃうんだよね。君、心の底では地味な友人のことバカにしてるでしょ? 自分の方が女として上だって、いっつも思ってるでしょ」
 男はけらけら笑って、私の腕を掴んでいた手を、そっとゆるめた。
 私は男を睨みつけ、急いで美樹子の元へ向かった。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・
「えー、いやだ、恥ずかしい」
「ちょっとだけだからさ! ほら、顔にはモザイク入れるから。テレビ観てる人に、サービスサービス。ね、手をどけてDカップのオッパイ見せてよ?」
「じゃあ……ちょっとだけ」
「視聴率アップ間違いナシだよ! 乳首ピンク色ですごい綺麗ね。ちょっとだけつついてみてもいい?」
「えー、それはちょっと……」
「つついちゃえ!」
「あ、ああん!」
「おお、その声めちゃくちゃ可愛い!」
 息を切らせて走ってきた私の目の前に、信じられない光景が――いや、予想通りといった方がいいのだろうか。
 岩場に腰を下ろした美樹子のビキニははずされ、乳房が剥き出しになっていた。 男はマイクをほっぽり出して乳房を揉みしだき、美樹子は笑顔であえいでいる。
「感じやすいんだねー。もっとモミモミしてみようかな?」
「あ、あんん!」
「乳首ピンピンだぁ。舌でちょっとつついちゃお!」
「ああん! イヤン、ねえ、こんなの放送するんですかぁ?」
「美樹子ちゃん可愛すぎだからさー。深夜に良く、エッチな番組やってるでしょ? あっちに廻すよ~」
「えー」
「こんな可愛いオッパイ、見せないのもったいないよ、いいでしょ?」
「うーん……ちょっとだけですよ?」
「やった! じゃあさ、下もチョットだけ……お尻だけ見せてよ?」
 私はその光景を、岩の影から唖然として眺めていた。
 美樹子は男に煽られるままにビキニの下を脱ぎ捨て、手をどかす。男は流れるような口調で美樹子の脚を広げさせ、そこに手を添える。
 カメラが美樹子の身体を隅々まで追う。
「友達帰って来ちゃうから……」
「大丈夫! お友達の方は、あっちで普通の取材してるよ。可愛い美樹子ちゃんはこっちで深夜番組の取材!」
 美樹子が勝ち誇ったような笑顔を見せたのが見えた。
 友達より君の方が可愛いから――そうおだてられ、美樹子は開いた脚の間に男の舌をいれられ、わざとらしく思えるほどに声をあげている。
 私は震えていた。脚が凍ったように動かない。騙されている美樹子が気持ちよさそうにアクンアクン喘いでいるその場に、足を踏み入れることができなかった。
 今私が出ていって、すべて嘘だ、男達は美樹子を騙しているのよ、なんて、とても言えない。
「お、やってるね」
 肩に手を乗せられ、はっとして振り返った。帽子をかぶった男だ。
「今回、ペース早いな。君のお友達、もう脚開いちゃってるんだ。淫乱系?」
「そんなこと……っっ!」
 肩におかれた男の手が、私の胸元に伸びる。
「はっきり言うけど、君の方が上玉だよ。綺麗だし、スタイルいいし、冷静だし頭もいい。馬鹿な女だと、ここで大騒ぎして女友達のプライドをズタズタにしちゃうんだよね」
 男が耳朶に囁く声の向こうから、アンアンという美樹子の甘いよがり声が、聞こえた。美樹子はカメラの前で男のペニスを受け入れ、無我夢中でよがりくるっている。
「俺らも楽しんじゃおうぜ? カメラなしでさ」
 男の手は、私のビキニのブラの中に滑り込んでいた。いやだ私ったら、いつの間に乳首がこんなに勃っていたんだろう? 男の手がじっとりとしていて、熱い。
「君みたいなまともな子は、あんな風にカメラの前できゃあきゃあ言いながらはしたない声をあげることないんだよ」
 男の唇が、首筋をなぞる。
「あ……」
 私どうしてこんなに、火照っているんだろう。美樹子のいやらしい姿を見て興奮した? まさか!
 下半身が湿っている。汗なのかしら、それとも――。

「ん、んん」
「すごい、すごい締まって気持ちいいよ。もう少し長く楽しみたいね……」
 私はビキニの下を脱ぎ、岩に手を付いて立ったまま、男のペニスを受け入れていた。岩の影から、マイクをあそこに突っ込まれ、男の肉棒をほおばり、だらしない声をあげている美樹子が見えた。
 私は違う、あんなバカじゃない。
「ああう……」
 私の尻を掴み、ピストンを繰り返している男は、なかなかのテクニシャンだ。私を焦らし、ここぞというタイミングでピストンを早める。そして私がイキそうになると、再び腰の動きをゆるめ、私を焦らす。
 たまらない。太陽の下でのこんなにも開放的なセックスは初めてだ。けれど、すぐそばでみだらな姿を晒している美樹子にバレるわけにはいかないから、必死で声を殺す。美樹子は私に一部始終を見られているなんて知らない。そして、そのぱっくりと脚を広げたまぬけな姿が編集され、エロDVDとして他の何人もの女達と共に不特定多数の目に触れることになるなんて気付いていないはずだ。
 美樹子は今、自分は特別だから、こうなっているのだと信じている。
 友人を裏切っている背徳感が、私を高揚させていた。
 普段のセックスよりずっと、強く、深く感じてたまらない。快感で血が沸騰し、高熱を出したときのようにぼんやりする。
「もう、もうだめぇ……」
 息が苦しい、喉が乾く。感じすぎて、辛いほどだ。
「俺も……イク……」
 男のピストンがグンと早く強くなる。やがて私がクライマックスを迎えると同時に、胎内に生温かいものを感じた。
「ああ……」
 ペニスが抜かれた瞬間、脚の間から精液がだらりとこぼれた。
「なにか拭くもの、ないの?」
 男の短い叫びが聞こえるより、私の手が脇に置かれた男の鞄に触れる方が先だった。
 鞄の中には隠しカメラが――。
 ネットでよく見かける『自宅のパソコンで、男性と楽しくお話をするだけでおこずかいが稼げちゃう!』という謳い文句に心を引かれたのは、丁度、重なったローンの返済に頭を抱えていたときだった。
 調べてみると、それは『チャットレディー』とよばれる職種で、要するにネット上で男性相手にチャットをするという仕事のようだった。
 仕組みは簡単だ。
 女性会員はチャット運営会社と契約をし、会社のサイト上に自分のプロフィール(勿論適当)等を公開する。男性はサイトの会員となり、指定した女性とチャットをするために金を払う。
 女性側は男性とチャットした時間によって会社から金が支払われ、また、会話に参加しなくても、その会話を聞いている人が存在すれば、その分も支払われる。
 女性側にノルマはない。時間のあるときにとにかくそのサイトに繋ぎ、待機して、男性会員から指名があれば、稼げるのだ。
 一番稼げるのは、ライブカメラを使ったアダルト系のビデオチャットだ。男性とカメラ越しに会話しながら、エッチな話をしたり、お互いひとりエッチを見せ合ったりというものだ。
 ただこれは、たとえサングラスなどをかけていても、結構顔が分かってしまうものらしい。
 私は、割合と大きな会社でOLをやっており、取引先の人なんかにも顔を覚えられているから、万が一にでもばれたら厄介なことになる。
 それに、その画像が保存され、P2Pなどで流出するケースも多いと聞いている。そうなると致命傷だ。
 だからといって、ノンアダルトと呼ばれる、エロ無しのチャットだと、稼ぎはかなり少ない。
 じゃあ文字だけのチャットならバレないかも……と思ってみたが、こちらはほとんど需要がない。
 私は調べた結果、アダルト有りのボイスチャットをやってみようと思うに到った。これは、カメラ無しの声だけ。そのかわり、エロ話有りで、場合によってはあえぎ声をきかせたり、というもののようだった。
 声だけなら、万が一知り合いに当たったとしても、ごまかしがきくだろう。それに、アダルトライブチャットには劣るが、報酬もそこそこだ。

 初めてから数週間。
 思ったより、稼げない。同じサイトのビデオチャットに男性客は流れ、ボイスのみの女性はあまり相手にされないようだった。
 何人か固定客はついたが、いつもワンパターンにエロ声をあげたり
「○○さんのチンチンだと思って、バイブ使ってるの……」
 と適当なことを言って、携帯のバイブレーションをワザと聞かせたりするのも飽きてきて、もうやめようかなと、運営会社に電話したときだった。
 やめる理由を聞かれ、ビデオは無理だからボイスチャットにしたけど、稼げないから辞めたいんだと素直に答えたら
「通勤しませんか? 通勤だと、稼げますよ」
 と、提案されたのだった。

 アダルトチャットの通勤というのは、要するに自宅でチャットをするのではなく、運営会社の用意した事務所でチャットをすることだ。
 自宅にパソコン環境がなかったり、自宅でエロ声を出したり出来ない人なんかが利用するものだと思っていたが、そうでもないようだ。
 運営会社としては、いつ繋ぐか分からない在宅のチャットレディーより、男性客が殺到する時間に確実に待機させられるチャットレディーの方が有り難いらしく、通勤の方が、報酬が大きい。
 また、サイトのトップに『女の子ピックアップ』のような形で特定のチャットレディーを宣伝してくれたりするのだが、それも、通勤の女の子のようだ。
 会社としては、通勤で事務所を使わせている限りは元を取ろうというのだろう。あらゆる手段で、通勤の女の子に客が付くよう、配慮してくれる。
 また、通勤の女の子同士の情報交換もあり、常連客を紹介し合ったりということもしているらしい。
 運営会社の用意している場所は、私が勤めている会社から駅2つと言ったところで、しかも帰り道だ。
 1ヶ月だけやってみると返事をし、私は会社帰りの2時間だけ、通勤を決めた。
 彼氏はいないしひとり暮らしだから、誰に断る必要もなく、気楽だった。

 貸しビルのフロアにある事務所は綺麗で、ちょっとした企業のオフィスといった感じだ。
 奥がチャットレディーの仕事スペースになってて、ネットカフェのように個室が並び、中にパソコンが設置してある。
 飲み放題の自販機が置かれた休憩スペースには、何人かの女性がいて、私が顔を出すと、わらわらと寄ってきて、普段はなにをしている人なのか、他に登録しているところはあるか、そこは稼げるか、など質問攻めにあった。
 事務所のスタッフは男女半々といったところらしいが、夜遅くということで、男性が数人と言ったところだった。
 自宅待機だと、2時間待ってもお客さんが来ない日というのも結構あったが、通勤だと、結構ひっきりなしにお客さんがつくので驚いた。
 調べてみたら、いつの間にか人気ランキングに入っていたり、他にも細かな細工がされているようだった。
 個室は完全防音で、他の部屋の音も入ってこなければ、自分のいる部屋の音が漏れることもないので、気が楽だった。
 私はいつものペースで男性客の前であえぎ声を出したり、飴をなめて、フェラチオを装ったりして過ごした。
 何より有り難かったのは、通勤だと日払いと言うことだった。

 すっかり味を占めた私は、通勤期間を延長していた。
 いつも使う個室がだいたい同じなので、自宅のようにリラックスしてチャットに打ち込めた。飲み物もただだし、雑誌なんかも読み放題。冷暖房完備で快適だし、言うことはなかった。

 その日私は、少しイライラしていた。毎晩チャットレディをやっていたため寝不足気味で遅刻したのはたしかに私が悪かったが、だからといって上司の奴、ここぞとばかりに罵詈雑言。多分、普段のストレスを、私に怒ることで発散させていたんだと思われた。あきらかに仕事とは関係のない私の人格攻撃まで始めた。完全な八つ当たりだ。
 会社帰り、いつものように事務所に来て、いつもの個室でパソコンを起動した。
 私がインしてすぐに来たお客さんは、常連のひとりだった。優しい感じで、チャットエッチの流れやムードを作るのも巧い男性だ。
 いつもは適当に声をあげるだけの私だったが、その日はストレスが貯まっていたこともあり、その男性の声に導かれるまま、半裸になり、手を下着の中に入れた。乳房を揉み、秘裂をさすりあげ……本気の甘い声をあげ続けた。
『今日は大胆だし……声がいつもより艶っぽいね。こっちまですごい興奮するよ、どうしようもないくらいギンギンだ』
 そんなことを言われ、私の方も興奮してしまった。
「ギンギンのチンポ、欲しいなぁ……ねえ、入れて、入れてよぉ」
 はあはあと声を荒げながらそんなことを言い、自分をまさぐり続けた。オナニーなんて久しぶり。だからだろうか、もう、ぐしょぐしょになるくらい感じてしまい、最期は、相手の声が聞こえないくらいにひたすら、あえぎ続けた。

「お疲れ様でしたー」
 帰宅しようとした私を、男性スタッフの山岸が呼び止めた。
「香里ちゃん、ちょっと仕事のことで相談があるんだけど、いいかな?」
「……はい?」
 山岸は人差し指を上へ立てた。
 事務所はオフィススペースとして、貸しビルのワンフロアを借りているが、そことは別に、上の階にスタッフルームを借りている。そこへ来いと言うことらしい。私は不審に思いながらも、山岸の後に続いた。

「これ……」
「なかなか良く撮れてるだろう?」
 スタッフルームは雑然としていて、女の子の通勤してくる階下のフロアとは全く別の会社のように見えた。
 大きな机に書類やらテープやら……女の子の履歴書や缶コーヒーなんかが散乱していて、携帯電話や、なぜか黒電話が何台も繋がっていた。
 奥にはパソコンが数台。適当に置かれたソファは染みだらけだった。
 パイプ椅子に座らされた私は、山岸から『ライブチャットにこないか?』と誘われたのだ。そっちの方が数倍稼げるからと。
 例えカメラ越しにでも、男性に裸やひとりエッチを見せるのには抵抗があるし、顔バレが怖いからと断ったのだが、山岸は食い下がってきた。
 そして最期に、起ちあげたパソコンのモニターで見せられたのが……さきほどの私――ボイスチャットをしながら、思わずオナニーにふけってしまった私の映像だったのだ。
「隠しカメラ……」
「そうですよ。一応ね、全個室に設置してます。ログも全部とってあるしね」
 モニターの中で私の背中が震えていた。はずかしげもなく声をあげ、椅子をがたがた言わせながら狂ったようにあそこを弄っている自分のみっともない姿。
 羞恥で身体が動かない。
「こんな感じでいいんですよ。お客さん大喜び。君も稼げる」
「……キャァ!」
 椅子を蹴り、立ちすくんだままモニターを見つめていた私に、山岸が背後から腕をまわしていた。
「やめてください……っあァァ」
「ここまで大胆にオナニーしちゃう子もめずらしくてね、久しぶりに興奮しちゃったよ」
 山岸はそう言いながら回した手を私の上着の中に入れ、乳房をまさぐった。
「うう……」
 久しぶりのオナニーで身体が興奮していた上、モニター越しに恥ずかしい姿を見られていたことを知った私は、精神的にも高揚していた。
 大きな男性の手で乳房を揉みしだかれ、腰が砕けるほどに感じてしまう。劣情が身体を火照らせ、どうしようもないくらい淫乱な気分になってしまった。 
「もともと、好き者なんだね」
「そんなこと……アア……ッ」
 男の愛撫に身体が疼いてたまらない。下半身が熱くなり、下着がじんわりと濡れていく。
 内腿をもじもじとこすりつけている様子が、山岸にも分かったんだろう。
「もう欲しいのか? なかなか淫乱なんだな」
 恥ずかしさで目を閉じ、背後でかちゃかちゃとベルトを外す音を聞いていた。
 こんなの、職権乱用のレイプだと思った。だが、抵抗する気は、全くなかった。それよりも刺激が……ペニスが欲しくて欲しくて、溜まらなかった。
 そっと目を開ける。目の前の17インチモニターの中の自分は、いやらしい顔をしたまま、オナニーを続けていた。ボイスは再生されていなかったが、多分、チンポ欲しいと甘ったるい声で繰り返していたのだろう。
「ああ……大きいので、私のことメチャクチャにして……」
 そんな言葉が口をついた。
「君のエロ声はさ、素人っぽくてすごくいやらしいんだよ。だから、客も付くんだ。ぜひ、ビデオチャットでも働いて欲しいね。今時、プロっぽい子は、はやんないんだよ」
「あああっっ!」
 立ったまま背後から、スカートが持ち上げられた。下着とストッキングが同時に膝までずりおろされる。
「脱いじゃえよ」
 私は言われるままに、ストッキングと下着を剥ぎ取る。テーブルに手を付き、尻を突きあげると、山岸の手が腰に添えられた。
「女の匂いが漏れてるよ。すごい濡らしたんだな。今度からは替えの下着を持ってきたらどうだ?」
「ああ……」
 早く早くと、私は腰を振る。山岸の切っ先が持ち上げられた秘裂の中心に添えられた。
「サイト提供の番組用に録音するからな、名前とか言うなよ?」
「え?」
 答える間はなかった。
 私の身体を一気に快感が突き抜けていく。肉のぶつかる音がするたび、腰が砕けそうな快楽が私を貫く。
「ああ、あああ……アアッ」
「いいぞ、もっと声をあげろ! どうだ? 気持ちいいか? ひとりエッチで感じちゃってたのか?」
 山岸が耳朶で囁く。
「はい……、アア、すごく、すごく感じてましたぁぁ」
「ボイチャのエッチで感じちゃってたんだな? 気持ちいいか?」
「ハイ、あぁ、気持ちいい……もっと、もっと突いてぇ!」
 いつの間にか私の前に、パソコンに繋がる小さなマイクが置かれていた。
「ああ、ああアアア……っ」
 すごくいやらしい、と言われたあえぎ声を張りあげながら、私は絶頂を迎えた。   
  
 晴れ渡る空。心地よいそよ風。暑くもなく寒くもなく……絶好の行楽日和だ。
 傍らには、彼氏の高広。高広は私より四つ年下の二十三歳で、友人の紹介で知り合い、つきあい始めてまだ半年だ。
 高広はどちらかというと奥手で、私が年上であることを過度に意識しているのか、あまり積極的にアプローチしてこない。ハッキリ言ってしまうと――ふたりの関係はまだ、キス止まり。
 高広は、そろそろなんとかしようと焦っているようだ。でも、きっかけがなく私に手を出せないっぽい。女性経験はかなり少ないか……もしかしたらないのではないかとも思われた。
 私の方はといえば――やっぱり、あまり経験はない。だけど処女ではなく、高広の前に二年間、付き合っていた男性がいた。その男性と一年半前に別れてから高広に会うまでは、恋愛とかエッチとか、そういうものとは無縁な生活を送っていたのだ。
 年下の高広は私を頼ってくるところがある。私も姉御肌なところがあるし、高広みたいなカワイイ男性に頼られるのは嬉しいし、張り合いがある。 
 高広とのファーストキスも、最初は私から誘うような感じで、した。高広がしたがってるの分かってたし、私もしたかったから。それに高広からしてくれるのを待っていたら埒があきそうになかった。
 高広はエッチも、私から誘ってくるのを待ってるふしがある。本当は、エッチくらい、男性側から強引なくらいにリードしてもらいたいなって気持ちはある。
 いつもとは逆に、私が高広に甘えて甘えて、少し子どもぽいところを見せたら。そうしたらもしかして、高広が少し積極的になってくれるんじゃないか――?
 私は、そんな期待をして、少し子どもっぽいかなとは思いながら、遊園地へのデートを提案したのだ。
 高広には話していなかったが、私は絶叫マシン系が大の苦手だ。私はいつもしっかりしていると思われているから、こういうウィークポイントを見せておけば、高広も少しは私に対して『しっかりしなくちゃ』と思ってくれるかもしれない。
 今日のような行楽日和の遊園地デートは、私にとってそんな演出に最適だった。
 朝からワクワクして、いつもより少しカワイ目のスカート姿に身を包んだ。
 ただ、いくつか誤算があった。
 ひとつは、高広も絶叫マシン系が大の苦手であったということ。しかも、私以上にダメであったということ。これは、もう帰ろうかと思うくらいの大誤算だ。
 そしてもうひとつは――。
 混んでいたのだ。激が付くくらいの大混雑。どうやら近県の人が県民の日かなにかで、入場無料デーだったらしい。
 どうでもいいアトラクションに乗るのでさえ超時間並ばされ、食事を取るのすらままならない。
 一番人気の絶叫マシンなんて、どれくらい待たなければならないかすらよく分からない程の列を作っていた。
「無理に乗るのやめよう。僕、怖いし」
「……そうね」
 なんだか、グダグダしたデートになってしまい、私たちはとにかくあんまり人が並んでいない乗り物――大して盛りあがらないアトラクションをハシゴして、時間を潰した。

「アレ、乗ろうよ」
 なんだか疲れてしまい、少し早めに切り上げて、あとひとつくらい乗り物に乗ったら帰ろうといった空気の中、高広が観覧車を指さした。
 見てみると、長い待機列は出来ていたものの、列自体はかなり早く進んでいるようだった。
「観覧車大きいし、最大搭乗人数も多いでしょ。どんどん乗り込んでいくから、きっとスムーズなんだよ」
「なるほどねー」
 時間は夕方。日が沈みかけ、空はほんのりあかね色。観覧車といえば密室。最後の最後にちょっとロマンチックかもしれない……。
 そんな期待を胸に行列の最後尾に並び、
「本当に、サクサク進むね」
「ねー」
 なんて言いながらいざ乗り込む直前、目に飛び込んできた一枚の張り紙に、私はガックリと肩を下げた。
『本日は混雑しております。お客様にはご迷惑をお掛けしますが、御相席をお願いしています』 
 どおりで列がサクサク進むわけだ――。

 私たちと共に観覧車に乗り込んだ相席のカップルは、最初から挙動不審なところがあった。
 こちらがガッカリしながらも笑顔で会釈したのに、男性の方は黙礼。女性の方はこちらと目を合わせようとすらしなかった。
 観覧車は振動しながら上を目指して回る。私は、窓の外を見ていた。
 並び始めたときはほんのりあかね色だった空が、今は見事な夕焼けに変わっていた。
「きれいね」
 高広を見た。高広は、なぜか動揺した顔つきで、目の前のカップルを盗み見ていた。
 私もそっと、カップルを見る。
 私よりもかなり年上だと思われる男性の方は黙って窓の外を見ていた。そしておそらく高広と同じ歳くらいの女性の方は……なにやらかたかたと震えていた。
 うつむいた顔が真っ赤になり、涙さえ浮かべているように見えた。
 薄手のトレンチコートをかっちり着込んでいたから、寒いということはなさそうだった。けれど、露出した素足は粟立ち、膝の上でコートを握りしめた両手も筋張って見えた。
 もしかして、別れ話したてのカップルかもしれない――。あまりにも様子のおかしいカップルに、私は閉口した。折角のロマンチックな夕焼けも、相席カップルのせいで台無しだ。
 観覧車内は静まりかえり、がたがたという機械のきしむ音だけが……いや、それ以外にも、奇妙な音が室内に響いていたのに、私はその時初めて気が付いた。
 不自然にくぐもったモーター音だ。その音には聞き覚えがあるような――。
「前、開けろ」
 そろそろ観覧車が一番頂上に到達という頃だった。緊張しきった観覧車の中に、威圧的な男性の低い声が響いた。相席カップルの男性だ。
 その声に女性が小さく「はい」と答え、座ったまま、トレンチコートのボタンを外し、前をはだけた。
「……えっ!」
 女性は全裸だった。トレンチコートの下には、下着すらつけていなかった。
 私の横で、高広が息を呑むのが分かった。軽く開いたその女性の脚の間から、コードが伸びていた。
「ああっ!」
 男性がそのコードをたぐると、思い切り引いた。その瞬間、女性の剥き出しの股間からピンク色をした卵形の――ローターが飛び出して床に転げ落ちた。
「ああ、あああっっ!」
 ぷるぷると震えながら、女性は身体を折り曲げて歓喜の声をあげ続けた。ローターは女性の体液を絡ませたまま、金属製の床でカラカラとはね回る。どれだけ激しい刺激を今まで女性に与え続けていたのかは想像に難しくない。
このカップルは露出プレイをしているんだ――! 私は驚愕した。
 女性はウンウンと唸りながら恍惚としているし、男性の方は
「人に見られて感じたか、お前は本当にヘンタイだな」
 などと、ぼそぼそ女性に言っている。女性はそのたびに、アア、だとか、もう許してください、なんて甘い声をあげる。
 今までエッチなマンガやDVDの中だけだと思っていたSMプレイのひとつが目の前で行われているのを見て、私は怖くなった。第一ここは地上の密室だ。逃げ場もない。
 男性は女性の身体をまさぐり始めた。女性はあんあんと、だらしない喘ぎ声を張りあげる。それを見ていたらなんだか、現実感が薄くなっていった。
そして、目の前で淫靡な表情を浮かべる女性がもしも自分だったらと……そんなはしたないことを考えてしまって……。
 高広の腕をぎゅっと掴んだ。その時だ。
 高広が立ちあがると、そのカップルの前に立った。
「高広……っ」
 高広は床で転げ回ったままのローターのコードをつまむと、男性に突きつけた。
「お兄さんもこのメス犬のおまんこに突っ込んでやりますか? 大歓迎ですよ」
 ニヤニヤしながらそう言う男性と、甘ったるいため息の女性に向かって高広は、
「迷惑です。こういう事は、同好の士と楽しんでください。私たちにとってあなた達の行為は犯罪です。証拠の写真を撮って、警察に訴えることも出来ます。それがイヤなら今すぐ肌を隠して下さい」
 と、キッパリとした態度で、落ち着いた声を出してそう言った。

 遊園地を出た私と高広は駅を通り過ぎ、歩いていた。ふたりとも無言だった。
 言いたいことは沢山あったし、言わなければいけない気もしていた。だけど、駅を足早に通り過ぎ、まだ歩いている高広の何か思い詰めたような様子に圧倒され、私は何も言えなかった。ただ、年下の高広の腕にしがみついていた。
 陽はすっかり落ち、空には星が瞬き始めていた。人通りの少ない方へと、高広は足を速める。
「休んでいこうか?」
 大きな自然公園の前で、高広が静かにそう言った。私は頷き、高広に従う。
 遊具のある児童公園を抜け、ベンチが点在する遊歩道を通り抜けてゆく。明かりのない木々の連なる林へと高広は私を連れ、やがて足を止めた。
「高広?」
 突然強く抱きしめられ、私は短く声をあげた。
 高広は何も言わず、強引に私の唇を吸うと、近くの巨木に私を押しつける。土と木の強い香が鼻をつく。
 高広は私にのしかかるようにしてスカートの中に手を差し入れた。
「た、高広……っ! ちょっと、こんなところで……」
 高広の荒い息づかいが、耳朶に響いた。こんなにも興奮し、熱くなっている高広は初めてだ。
「やだ、まさか。さっきの……」
 観覧車にいたカップルを見て興奮しちゃったの――? 私はその問いかけを、寸でで飲み込んだ。高広の手が私のシャツをめくりあげ、胸元を探り、乳房を強く揉みしだく。
 さらに高広は立ったまま私のスカートの中を手繰り、下着に手をかけた。
「ああ……」
 乱暴にゴムを引っ張り、ずりおろす。
 こんな、こんなレイプみたいな……。いつもは大人しい高広のあまりの豹変ぶりに私は戸惑い、抵抗することすら出来なかった。
 それに何より……私は濡れていた。どうしようもないほど滴り、内腿までいやらしい蜜を流していたのだ。
 公園に入ったときから……駅を無視して歩く高広の腕にしがみついていた時から……いいえ、観覧車で露出カップルに毅然とした態度で対峙した高広を見たときから私は、こんな風にされるのを心のどこかで望んでいたのだ。
「あ……アア……」
 私の身体を背後の木に押しつけるようにもたれた高広は、私の脚の間に指を差し入れた。指が肉びらを割り、ぐちゃぐちゃになった秘穴にねじ込まれる。
「んんん……っ」
 乱暴なほどに掻きむしられ、私の秘所は激しく収縮を繰り返し、高広の指に淫乱に絡みつく。
「ごめん、俺、もう我慢できないから」
 ハァハァという激しい息づかいの混じった高広の低い声が、耳朶に囁かれる。
「ああ、ああああ」
「わ、私も……ああ、ああ」
 高広は激しく熱いキスを重ねながら、自分の方へ私の身体を引き寄せた。なんてすごいディープキス……。頭の芯がジンジン痺れるようなその快楽に酔っていると、突然私は身体を返された。
「え……? あ……」
 高広が肩で息をしながら、ズボンのベルトを外している。まさか本当にここで、こんなところで――。
 呆然としていた私は背後から抱きしめるようにして、木に押しつけられた。木に両手をつき、お尻だけを突き出した立位の恰好だ。
 高広は私のスカートをめくりあげた。既に下着は剥ぎ取られていて穿いていない。剥き出しの濡れた尻に生ぬるい風が当たってすうすうとする。
「あ、あああ」
 高広の熱い手が私の腰を強い力で支え、さらに突き出すように引く。突き出されたその中心に、背後から熱く固く、大きな肉の塊が押しつけられ、そしてグイグイとねじ込まれた。
「アア、アッ、ひっっ!」
 身体中がビリビリと痺れるような激しい快感に、私は身体をのけぞらせた。
「ああ、あああ……アアッッ!」
 よほど大きな声をあげていたのだろうか。高広の大きな手が、私の口を塞ぐ。
「ん、んんんん……」
 高広はテクニックも駆け引きもなく、ひたすら必死に……乱暴なくらいメチャクチャに、私に欲望をぶつけ、秘肉を掻き回し、奥までガンガンと貫いてきた。こんなにも野性味溢れる若いセックスは新鮮に私を狂わせた。
 野外でレイプ同然に犯される羞恥と、今まで感じたことのない程深い快楽とに溺れながら、私は何度も何度も昇りつめていった。
「アアまた、またイッちゃうぅっ!」
 少し計画は狂ってしまったけど、遊園地デートは正解だったのかもしれない。
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